投稿日 2020/05/07

インテージと Google でのキャリアを振り返る (マーケティングの観点から得られたこと / 得られなかったこと)




今回は、キャリアの話です。


この記事でわかること


  • マーケティングの観点でキャリアの振り返り
  • インテージで得られたこと、得られなかったこと
  • Google で学んだこと


自分自身のこれまでのキャリアを、マーケティングとマーケティングリサーチの視点から掘り下げています。

記事のきっかけは、質問箱でいただいた質問です。

ぜひ記事を読んでいただき、皆さんご自身のキャリアを振り返ったり、これからのキャリアを考える時の参考になればうれしいです。


いただいた質問


質問箱の Peing (ペイイング) で、こんな質問をいただきました。






Peing でも回答を掲載していますが、この記事ではより詳細を公開します。

インテージと Google それぞれで、マーケティングリサーチャーとして 「得られたこと」 「得られなかったこと」 です。


インテージでの経験と学び


まずは、新卒で入社したインテージです。インテージは、マーケティングリサーチの会社です。

インテージで得られたのは、大きくは3つです。


インテージで得られたもの (学び)
  • マーケティングリサーチの存在意義
  • 顧客のマーケティング課題
  • リサーチャーとしての心構えと専門スキル


以下、それぞれについての補足です。


[学び 1] マーケティングリサーチの存在意義


1つ目は、マーケティングリサーチの存在意義です。

具体的には、マーケティングとマーケティングリサーチの関係、マーケティング全体の中でのリサーチの役割です。

リサーチは、マーケティングの目的達成のための手段です。

リサーチの上位にはマーケティング目的、目的を達成するために解決すべき問題があります。問題解決の課題の1つに、手段としてマーケティングリサーチが役割を果たします。

なお、こちらについては別の記事で詳しく書いています。よければ、ぜひご覧ください。




[学び 2] 顧客のマーケティング課題


2つ目の学びは、実務を通しての様々な会社のマーケティング課題を知れたことです。

直接担当したクライアント案件、他にも社内で共有されるベストプラクティスからも、リアルなマーケティング課題に触れられたことは、自分の財産です。


[学び 3] リサーチャーとしての心構えと専門スキル


インテージでは、マーケティングリサーチャーとしての基礎を学べました。

リサーチャーとしての心構えと、専門スキルです。

具体的には、次の通りです。


心構えと専門スキル
  • データや調査への品質 (調査設計, バイアス対応, データのチェック体制)
  • 調査対象者へのリスペクト意識
  • 調査実査の現場や裏側 (現場参加, アンケート, 訪問調査, インタビューから)
  • 調査の全体プロセスからの知見と専門能力 (目的設定, 調査課題, 仮説, 検証, 実査, 集計/分析/統合, 示唆/提案, レポート/報告)


では、一方でインテージでは得られなかったことは何でしょうか?


インテージでは機会が限られたこと


インテージでのキャリアでは、得られなかったこと、別の表現をすれば機会が少なかったのは以下です。


マーケティングリサーチキャリアの限界
  • リサーチ領域を越えての実務経験
  • マーケティングの戦略立案などの、より上位レイヤーへの関与できる機会


これらは、マーケティングリサーチ会社にいるリサーチャーの担当範囲の限界です。

もちろん、クライアントや案件によっては戦略立案に直接関われる機会はあるでしょう。しかし一般的には、そこまでのマーケティングの上位レイヤーまで入れる顧客との関係構築の機会は少ないです。


それでは、次に Google でのキャリアを振り返ります。


Google での経験と学び


Google には5年5ヶ月いました。

Google APAC のマーケティング部署の所属で、シニアマーケティングリサーチマネージャーでした。

Google で得られたことは、次の通りです。


Google で得られたもの (学び)
  • マーケティングの幅が広がる経験
  • プロジェクトマネジメント
  • リサーチ開発


以下、それぞれについてご説明します。


[学び 1] マーケティングの幅が広がる経験


具体的には、次のような経験です。


マーケティングの幅が広がる経験
  • Google の BtoC, BtoB の両方でのマーケティング実務
  • メディア領域でのマーケティングリサーチ (例: 広告効果測定調査)
  • 自社サービスのユーザー調査 (BtoC では 検索, YouTube 等、BtoB では Google 広告)
  • マーケティング課題に対しての主体的な調査企画立案と実行


[学び 2] プロジェクトマネジメント


人や組織、社外も巻き込んでのプロジェクトからも、学びは多かったです。


プロジェクトマネジメント
  • グローバルでの部署横断プロジェクトのリード
  • 国内/海外の多様な調査会社とのリサーチプロジェクト
  • リサーチ結果の社外発信 (広報・オウンドメディアチーム・営業との連携から、メディアへの取材・掲載やイベント登壇)


[学び 3] リサーチ開発


Google での貴重な経験は、リサーチ開発もやったことです。


リサーチ開発
  • Google リサーチツールの日本ローンチ (例: YouTube ブランドリフト調査, Google アンケートモニター)
  • テクノロジーを応用したリサーチ手法やツール開発 (もともとのテクノロジーの使用想定ではないハック的な応用)
  • 調査会社との最先端のリサーチ実施 (研究案件も含む)
  • Google 内の同僚や他国のリサーチャーとの切磋琢磨


既存のマーケティングリサーチ手法だけではなく、新しいアプローチを 「0 → 1」 で開発できた経験からも学びは多くありました。


では、Google でのキャリアで、得られなかったことは何だったでしょうか?


Google では機会が限られたこと


一言で言うと、マーケティング 4P のうち Promotion 以外の 3P での経験です。

Google でのマーケティングでできることはプロモーションが中心で、Product, Place, Price は限られました。これは私個人というよりも Google の構造的な話です。

というのは、Product はグローバルで統一され、日本というローカルでできることはあまりないです。

Place は BtoC サービスはウェブでユーザーへ提供するもので、店舗での展開はされないサービスです。Google では、Google Home などの一部のハードウェア事業を除いて、流通戦略の機会はありません。

4P の Price は、Google は基本は無料サービスです。広告事業で稼いでいるからこそもあり、検索やマップなどのサービスは基本は無料です。価格設計などの価格戦略の機会も、Google ではありませんでした。


まとめ


今回は、インテージと Google でのキャリアをマーケティングの観点から振り返りました。

いかがだったでしょうか?

皆さんご自身のキャリアを振り返ったり、これからを考える時の参考になればうれしいです。

最後に今回の記事のまとめです。


インテージで得られたもの (学び)
  • マーケティングリサーチの存在意義
  • 顧客のマーケティング課題
  • リサーチャーとしての心構えと専門スキル


インテージで感じたマーケティングリサーチキャリアの限界
  • リサーチ領域を越えての実務経験
  • マーケティングの戦略立案などの、より上位レイヤーへの関与できる案件は稀


Google で得られたもの (学び)
  • マーケティングの幅が広がる経験
  • プロジェクトマネジメント
  • リサーチ開発

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。