出典: ブルボン
今回のテーマは、お客さんに 「商品の価値」 をどうやって伝えるかです。カテゴリーから商品という二段階の提案をという話です。
おもしろいと思ったブルボンの取り組みから、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ わかること
- ブルボンの健康菓子
- 小売への提案
- 商品の前の 「下地づくり」 の重要性
- 二段階で提案しよう
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ブルボンの健康菓子
出典: ブルボン
ブルボンが健康系のお菓子に力を入れています。
MCT 入りクッキー
以下は日経新聞の記事からの引用です。
ブルボンはこの秋冬、主力のビスケットで健康をアピールする商品を拡充した。
新商品の 「MCT プラスソフトクッキーミルク」 は、原料に使う油脂の一部を、体内でエネルギーになりやすい中鎖脂肪酸油 (MCT) に置き換えた。肥満度を示す BMI が高めの人の体脂肪を減らすことをうたう 「機能性表示食品」 だ。
「コロナ禍で食も含めた日常生活の質を見直す動きが増えた。健康菓子の売り上げは順調に伸びている」 。ブルボンの坂井裕次取締役は強調する。同社では現在ビスケットやゼリー、飲料などで計26品目の健康関連商品を販売している。
小売への提案
ブルボンがやっている小売への売場提案が興味深かったです。
消費者の目に留まるよう、売り場づくりにも工夫を凝らす。
2021年秋から、ビスケット売り場に他社製品も含めた健康菓子の棚を設ける提案を始めた。「流通の意識も変化してきており、ビスケット売り場内での健康菓子の売り場が徐々に拡大してきている」 (ブルボン) という。
ブルボンは自社商品だけではなく、他社の健康系のお菓子も加えて健康菓子の棚をつくろうとしています。お菓子売場の中で他社商品も含めて健康に良い商品を消費者にアピールしているのです。
学べること
では、ブルボンの事例から学べることを掘り下げていきましょう。
下地づくりの重要性
学べるのは自社商品を訴求するためにやる 「下地づくり」 の重要性です。
ここで言う下地とは、ブルボンの例では 「お菓子には健康に良いものもある」 という消費者からの健康菓子の認識や興味をつくることです。
お菓子には砂糖や糖質、カロリーが高いなどの食べ過ぎると太ったりと体にはあまり良くないイメージがあります。この印象を変えることが大事で、健康菓子というジャンルがあることをまずは知ってもらいます。
こうしたジャンルやカテゴリーのレベルでまずは下地づくりをやってから商品を訴求するわけです。
二段階の価値提案
学びを一般化すると、ジャンル自体がまだ知られていない場合は 「お客さんへの価値提案を二段階でやっていこう」 です。
二段階とは、
- カテゴリーやジャンルの認知向上、興味喚起
- 商品の訴求
お客さんからのカテゴリーへの関心がない中で、いきなり自社商品をアピールしても自分ごと化されないでしょう。目を向けてもらえずスルーされてしまいます。
急がば回れが大事で、カテゴリーから商品へと二段階で価値を提案するといいです。
カテゴリーそのものがまだお客さんに馴染みがない場合に有効です。
まとめ
今回はブルボンの健康菓子の取り組みから、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 二段階の価値提案
- お客さんからのカテゴリーへの関心がない中で、いきなり自社商品をアピールしても自分ごと化されず、スルーされる
- ジャンルやカテゴリーが普及していない状況では、お客さんへの価値提案を二段階でやるといい
- ① カテゴリーやジャンルの認知向上と興味喚起、② 商品の訴求
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