2018/10/06

スタートアップの視点で考える、副業の位置づけと副業にかける時間の目安


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本業と、本業以外の活動 (いわゆる副業) について書いています。

エントリー内容です。

  • 定職とサイドビジネスの違い (10個)
  • 私の副業の位置づけ
  • 本業と副業の時間比率の考察 (Google からの副業にかける時間目安のヒント)


定職とサイドビジネスの違い


起業の科学 - スタートアップサイエンス という本に、定職とサイドビジネスの違いが書かれています。



以下は、本書から10個の違いです。

定職 サイドビジネス
義務感 好奇心
会社で自分の役割を演じる 自分自身を演じる
緊急性にフォーカス 重要性にフォーカス
制約条件から考える  "箱" の外から考える
業務連鎖で考える 業務上の制約を外す
現在志向 未来志向
既存ソリューションベース 新規ソリューションベース
現行の商習慣 未来から逆算する
失敗を恐れ躊躇する 失敗しても次を試せる
固定費がかかる 固定費を極端に減らせる

引用:起業の科学 - スタートアップサイエンス


本業ではないサイドビジネスのほうが、スタートアップのような全く新しいことに取り組むようななものが並んでいます。

特に興味深いと思ったのは、以下の4つです。

  • 重要性にフォーカスする (緊急度は必ずしも高くない)
  • 制約を外し、"箱" の外から考える
  • 未来から逆算して考える
  • 失敗しても次を試せる (早めに小さく失敗をして学ぶ姿勢)


副業の位置づけ


サイドビジネスで大事だと思うのは、自分がワクワクすることや長期的な視点で、将来の自分の強みの元になる 「源泉」 や 「資産」 をつくることです。

本業では目の前のことに注力しがちです。サイドビジネスのような副業では短期的な視点ではなく、長い目で自分の強みの源泉を築けることをするとよいです。

私が思う副業の位置づけは以下です。

  • リスクを取りにいく (未経験や自分ができないことに挑戦する機会とする)
  • 早めに小さな失敗を経験する。自分のできること・できないことを棚卸しできる
  • 価値を提供し、貢献する。信頼を築く

副業で大切にしている考え方は、お金を稼ぐことを目的にしないことです。結果として収入になってもよいですが、副業はあくまで上記3つを実現するためにあります。

3つができれば、自ずと本業に還元されます。あるいは、副業でやってきたことが本業になります。


本業と副業の時間比率の考察 (Google からの副業にかける時間目安のヒント)


本業と、本業以外の活動である副業は、どれくらいの時間比率がよいのでしょうか?


[ヒント 1]
20% ルール


ヒントになるのは、Google の 20% ルールです。Google には、本業以外のことを業務時間の 20% までは取り組んでよいという文化があります。

20% ルールで Google が意図しているのは、結果もさることながらプロセスにあります。

普段とは違う業務に、異なる人たちと組織を超えて一緒に働くので、通常の仕事では得られない経験ができます。20% ルールの意義は、20% の仕事からの学びと得たことを、本来の業務にも活かすという好循環です。


[ヒント 2]
Google のプロジェクト管理ルール


もう一つヒントになるのは、Google の 「70 : 20 : 10」 というプロジェクト管理ルールです。各プロジェクトをコアビジネス、成長プロダクト、新規プロジェクトの3つのフェーズに分け、リソース配分を 7 : 2 : 1 にするという考え方です。

以下は、書籍 How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント からの引用です。

2002年の時点で、グーグルはまだプロジェクトを重要な順に並べた 「トップ100リスト」 をもとに、リソースの配分やプロジェクトのポートフォリオを決めていた。

だが成長にともなって、このシンプルな仕組みではスケールすることが難しいという懸念が強まった。忌まわしき 「ノー」 の文化がじわじわと広がるのではないかという不安もあった。

そこである日の午後、セルゲイはトップ100リストを見直し、プロジェクトを三つのグループに振り分けた。

プロジェクトのほぼ 70% はコアビジネスである検索と検索連動型広告に関するもので、約 20% が成功の兆しが見えはじめた成長プロジェクト、残りの約 10% が失敗のリスクは高いが、成功すれば大きなリターンが見込めるまったく新しい取り組みだった。

それを叩き台に長い議論を重ねた結果、「70対20対10」 をリソース配分のルールにするという結論に達した。リソースの 70% をコアビジネスに、20% を成長プロダクトに、10% を新規プロジェクトに充てるのである。

 (引用:How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント)

本業と副業に当てはめると、70% のコアビジネスは 「本業」 、10% の新規プロジェクトは 「副業」 です。

20% を占める成長プロダクトを、定職に当てはめるなら、定職とサイドビジネスの比率は 9:1 となります。成長プロダクトをサイドビジネスに当てはめるなら、比率は 7:3 です。

先ほどのグーグルの 20% ルールとも合わせて考えると、サイドビジネスの比率は、最低でも 10% 、本業に支障がない範囲で 30% までが目安になります。


最後に


今回は、起業の科学 という本から、本業と副業について考えました。

私が考える副業の位置づけは、将来の自分の強みの元になる 「源泉」 や 「資産」 を築くためです。一方、副業を目の前の稼ぎのためにはやらないようにしています。

資産とは必ずしもお金に関するものではなく、技術や専門力、経験・知識も含めた技術資産、人とのつながりである人的資産、そして何よりも信頼を築くためです。




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多田 翼 (書いた人)


複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略、プロダクトマネジメント、マーケティングのコンサルティング及びメンター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝のランニング。

内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。