投稿日 2022/06/30

解説!アンケートで成果を出すポイント7つ

#マーケティング #マーケティングリサーチ #アンケート調査


今回はビジネスでのアンケートで成果を出す方法を解説します。

ポイントを7つご紹介します。

この記事を読んでいただきたいと思うのは、仕事でアンケートを作ることがある方です。例えば消費者や会員向けのアンケート、または社内でのアンケートです。

マーケティングリサーチャーの方にも参考になればと思います。ぜひ最後まで読んでみてください。

アンケートで成果を出すポイント


最初に結論で、アンケートのポイントは次の7つです。

✓ アンケートで成果を出すポイント
  1. 明確な目的
  2. アンケート対象者の条件
  3. リサーチ課題と仮説
  4. 回答者が答えやすい設問の順番
  5. 回答の誘導をしない
  6. 回答者目線でのアンケートチェック
  7. 不都合な真実への向き合い

ではどうぞ。

[ポイント 1] 明確な目的


前提としてアンケートは目的達成のための手段です。もしアンケートを実施しなくても目的を達成できるならアンケートは不要です。

そもそもなぜアンケートやるのかの目的を明確にすることが大事です。アンケートの存在意義です。目的がない、または曖昧な状態でアンケートをやるという 「手段の目的化」 が起こらないように注意しましょう。

目的とは言い換えればアンケートから何を知りたいかです。そして 「知りたいこと」 がわかればどう利用するかというアンケートのネクストステップを見据えるといいです。

例えば顧客ニーズへの仮説が本当に実在するニーズか、どのくらいの人がそう思っているかをアンケートから検証し商品コンセプトやマーケティング施策に活用するというネクストを想定します。

[ポイント 2] アンケート対象者の条件


アンケート回答者の条件を決めます。

アンケートとは要するに 「誰に」 「何を」 「どう訊くか」 です。1つ目の 「誰に」 の部分においてマーケティングでターゲット顧客を決めるように、アンケートでは 「ターゲットアンケート回答者」 を明確にします。

対象者条件を言語化し回答者を選定し抽出できるようにします。

[ポイント 3] リサーチ課題と仮説


目的設定で見た 「アンケートから知りたいこと」 をリサーチ課題 (問い) にします。そして問いへの仮説をつくります。論点と仮説はセットで考えておくといいです。

全くの仮説が思いつかない場合を除いて、仮説の確度が低くても事前に仮説まで落とし込みます。

* * *

ここまでで7つのうち3つです。

では残りの4つを見ていきましょう。

[ポイント 4] 回答者が答えやすい設問の順番


アンケートの設問をどういう順番で訊いていくのかを決めます。

ポイントは2つあります。自分たちが訊きたい順番、回答者が答えやすい順番です。

この2つはマーケティングでいう 「プロダクトアウト (自分が訊きたい順) 」 と 「マーケットイン (相手が答えやすい順) 」 です。両方が大事で、特に後者のマーケットインを忘れないようにし、アンケートの設問をつくっている時からアンケート回答者の立場になることを意識します。

[ポイント 5] 回答の誘導をしない


先ほど仮説をつくることの重要性を書きましたが、一方で仮説は諸刃の剣です。仮説にとらわれすぎることには弊害があります。

弊害をアンケート作成に当てはめると、仮説への思い入れが強すぎると本来は仮の答えにもかかわらず、回答者が自分たちの仮説を答えるよう誘導するアンケート設問にしてしまいます。これでは本末転倒なんですよね。

具体的には設問文の枕詞に 「この商品には “◯◯◯” という機能がありますが、あなたはこの商品を欲しいと思いますか?」 というような訊き方です。冒頭の 「 “◯◯◯” という機能がありますが」 は不要です。

しかし、これが起こるのはアンケート作成者の暗黙の前提があるからです。想定している機能のことを回答者は知っているであろうという思ってしまっていたり、1人でも多くの人に 「欲しい」 と回答してもらいたい思惑です。

意図的ではなくても誘導尋問のようなアンケートになってしまい、アンケート回答データが正しくなくなります。誤ったデータや情報からの意思決定は決断を間違えます。

[ポイント 6] 回答者目線でのアンケートチェック


アンケートを作成した後は、1人のアンケート回答者になったつもりでアンケートレビューをします。アンケートチェックは必ず実施しましょう。

回答者の立場になることが大事です。アンケート作成をパソコンからだったとしても、回答テストはスマホからやるように回答者の状況になるべく近い状態でやります。

できればアンケート作成に関与していない初めて見る人に、新鮮な目でチェックしてもらうといいです。専門用語を使っていないか、設問の意味を複数で解釈できてしまわないか、設問文が必要以上に長くないか、誘導尋問になっていいないかなどのフィードバックをもらいます。

[ポイント 7] 不都合な真実に向き合う


最後の7つ目のポイントはアンケート回答結果への向き合いについてです。

アンケート回答が期待する結果ではない時、つまり自分たちにとっては不都合な真実だった時に結果から目を背けたり、蓋をしてはいけません。

アンケートとは自分たちの都合の良いデータや結果を出すのではなく、適切な人に・適切な方法で訊いて 「真実を知ること」 が本来です。たとえ結果が自分たちには不都合な真実だったとしても、事実として受け入れ 「じゃあどうするか」 と次に頭と行動を切り替えることが大事です。


まとめ


今回はアンケートについてでした。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

✓ アンケートで成果を出すポイント
  1. 明確な目的
  2. アンケート対象者の条件
  3. リサーチ課題と仮説
  4. 回答者が答えやすい設問の順番
  5. 回答の誘導をしない
  6. 回答者目線でのアンケートチェック
  7. 不都合な真実への向き合い


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。