2018/10/02

組織の本質は何か。強い組織になるための前提と条件を考える


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ビジネスの企業組織についてです。

エントリー内容です。

  • 組織とは何か
  • 組織の前提となる考え方
  • 強い組織の条件 (7つ)


組織とは何か


組織とは、会社の事業規模や社員の人数が多くなり、創業者が一人で全てをまわせなくなった状況で生まれます。組織ごとに役割を設定し責任が与えれます。これが、マネジメントの視点で見た組織の意味合いです。

組織内に所属する人から見れば、組織とは、自分一人だけではできないことを、組織として皆でやれるようにする仕組みです。組織は、一人一人の能力を引き上げる装置です。


組織の前提となる考え方


私が思う組織の前提は、次の3つです。

  • 組織は人間が集まって構成される
  • 人間の本質は生存欲求である。人間は弱く、自分のエゴを本能的に追求する
  • 相反することのバランスをいかに取るか (性善説と性悪説、利己と他己、競争と協力、主体と受け身)

以下、それぞれについて補足します。


1. 組織は人間が集まって構成される


組織は人間の集まりであり、企業は組織の集合体という前提です。組織をつくったり、組織改編をし、組織に役割や責任を持たせるときも、組織という塊を見るとともに、組織を構成しているのは生身の人間であることを忘れないようにします。

会社を見る時も同様です。会社という一塊で見るのだけではなく、会社も組織が集まってできています。


2. 人間の本質は生存欲求である。
人間は弱く、自分のエゴを本能的に追求する


組織は人の集まりである以上、組織の本質を考えるためには、人間の本質を理解することが大事です。

人間の本質とは、生存欲求です。いかに自己を保存するかです。太古の昔から、自分がどう生き残るか、生存し自分の子孫をどう残すかが、現代の人間にも本能的に組み込まれています。

人への認識で私が考えることは、人は弱い存在であること、生存欲求という自分のエゴを本能的に追求した振る舞いや行動を取ることです。良い悪いの問題ではなく、人が本能的に持ち合わせている本質を前提に、人の集まりである組織を考えます。


3. 相反することのバランスをいかに取るか
(性善説と性悪説、利己と他己、競争と協力、主体と受け身)


人は、時には矛盾した考え方や行動を取ります。従って、人で構成される組織も相反するものを抱えます。

  • 人間の性善説と性悪説の両面、自分の利益やエゴを優先する利己と、他人の利益を優先する他己主義
  • 人は競争する側面を持つ一方で、仲間や時には敵とも協力する一面を持つ
  • 主体的な考え方・行動を取る人もいれば、受け身でしか動かない人もいます。同じ人でも、主体と受け身の両方を持ち合わせ持つ

組織への前提として考えるのは、こうした矛盾をなくすことではなく、相反することを受け入れ、いかにバランスを取るかが大切だということです。


強い組織の条件


私が考える強い組織の条件です。7つあります。


1. 常に変化する。理想を追い求め、いつも未完成である


ものごとは変わり続けます。組織も同様です。

外部環境という前提が変われば、組織も適応するために変化します。生き残る組織になるためには、自ら変化し環境に適応することが大事です。強い組織は、外部の変化のスピードより、自分たちが早く変化します。

常に変化するので、いつまでも未完成です。

たとえ一時的には完璧な組織になったとしても、環境は変わり続けるので常に完成された状態ではいられません。外部環境の変化に伴い、理想を追い求め常に未完の状態です。より良くなるために変化をする組織が強いと考えます。

変化するために、時には自己否定ができる組織ことも大事です。


2. ビジョン・ミッション・アクションが明確で、共感されている


理想として描く世界観をビジョンとして掲げ、ビジョンを実現するための志や、自分たちが何をするかのミッション (使命) が明確なことです。

ビジョンとミッションに基づいた、具体的なアクションが明確であることも大事です。

そして、会社・組織・人のそれぞれで、3つに一貫性があることです。

  • 会社全体としてのビジョン・ミッション・アクション
  • 組織のビジョン・ミッション・アクション
  • 組織を構成する一人一人のビジョン・ミッション・アクション

組織を構成するメンバーから、ビジョン・ミッション・アクションに共感されていると、その組織は強いです。


3. 多様性と心理的安全性


組織を構成するメンバーに多様性があることです。

多様性があるとは、男女や人種などの表面的な違いではなく、考え方やバックグラウンド、専門性が様々なことです。違いがあり、お互いの違いを認め合い受け入れながら、尊重し合える組織が強いです。

組織において、心理的安全性があることも重要です。

心理的安全性とは、自分が組織に必要とされていることが実感でき、組織に自分の居場所があることです。自分はこの組織でやっていけると思えることです。

チームのメンバーの一人ひとりが気兼ねなく発言でき、本来の自分を安心して出せると感じられる雰囲気がある状態です。他のメンバーへの共感や思いやりがある組織です。

オープンなコミュニケーションが成立し、お互いに何を考え、何をやっているかが共有された環境です。何かを知りたい時や問題が起こった時に、誰に聞けばよいかの 「know who」 の組織全体での蓄積が溜まっている組織が強いです。


4. 常に行動し、PDCA が早く何度もまわっている


組織には役割があり、役割を果たすためには行動が必要です。強い組織は、行動への早さと多さがあるだけではなく、意図を持って行動からの PDCA が早く何度もまわし続けています。

行動だけで終わるとやりっ放しなので、次に活かされません。PDCA のために、行動の前に仮説を立て、仮説を実行に移します。行動して成功したこと、うまく機能しなかったこを把握し、特に失敗したことへは謙虚に向き合い、意味合いと学びを得ます (仮説検証) 。経験を活かし、次の PDCA につなげます。


5. 各自が自律的に動き、全員がリーダーシップを発揮する


組織のメンバーが言われたことを受け身でやるのではなく、自ら考え判断し、主体的に動ける組織です。適度な競争環境があり、同時に皆で協力をしながら組織内でアメーバーのように自律的に動く組織です。

組織内の正式なリーダーは限られますが、リーダーという肩書がなくても、全員が積極的な当事者意識を持ちリーダーシップを発揮する組織が強いです。

誰かに任せることや、まわりをサポートすることも、リーダーシップであると考えます。


6. ユーザーファースト


組織が誰を向いて、判断し行動をするかです。

上のご機嫌を取るような振る舞い、中での権力争いではなく、自分たちが価値を届ける相手である顧客、生活者、社会をより良くすることに焦点を当てているかです。


7. 人間の本質に則った組織の仕組みがある


組織を考えるにあたっての前提である 「人間の本質は生存欲求」 は、否定することはできません。人間の本質を理解し、認めた上で、生存欲求を組織の成長のドライバーにするような組織の設計ができるかです。

性善説を信じる一方、人は本能的に、人の弱さ・変化を嫌う・誰も見ていないところでは怠ける等を持っています。人の本能 (煩悩) が暴走し組織に悪影響を与えないように、「仕組みで性善説を守る」 という考え方です。

具体的には、組織での評価制度と報酬制度によって実現させます。


評価制度

  • 人が組織で望ましい考え方や行動を取るように促し、評価基準によって評価する仕組み
  • 生存欲求という人間の本質に則った評価制度にできれば、個人の利益 (生存欲求の追求) と組織の利益が一致する


報酬制度

  • 自分の能力向上と業績 (結果) の2つの軸で評価し、認められれば金銭的な報酬や昇格などの名誉によって、本人に実感できるもので労い報いる仕組み
  • 報酬が返ってくれば、人は自分が組織から認められたと思える
  • 組織に自分が必要とされ、組織内での自分の生存確率が高まることを実感できる


最後に


今回は、ビジネスでの組織について、自分が思う本質は何かを考えました。

もし自分が組織をつくる立場になった場合に、前提として持っておきたいこと、強い組織にするために何が必要かについて、頭の中のことを書きました。

最後に、強い組織になるための7つの条件です。

  • 常に変化する。理想を追い求め、いつも未完成である
  • ビジョン・ミッション・アクションが明確で、共感されている
  • 多様性と心理的安全性
  • 常に行動し、PDCA が早く何度もまわっている
  • 各自が自律的に動き、全員がリーダーシップを発揮する
  • ユーザーファースト
  • 人間の本質に則った組織の仕組みがある

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多田 翼 (書いた人)


複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略、プロダクトマネジメント、マーケティングのコンサルティング及びメンター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝のランニング。

内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。