今回は歴史から現代のビジネスに学べることです。
無理ゲーと思わせた 「徳川家康の絶対的な防御体制」 から学べることを見ていきましょう。
✓ この記事でわかること
- 徳川家康の 「江戸幕府 260年の平和」 を築いた防御体制
- 江戸幕府が攻め込まれ滅ぶとしたら?
- 負けパターンの想定と対策
- 歴史から現代のビジネスや仕事に学べること
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
徳川家康の防御体制
今回は 動乱の日本史 徳川システム崩壊の真実 (井沢元彦) の本に書かれていたことからです。
徳川家康が江戸時代という260年間の平和な時代をどうやって築いたのか、そしてなぜ最後は崩壊してしまったのかを興味深く読めます。
仮想敵の設定
注目したいのは 「徳川家康が敷いた国内の盤石な体制」 です。家康は徳川幕府が攻め込まれないためにはどうすればいいかを考え抜き、決して戦争を起こさせないようにしました。
戦争とは自然発生するものではない。人間がやるものだから、必ずそこには主体というものがある。
これを軍事学では仮想敵国という。戦争を起こし攻めてくる可能性のある国家のことだ。天下を統一したものの、日本国内は独立国と言ってもいい藩に分かれている。
だからまずこの中で仮想敵国とも言うべき藩を想定し、それが戦争を起こせないようなシステムを作ることが必要であった。 家康が想定した仮想敵国は二つある。 薩摩藩島津家と長州藩毛利家である。
家康は、薩摩藩と長州藩という二大仮想敵国をどうやって封じ込めるかが戦争を起こさせない鍵と見たわけです。
江戸を防御する配置
徳川家康が考えたのは今の鹿児島にあった薩摩と山口の長州が江戸まで攻めることをあきらめざるをえないような 「絶対的な防御体制」 をとることでした。
仮想敵国である薩摩藩や長州藩が攻め込むを起こす気をなくし、そもそも戦争が起こり得ない状況を作ったのです。
出典: nippon.com
九州の西日本から仮想敵が江戸を攻めるルートを陸路と想定し、江戸までの道の主要なところに屈強な関門を置きました。
具体的には、熊本城、小倉城、広島城、岡山城、姫路城、大坂城、名古屋城、大井川という関門、箱根という関門、そして小田原城です。仮想敵はこれだけの障害をなるべく自軍の損失を出さずに全て突破して、ようやく江戸城にたどり着けるわけです。
薩摩藩主や長州藩主はこのような状況では、江戸の将軍家を攻めようとは思わなかったことでしょう。家康は勝てるわけがないという無理ゲー状態にしたわけです。
学べること
では徳川家康のやったことから、現代のビジネスに学べることを掘り下げていきましょう。
負けパターンの想定
家康は念には念を入れて江戸城に仮想敵が攻め込めない防御体制を張り巡らせました。敵が戦争を起こす気をなくさせ、起こる確率を限りなくゼロにしました。
これができたのは 「江戸幕府がどうなれば滅んでしまうか」 というシミュレーションをしたからです。国内で戦争が起こるとしたらどこが敵で (仮想敵国の設定) 、どう攻めてくるかという自らの 「負けパターン」 を想定したわけです。
具体的な実行
家康がすごいのは頭の中で負けパターンを考えただけで終わらなかったことにあります。
具体的な打ち手を実行しました。先ほど見たように仮想敵からの攻略ルートの各所にお城や関所を配置しました。最悪のケースを想定し、決して起こらないように布石を打ったわけです。
現代ビジネスへの学び
現代のビジネスや仕事のやり方に示唆があります。
例えば次のような 「自分 (たち) の負けパターンは何か」 をあらかじめ考えてみるといいです。
- 自社商品が競合に負けるとしたら、具体的にどういう状況になった時か
- プロジェクトが失敗するのはどんな状況か
- 依頼された仕事の期限に間に合わなくなるのは、何が原因か
What if という 「もし ~ なら」 を想定し、起こらないために今からできることは何かを考え、考えるだけではなく具体的な打ち手を実行しておく。徳川家康の防御体制の構築から学べることです。
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