投稿日 2020/05/20

夢をかなえるゾウ 「ガネーシャ」 の教えと、カスタマーサクセスとビジネスモデル




今回は、カスタマーサクセスについてです。


この記事でわかること


  • ガネーシャの教え
  • カスタマーサクセスとの共通点
  • ビジネスモデルに落とし込む順番


この記事でわかるのは、書籍 「夢をかなえるゾウ」 のガネーシャの教えと、そこからのビジネスへの着想です。具体的には、カスタマーサクセスとビジネスモデルにつなげています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


ガネーシャの教え


皆さんは、 「夢をかなえるゾウ」 という本を読んだことはあるでしょうか?





夢をかなえるゾウ 3 ブラックガネーシャの教え では、主人公の OL にガネーシャが夢をかなえるための課題を出していくストーリーです。

ガネーシャが主人公に出した課題の1つが、「一度儲けを忘れて、お客が喜ぶことだけを考えてみる」 でした。

この課題に、主人公はどう取り組んだのでしょうか?

以下は、本書からの引用です。

「儲けを忘れる」 と決めて仕事をするのは、かなりの違和感があった。というのも、私たちは仕事の中で、いつも売り上げやノルマを意識するように言われてきたからだ。

でも、思い切ってお金のことを考えないで、「お客さんが喜ぶこと」 だけを考えて仕事に取り組んでみた。

すると次第に違和感は消え、むしろ心が軽くなるような感じがした。自分のやっていることに後ろめたさがないというか、少し大げさに言うなら、自分の仕事を誇れる感覚があった。

この気持ちを忘れずに仕事を続けていけば、今まで以上にお客さんを喜ばせられそうな気がした。

(引用: 夢をかなえるゾウ 3 ブラックガネーシャの教え (水野敬也) )

このガネーシャの課題で思ったのは、カスタマーサクセスに通じます。


カスタマーサクセスとの共通点


カスタマーサクセスは、「顧客の成功は何か」 を定義し、顧客と一緒になって実現していきます

先ほどご紹介したガネーシャの教えは 、「一度儲けを忘れて、お客が喜ぶことだけを考えてみる」 でした。

お客が喜ぶことを 「顧客の成功」 と捉えれば、ガネーシャの課題はカスタマーサクセスの実践です。

では、カスタマーサクセスを実現するためには、どうすればいいでしょうか?


カスタマーサクセス実現のポイント


私が思うカスタマーサクセスのポイントは、次の5つです。


カスタマーサクセスの5つのポイント
  • LTV の最大化
  • 短期的には赤字で良い (価値提供が先)
  • 買ってもらってからがスタート (売って終わりではない)
  • 提供価値を上げ続ける
  • 顧客を理解し続ける


ガネーシャの課題に話を戻します。

お客が喜ぶことだけを考えてみるとはいえ、ビジネスである限りは収益を考えなければいけません。

ガネーシャの課題には 「一度儲けは忘れて」 と、「一度」 が入っていることがポイントです。


価値提供が先、収益は後


ビジネスでは、持続的な収益を考える必要があります。

ガネーシャの課題やカスタマーサクセスが教えてくれるのは、時間軸を長く取り 「先に価値を提供し、後から収益を実現する」 です。

つまり、ビジネスモデルに落とし込む順番があるということです。

では、ビジネスモデルはどういう順でつくっていけばいいのでしょうか?


ビジネスモデルのつくり方


以下がビジネスモデルの要素です。仮説を立て検証し、具体化していく流れです。


ビジネスモデルの因数分解
  • 顧客の定義 (ターゲット顧客像の具体化, 競合設定)
  • 顧客課題
  • 解決策 (リソースや組織能力を含む)
  • 提供価値
  • 収益モデル


5つの要素のうち、ガネーシャの 「一度儲けを忘れて、お客が喜ぶことだけを考えてみる」 に当たるのが、1~4つ目までです (顧客定義から提供価値) 。

自分たちのお客は誰かを定義し、彼ら・彼女らは何に困っているのか、どんなことをしてもらえればうれしいのかを考えます (顧客定義と顧客課題の明確化) 。

そのために自分たちは何をするかの解決策を考え実行し、お客に価値を提供します。

提供価値から、どう収益につなげるかが収益モデルです。

収益モデルは分解ができます。


収益モデルの要素
  • 顧客の中で誰から
  • どの価値提供に対して
  • どのように・どのタイミングで課金ポイントをつくるか


ガネーシャの教えをビジネスにつなげて一言で表現すると、「価値提供が先、収益は後」 です。
 

まとめ


今回は、夢をかなえるゾウから、カスタマーサクセスとビジネスモデルに着想を広げて掘り下げました。

最後に今回の記事のまとめです。


1.
ガネーシャが主人公に出した課題の1つが、「一度儲けを忘れて、お客が喜ぶことだけを考えてみる」 。課題に取り組んだ主人公は、心が軽くなるように感じ、自分の仕事を誇れる感覚を得た。


2.
ガネーシャの課題はカスタマーサクセスの実践 (お客が喜ぶこと = 顧客の成功) 。
カスタマーサクセスを実現するポイントは、
  • LTV の最大化
  • 短期的には赤字で良い (価値提供が先)
  • 買ってもらってからがスタート (売って終わりではない)
  • 提供価値を上げ続ける
  • 顧客を理解し続ける


3.
ビジネスでは持続的な収益を考えることが大事。時間軸を長く取り 「価値提供が先、収益は後」 。
ビジネスモデルに落とし込む順番 (仮説を立て検証し具体化していく流れ) は、
  • 顧客の定義 (ターゲット顧客像の具体化, 競合設定)
  • 顧客課題
  • 解決策 (リソースや組織能力を含む)
  • 提供価値
  • 収益モデル






夢をかなえるゾウ 3 ブラックガネーシャの教え (水野敬也)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。