2018/10/09

意味のある会議にするためのファシリテーション方法。発言を引き出し、自然な対話から、納得感のある合意形成をするために


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会議についてです。

参加者同士で活発な発言があり、時間内に結論が出るような、やってよかったと思える会議にするために、どうすればよいかを考えます。

エントリー内容です。

  • 会議の定義と役割
  • 意味のある会議にするためのファシリテーション方法
  • まとめ


会議の定義と役割


ビジネスにおける会議の定義です。

会議とは、目的のために関係者が集まり (同じ時間を共有する) 、会議の目的を時間内に達成し、人と組織を動かし、人と会社を成長させるために行なうものです。

会議の役割は、大きくは3つです。会議によっては、どれか1つではなく複数の役割を持つ場合もあります。

  • 合意形成と意思決定
  • 意見やアイデア出し
  • 情報共有


意味のある会議にするためのファシリテーション方法


1つめの意思決定、2つめの意見出しのためには、会議参加者の発言をいかに引き出せるかです。一方的な結論や特定の人だけの意見ではなく、参加者に納得感のある合意形成を目指します。

そのために大事なのは、次の2つを会議の場でつくることができるかです。

  • 発言を促す
  • 参加者同士の対話を促進する

以下、それぞれについて、具体的にどうすればよいかをご紹介します。


発言を促す


会議での相手の発言を促すために大切なのは、発言をした人に 「発言をしてよかった」 と思ってもらえることです。

発言者への向き合いでは、次の3つを心がけます。

  • 興味を示す:発言者の方を向き、相手の顔や目を見て聴く
  • 肯定し共感する:頷きながら聴き、理解を表す。相手の発言内容に共感を示す
  • 褒める・感謝する:良い指摘であると褒める、発言に対してお礼を言う


行動分析学からの示唆


心理学の一つである行動分析学では、行動の直後 (60秒以内が目安) にうれしいなどの行動からのメリットがあると、行動が強化されるします。行動分析学の言葉では 「好子出現」 と言います。好子 (メリット) があれば、次もその行動をしたいと思えます。

会議に当てはめれば、発言という行動に対するメリットが発言直後に実感できれば、次も発言をするという良い循環になります。

メリットとは、「言ってよかった」 と思えることです。そのために、肯定し共感する、褒める・感謝することです。

なお、行動分析学については別のエントリーで取り上げています。よろしければ、ぜひご覧ください。



発言を深掘りする


発言内容をさらに深掘りすると、発言者の意図を会議の場で共有することができます。

具体的には以下の3つの質問を、発言者に聞きます。

  • 具体的にはどういうイメージ?
  • なぜそう思う?
  • 他にはない?

1つめは、抽象的な意見 (例: なる早で、顧客視点が大切、効果の最大化差) に対して、具体的にはどういう意味かを確認する質問です。

2つめの 「なぜそう思う」 という質問は、発言の奥にあるその人の考え方、理由、価値観を知るためです。

本人は言わなくてもわかると思っていても、抽象的な発言や、理由が発言内に入っていない場合は、他のメンバーには伝わりません。その後の議論にズレが生じます。

発言を受けその場で 「具体的にはどういうことか」 や 「なぜそう思うか」 を確認しておけば、認識をそろえることができます。

3つめの質問の 「他にはないか」 は、他の視点や意見があれば、続けて発言を促すためです。

なお、上記の3つの質問はオープン質問 (はい・いいえでは答えられいもの) です。場合によっては、あえてクローズド質問 (はい・いいえで答えられる) を使います。

判断基準は、議論の場が活性化しているかどうかです。発言がしにくい状況だと思えば、答えやすいクローズ 質問を使います。1つめの具体的な例を引き出す質問では、「具体的には xxx ですか」 です。


参加者同士の対話を促進する


参加者の発言を促すことができれば、次に目指したいのは参加者同士の横の対話です。

会議を仕切るオーナーやファシリテーターと、参加者がその都度でやりとりがされる 1 : n ではなく、参加者同士の対話の促進です。

そのためには、誰かが発言をすれば会議の中心人物 (ファシリテーター) が発言を返すよりも、誰か他のメンバーに話を振ります。A さんの発言について、「B さんの立場からはどう思いますか」 のように問いかけます。

誰かの発言に対して、ファシリテーターのような会議をリードする人が必ずしも答える必要はありません。むしろ言いたいことがあっても我慢し、他のメンバーに話を振り答えてもらうほうが会議の場が活性化します。

特定の人だけに発言が偏ることを防げ、参加者も自分に話を振られるかもしれないと感じるので良い緊張感が生まれます。

会議で期待したいのは、参加者の自然な発言により一人で決めるよりも、メンバーの相乗効果から、より良いアイデアや結論に至ることです。会議中の状態は、1 : n の中央集権的ではなく、参加者同士で自然と対話ができているような分散型です。

相互に発言と傾聴があれば、参加者に納得感のある合意形成ができます。


まとめ


今回は、より良い会議にするために、どうすればよいかを考えました。

まとめると、以下です。

  • 発言を促す 1:興味を示し、肯定と共感、良い発言は褒め、感謝を伝える。発言者に 「言ってよかった」 と思ってもらえると、次の発言につながる
  • 発言を促す 2:発言に 「具体的には」 「なぜそう思うか」 「他にはないか」 と深掘りする
  • 参加者同士の対話を促進する:発言を受けて他の人に振る。発言のやりとりを 1 : n ではなく、参加者同士で自然と対話できている状態をつくる

会議とは、目的を達成するために同じ時間を参加者で共有し、より良い会議アウトプットを出すためにあります。

最初から結論ありきではなく、A 案か B 案の状況で、新たな C 案が生まれるかです (単なる A と B の妥協案ではなく) 。参加者の能力を最大限に活かすために、発言を引き出し、自然な対話ができている状態をつくります。

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多田 翼 (書いた人)


複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略、プロダクトマネジメント、マーケティングのコンサルティング及びメンター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝のランニング。

内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。