2019/10/25

ファシリテーターの役割。成功するファシリテーションのポイント




今回は、ファシリテーションについてです。

  • ファシリテーターの役割 (本質) とは?
  • うまくファシリテーションをするためのポイント

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、
  • ファシリテーターの本質的な役割
  • ファシリテーションを成功させる方法
です。

ファシリテーションは、会議やワークショップなどで人が集まった時に、皆でより良い解決策を生み出すために活きるスキルです。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。


ファシリテーターの役割


いきなりですが、ファシリテーターと聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?

私の一言の定義は、ファシリテーターとは触媒者です。

発言を引き出し、各自のアイデアをつなげ、より良いアイデアにし、合意形成を支援する役割です。

ファシリテーターに求められることは、3つあります。


ファシリテーターに求められる3つ
  • 可視化
  • 活性化
  • 合意形成


可視化と活性化の補足です。

可視化は、出たアイデアや意見をホワイトボードなどに書き、流れていかないようにします。

活性化は、メンバーの発言を促し、掘り下げながら多様な声を引き出します。新しい着眼点を提供し発散させたり、出そろった情報の整理 (収束) をしていきます。

ファシリテーターの基本のスタンスは、メンバーの発言を 「聴く」 ことです。

ファシリテーター自身は話しすぎず、あくまで立場は触媒者であり支援者です。場の主役ではありません。私はここに、ファシリテーションとサーバントリーダーシップ共通点を見ます。


聴くために意識していること


では、相手の発言を聴くために、何を心がけるとよいでしょうか?

私が普段ファシリテーションをする時に意識しているのは、次のことです。


聴くために意識していること
  • 事実・根拠・意見を区別する
  • 省略・抽象化を掘り下げる
  • 前提の違いに気づき理解する


以下、それぞれについて順番に解説します。


[聴くために 1] 事実・根拠・意見を区別する


発言について、「事実」 「根拠」 「意見」 がどう構成されているかを意識すると、相手の発言を理解しやすくなります。

具体的には、以下の視点で事実・根拠・意見を区別して聴きます。


事実・根拠・意見を区別する
  • どんな事実に基づいての発言か
  • 事実は客観的か、それとも本人の主観的なものか
  • 言っていることの根拠は何か
  • どこまでが事実で、どこからが意見か
  • 結局のところ意見は何か (イエス? ノー? 中立?)


誰もが理路整然と、事実に基づき根拠が明確な意見を言うわけではありません。発言には出てこなくても、その人の中では何かしらの事実に基づいていたり、言語化できていない根拠や意見があるはずです。

ここをうまく引き出してあげるという、ファシリテーターの役割があります。


[聴くために 2] 省略・抽象化を掘り下げる


2つ目は、省略や抽象化への対応です。

発言者は意識していなくても、言っている中身が省略されていたり、抽象化されているために、他のメンバーには意味が十分に通じない場合があります。

省略とは、例えばロジックの飛躍です。事実に基づいていなく、根拠が不十分な単なる思いつきの意見もそうです。他には、「あれ」 「この前の」 などの表現です。

抽象的な言い方がされれば、具体に落とし込みます。

例えば、以下のようなカタカナは、発言者本人とまわりのメンバーでは認識がずれている場合があり、すれ違ったままで議論が続くことになります。


意味の認識を合わせたほうがいい言葉 (例)
  • ユーザーとのエンゲージメント
  • プラットフォーム
  • SaaS
  • サブスクリプション
  • ユーザーエクスペリエンス
  • インサイドセールス


一般的な意味とは違った捉え方をされているケースもあるので、具体的にどんな意味なのかです。

例えば、「ユーザーとのエンゲージメント」 とは、ユーザーは具体的に誰で、エンゲージメントとはどういう状態を指しているのかの認識を合わせます。


[聴くために 3] 前提の違いに気づき理解する


人は立場によって、ものの見方、意見、発言が変わります。

例えば同じ人でも、本社にいた時、現場に配属された時、子会社に出向した時で、その時々の状況によって見ているレンズが変わるものです。

議論の場で、総論では皆は賛成しているが、各論で議論が平行線になっている場合は、前提の違いがないかを意識するとよいです。

例えば、ある商品の売上を上げる目的は共通している、営業チームとマーケティングチームの会議があったとします。

売上という総論は一致しているものの、各論での手段では、
  • [営業] 値引きをしても売りさばきたい (客数を増やす)
  • [マーケ] 価格を適切に上げたい (一時的に顧客数を減らしてでもブランドを維持したい)
という状況が起こりがちです。

前提の違いの1つは時間軸です。営業は短期的な売上を前提に考えており、マーケは中長期で見ています。

このまま議論を続けると、営業とマーケの社内での影響力が大きいほうが意見を押し切るような、後味の悪い意思決定になりかねません。

ファシリテーターの役割は、どちらか一方に肩入れするのではなく中立な立場になることです。それぞれの立場から前提を理解し、どちらの意見も正しいという認識で向き合います。

ファシリテーターは、A or B の対立の中で、もっと良い C 案を皆で出すための触媒になることです。

例えばこのケースでは、同じコストをかけるのであれば値引きよりも、販促や販路への働きかけによって、短期でも新規顧客を獲得できる施策は何ができるかです。

マーケティングの 4P で言えば、Product はすぐには変わらない前提のもとで、Price よりも Promotion や Place での対応策です。


まとめ


今回は、ファシリテーションについてでした。

最後に今回の記事のまとめです。



ファシリテーターとは触媒者。発言を可視化し引き出し、各自のアイデアをつなげより良いアイデアにし、合意形成を支援する役割。


ファシリテーターの基本のスタンスは、メンバーの発言を 「聴く」 こと。ファシリテーター自身は話しすぎず、あくまで立場は触媒者であり支援者。場の主役ではない。


聴くために意識していること
  • 事実・根拠・意見を区別する
  • 省略・抽象化を掘り下げる
  • 前提の違いに気づき理解する

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。