2020/05/23

「問いと答えのスパイラル」 を展開し、着想を広げる (戦略, マーケティング, キャリア)




今回は、「問いと答えのスパイラル」 という話です。


この記事でわかること


  • 問いと答えのスパイラルとは?
  • 戦略やマーケティングへの横展開
  • ビジネスキャリアへの応用


記事の前半では、「問いと答えのスパイラル」 についてご紹介します。

後半ではそこからの応用として、戦略、マーケティング、ビジネスキャリアへ横展開していきます。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


問いと答えのスパイラル


最初に、「問いと答えのスパイラル」 についてご説明します。

一般的にはまず問いがあり、それに答えを出していくというのが通常です。

一方、逆の流れもあるというのが、ここで言うスパイラルです。

つまり答えを出した後に、真の問題が何かを掘り下げて、もっと奥にあった真因がわかるというものです。

スパイラルという言葉があるように、まるで螺旋階段のように問いと答えを行ったり来たりするというのが、問いと答えのスパイラルです。

ではここからは、問いと答えのスパイラルをいくつか横展開をして考察をしていきます。

具体的には、戦略、マーケティング、ビジネスキャリアの3つです。


2つの戦略


皆さんは、戦略には2つのアプローチがあることをご存知でしょうか?

意図的戦略と創発的戦略です。

意図的戦略というのは、あらかじめ計画された戦略です。「目的 → 戦略 → 実行プラン」 と落とし込んでいきます。

問いと答えのスパイラルに当てはめると、問いから答えが意図的戦略です。どう目的を達成するかという問いに、答えという戦略をつくっていきます。そして戦略を実行します。

逆の答えから問いの順番が、創発的戦略です。

創発的戦略とは、偶然の発見が、後付けで戦略になっていくものです。例えば、現場でやってみたことがボトムアップで上がっていき、戦略になるイメージです。

試しにやってみたらうまくいったが先にあり、その意味合いや構造化という抽象化が行なわれ、戦略になっていきます。問いに立ち戻っていくわけです。

では、2つ目の横展開で、マーケティングに当てはめてみましょう。


マーケットインとプロダクトアウト


皆さんは、マーケティングでのマーケットインとプロダクトアウトはご存知でしょうか?

マーケットインとは顧客課題がまずあり、それにどう答えていくか、自分たちが何をやるのかを課題に合わせていくアプローチです。

プロダクトアウトは逆です。自分たちの技術、仕組み、プロダクトが先にあって、それを欲しいと思ってくれる顧客を見つけにいきます。

では、マーケットインとプロダクトアウトを 「問いと答えのスパイラル」 に当てはめると、どのようになるでしょうか?

ここでは 「問い」 を、顧客課題や顧客インサイトと見立てます。そして 「答え」 を、顧客課題や期待に対して自分たちが何をやるかと見なします。

そうすると 「問いから答え」 がマーケットインになります。顧客の課題や望むものという問いがあり、それに対して答えとして自分たちが何を出すかです。

逆方向の答えから問いがプロダクトアウトです。

商品やサービスという自分たちの答えがまず先にあり、それへの問いを見つけようとする、具体的には、市場や欲しいと思ってくれる顧客を探しに行くというのが、プロダクトアウトの発想です。


キャリアのデザインとドリフト


では3つ目の横展開を見ていきましょう。ビジネスキャリアです。

働くひとのためのキャリアデザイン という本に、キャリアの2つのアプローチが紹介されています。





キャリアの 「デザイン」 と 「ドリフト」 です。

キャリアのデザインというのは、目標から逆算したキャリアプランです。目標やゴールという問いを立て、キャリアプランという答えをつくっていきます。従って、問いから答えという順番です。

もう一つのキャリアのドリフトというのが、答えから問いからの順番でつくっていきます。

キャリアのドリフトというのは、偶然の機会を活かして、点と点が後からつながるようにキャリアになります。振り返って気付けば、キャリアができていたというイメージです。

例えば、社外の知人から声をかけてもらってやってみたことが、いつしか本業になっていったのがドリフト的なキャリアです。

答えと問いに当てはめると、やってみたら 「答え」 が先に見つかった。そして、その答えの意味合いを見い出す。つまり、キャリアという 「問い」 に立ち戻るわけです。


両方が大事


ここまで 「問いと答えのスパイラル」 を、3つで横展開を見てきました。

戦略、マーケティング、ビジネスキャリアです。

いずれにも共通するのは、どちらか片方が絶対的に正しいというわけではありません。

戦略では意図的戦略も創発的戦略も正しいこともあるし、間違うこともあります。

マーケティングも同様です。絶対的にマーケットインが正しいわけではなく、プロダクトアウト的なアプローチが成功することもあります。

紹介したキャリアのデザインとドリフトも同じです。

働くひとのためのキャリアデザイン という本では、キャリアのデザインとドリフトの両方を持ち合わせていくと良いと書かれています。

節目ではキャリアをデザインし、それ以外では川の流れに身を任せるようにドリフト的な活動をしてみます。

問いと答えのスパイラルに話を戻すと、問いから答えという一般的なやり方だけではなく、偶然であっても先に答えが見つかったとしたら、そこからどう自分なりに問いを掘り下げていくかです。


まとめ


今回は 「問いと答えのスパイラル」 について見てきました。

戦略、マーケティング、ビジネスキャリアへの3つの横展開をしました。いかがだったでしょうか?

何かお仕事やキャリアへの参考になれば嬉しく思います。

最後に今回の記事のまとめです。



問いと答えのスパイラル
一般的にはまず問いがあり、答えを出していくのが通常だが、逆の流れもある。答えを出した後に、真の問題が何かを掘り下げて、もっと奥にあった真因がわかる。
問いと答えのスパイラルとは、螺旋階段のように問いと答えを行ったり来たりする。


戦略への応用
問いから答えが意図的戦略。目的を達成する問いに、答えという戦略をつくっていく。
創発的戦略は、やってみたらうまくいった 「答え」 が先にあり、抽象化され戦略になっていく。


マーケティングへの応用
マーケットインとは、顧客課題 (問い) があり、自分たちが何をやるのかの答えをつくる。
プロダクトアウトは、商品やサービスという自分たちの答えが先にあり、問いを見つけようとする (市場や欲しいと思ってくれる顧客を探しに行く) 。


キャリアへの応用
キャリアのデザインは、目標から逆算したプラン。目標やゴールという問いを立て、キャリアプランという答えをつくっていく。
キャリアのドリフトは、偶然の機会を活かしてやってみたら、後から点と点がつながる。答えが先に見つかり、キャリアという問いに立ち戻る。





働くひとのためのキャリアデザイン (金井壽宏)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。