2018/10/10

プロダクト開発で磨くべき4つの仮説。それぞれについて仮説・検証方法・シナリオをセットで考えておく


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ビジネスでのプロダクト開発についてです。プロダクト開発の戦略立案と実行を一気通貫させるために、どうすればいいかを考えます。

エントリー内容です。

  • プロダクト開発の4つの仮説
  • イシューから始めるプロダクト開発
  • 仮説検証とシナリオ。仮説が反証された場合の対応


プロダクト開発の4つの仮説


私がプロダクト開発マネジメントで重視しているのは、仮説を順に立て、それぞれの仮説に対する検証方法と結果シナリオをつくっておくことです。

仮説は次の4つです。

  • 顧客仮説
  • 問題仮説
  • ソリューション仮説
  • 提供価値仮説

以下、4つの仮説それぞれについて補足です。


1. 顧客仮説


最初に顧客を設定します。プロダクトを新規で開発するのであれば、最初に使ってほしい顧客像の仮説を設定します。

顧客設定はなるべく具体的に表現をします。必要に応じてペルソナやカスタマージャーニーをつくります。

注意点は、この時点での顧客設定は仮説だということです。

あくまで仮に設定した顧客像で、この時点では自分たちが開発するプロダクトを使ってほしい顧客ですが、検証を進めていく中で実態と仮説がズレれば、顧客設定から見直します。


2. 問題仮説


設定した顧客が抱える問題は何かです。顧客との対話や顧客を観察することによって、顕在的な問題、顧客自身も気づいていないような潜在的な 「不」 を見い出します。

これらの問題点に対して、自分たちが解決したいと思うもの、解決すべきだと考えられるものは何かを決めます。これが問題仮説です。

仮説としているのは、問題を定義したとはいえ本当にその問題は顧客にとっても解決を望んでいるかの検証を経ていないからです。

顧客の問題は何かという理解と、顧客への共感が、プロダクト開発の拠り所になります。

1つめの顧客仮説は who 、2つめの問題仮説は why にあたります。


3. ソリューション仮説


3つめの仮説はソリューション仮説です。

2つめの問題仮説とは、自分たちが解決に取り組む問題設定でした。3つめのソリューション仮説とは、定義した問題に対して自分たちは具体的に何をやり (what) 、どのような方法で解決するか (how) です。


4. 提供価値仮説


提供価値仮説とは、ソリューションにより顧客にもたらされるベネフィットです。

自分たちのソリューションによって、つまり開発するプロダクトを顧客が使うと、顧客にどんな 「うれしさ」 がもたされるかの仮説です。プロダクトを利用することによって、どんな良いことがあるかです。

ソリューション仮説は主語は自分たちでしたが、提供価値仮説の主語は顧客に戻ります。


イシューから始めるプロダクト開発


ここまで見た4つの仮説は、以下でした。

  • 顧客仮説
  • 問題仮説
  • ソリューション仮説
  • 提供価値仮説

1つめと2つめの顧客仮説と問題仮説は、「問題設定の質」 を高めます。3つめと4つめのソリューション仮説と提供価値仮説が高めるのは、「解の質」 です。

ポイントはこの順番です。先に問題設定の質を高めてから、問題を解くための解の質を上げます。

4つの仮説の順番は、イシューから始めるという考え方です。

いきなりソリューションから考えるのではなく、まず始めに考えるべきは、誰の何の問題を解決するかです。Who と Why を明確にすることによって、顧客への理解と共感がプロダクト開発の起点になります。


仮説検証とシナリオ。仮説が反証された場合の対応


仮説は立てただけでは十分ではありません。大切なのは、仮説を検証して正しいかどうかを見極めることです。

プロダクト開発における4つの仮説について、それぞれへの検証方法をつくります。検証方法だけではなく、想定される検証結果と各結果を踏まえ、どう対応するかのシナリオも事前に考えておきます。

シナリオは大きくは2つです。仮説が正しいとわかった時に、次にどうするか (例: プロダクトの本格開発に進む) 、もう1つは仮説が反証された場合にどうするかです。

仮説が正しくなかった場合には、仮説の前提になっていたことの何が違っていたかを深掘りします。想定していた前提と実際で異なったことは何かがわかれば、前提を見直して新しい仮説をつくります。


最後に


今回は、プロダクト開発における仮説のつくり方と検証についてご紹介しました。

4つの仮説をつくることは、プロダクト開発の戦略をつくることです。戦略とは、上位にある目的を達成するために何をやるかです。

プロダクト開発に当てはめると、以下です。

  • 目的:問題設定である 「顧客仮説」 と 「問題仮説」
  • 戦略:顧客の問題を解決するために、自分たちは何をするか (何をやらないか)

戦略は立てただけでは机上の論理です。問われるのは実行です。

プロダクト開発では、仮説を検証するという実行によって、本当に開発すべきプロダクトかを見極め、顧客への提供価値を実現します。

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多田 翼 (書いた人)


複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略、プロダクトマネジメント、マーケティングのコンサルティング及びメンター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝のランニング。

内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。