出典: 公益財団法人日本デザイン振興会
今回は三方よしのアイデアを実現しようという話です。
おもしろいと思った 「グッドデザイン賞の専門店」 を取り上げ、学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- グッドデザイン賞の商品だけを扱う専門店
- 専門店の多くのメリット
- 三方よしを実現しよう
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
グッドデザイン賞の専門店
出典: 公益財団法人日本デザイン振興会
グッドデザイン賞の商品だけを売っているユニークなお店があります。
相乗効果とイメージ向上
以下は日経新聞の記事からの引用です。
建設資材の野原ホールディングス (HD, 東京・新宿) がグッドデザイン賞の受賞品を販売する国内唯一の専門店の運営に力を入れている。2022年度の受賞品の一部を期間限定で販売するほか、初めて岩手県や熊本県など地方への出張開店を始めた。
自社製品のデザイン性の向上など相乗効果も生まれ、企業イメージの変革にもつながっている。
JR 東京駅そばの商業施設 「KITTE (キッテ) 」 (同・千代田) の3階にある 「GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA」 。最新の受賞商品が店先で出迎え、奥に進むと過去の商品を手に取ることができる。
なぜ建設資材メーカーが?
グッドデザイン賞だけを取り扱う専門店はありそうでなかったお店です。
興味深いのは店舗の運営を野原 HD という建設資材のメーカーがやっていることです。
背景について先ほどの記事から見てみましょう。
野原 HD はもともとグッドデザイン賞の受賞品の専門店開設に関心を持っていたという。2016年度に建設資材の新商品で同賞を受賞し、実現へ向け弾みがついた。
森田誠一最高事業責任者 (CBO) は 「従来は建設資材を大量に供給していたが、住宅ビルの供給量の減少を受け、発想を変える必要がある。デザインで暮らしの豊かさを提供したい」 と話す。
17年のオープン以降、老若男女問わず来店し、新型コロナウイルス禍前は外国人客が2割を占めていた。利益は大きくないものの、ストアの運営は従来の建材事業との相乗効果を生んでいる。山並みが重なっているようなデザインなどが特徴の壁紙ブランド 「WhO (フー) 」 や天井材 「カールトン」 では従来にないデザインが支持され、売り上げ増に寄与している。
ストアは出品した事業者の販路を確保する役割も果たしている。従来は賞を受賞しても展示会に出るだけで売り場が無かったという。受賞した事業者の中には、職人が営む工房や小売りの経験がない BtoB (企業向け) の企業も多い。
学べること
ではグッドデザイン賞専門店の話から、学べることを掘り下げていきましょう。
多くのメリットを創出
グッドデザイン賞の専門店という存在は多くのメリットを生み出しています。
✓ 来店者 (生活者)
- グッドデザイン賞の受賞品だけを扱っているので、一ヶ所でいろいろと効率よく見られる
- 知らない商品に出会える
✓ 野原 HD
- 自社商品のアピールの場になっている
- デザインへの意識が高まるなど商品開発に活かされている
- 会社の認知や企業イメージの向上
✓ 出品する会社
- グッドデザイン賞を受賞した商品があっても販売ルートはなかった会社は顧客接点ができる
- 小売りの経験がなくてもグッドデザイン賞専門店が代わりに販売をやってくれる
三方よしの実現
グッドデザイン賞の専門店はこのように多くのメリットをもたらしています。
一般化して捉えるとグッドデザイン賞専門店は 「三方よしのアイデア」 です。
三方よしとは、もともとは江戸時代中期の近江商人が信用を得るために大切にしていたとされる理念です。
✓ 三方よし
- 買い手よし
- 売り手よし
- 世間よし
三方よしの特徴は売り手という自分だけではなくお客さん (買い手) 、さらには世の中全体 (世間) も視野に入れているところにあります。
つい目が行きがちなのは売り手である自分にどれだけメリットがあるかです。三方よしが教えてくれるのは、買い手という直接のお客さん、そして世の中や社会全体にもメリットがあるかまでを考える重要性です。
「そのアイデアは三方よしになっているか」
この意識は忘れないようにしたいです。
まとめ
今回はグッドデザイン賞の受賞品の専門店を取り上げ、学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 三方よしの実現
- 買い手よし、売り手よし、世間よし
- 売り手である自分のメリットだけではなく、お客さん (買い手) や世の中全体 (世間) にも 「良し」 を目指し多くのメリットを生み出そう
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