投稿日 2020/05/03

KPI 設計をマーケティングを例に解説。KGI と KSF があってこその KPI




今回は、KPI を使った目標設定についてです。


この記事でわかること


  • KPI のつくり方
  • KGI, KSF, KPI の関係
  • マーケティングに当てはめた例 (ブランド戦略)


KGI から KPI に落とし込む方法を、具体例も使って解説しています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


KPI 設定の前にやること


みなさんはお仕事で、KPI を設定したり、目標管理に KPI を使っていますか?

KPI は Key Performance Indicator の略です。業務や事業の成果指標になります。

KPI 設定には注意点があります。KPI をつくる前にやる、KGI の定義です。


KGI から KPI へ


全体像は KGI, KSF, KPI の順番でつくっていきます。

3つの関係は、次のようになります。


KGI (Key Goal Indicator)
  • 目的を達成したかどうかを測るもの
  • KGI は目標指標の一番上位にある


KSF (Key Success Factor)
  • KSF は成功要因、成功のカギ
  • 目的 (KGI) を達成するための勝利条件
  • 1つの KGI に対して、通常 KSF は複数ある


KPI
  • KPI は KSF の尺度
  • KSF ができているかを数値で評価する
  • 定性的な KSF に対して、KPI は定量 (数字で設定する)


まとめると、「KGI → KSF → KPI」 と、「目的 → 成功要因 → 数値目標」 の順番につくっていきます。

では、KPI 設定までの例を、マーケティングに当てはめてみます。


マーケティングでの KGI から KPI


あるブランドで、KGI から KPI の設定方法を見ていきましょう。


KGI (目的)
  • ブランドが持続的に収益を生んでいる
  • KGI はブランドの利益 xx 円


KSF (目的達成への成功要因)
  • ブランドがターゲット見込み客に認知されている
  • ブランドが店で買えるように店頭に並んでいる
  • 顧客に 「価値がある」 と感じてもらっている
  • 「次も買いたい / 使いたい」 と思ってもらっている


KPI (KSF の数値目標化)
  • ターゲット見込み客の少なくとも W% がブランドを知っている [認知率]
  • 想定チャネルの少なくとも X% で、ブランドが店頭に置かれている [店頭配荷率]
  • 認知者のうち少なくとも Y% が 「価値がある」 と答える [価値イメージ想起率]
  • カテゴリーの中で、少なくとも Z% が 「次に買いたい / 使いたい」 と思う [ブランド選好度 (選ばれる度合い) ]


以上のように KGI から KSF を見極め、KPI に落としていきます。


施策の実行へ


KPI まで設定した後は、打ち手を決め実行します。


施策の因数分解
  • コミュニケーション戦略
  • 流通戦略、価格戦略
  • プロダクト戦略 (商品自体も改善できる場合)


KGI から KPI 、実行プランへの落とし込みは、「目的 → 戦略 → 成功要因 → 数値目標化 → 実行 → 検証」 という流れになります。


まとめ


今回は、KPI 設定についてでした。

最後に今回の記事のまとめです。


KGI から KPI へ


KGI, KSF, KPI の順番で 「目的 → 成功要因 → 数値目標」 をつくっていく。
  • KGI: 目的を達成したかどうかを測るもの
  • KSF: 成功要因。KGI を達成するための勝利条件
  • KPI: KSF ができているかを数値で評価


マーケティングに当てはめた例 (ブランド戦略)


KGI (目的)
  • KGI はブランドの利益 xx 円

KSF (目的達成への成功要因)
  • ブランドがターゲット見込み客に認知されている
  • ブランドが店で買えるように店頭に並んでいる
  • 顧客に 「価値がある」 と感じてもらっている
  • 「次も買いたい / 使いたい」 と思ってもらっている

KPI (KSF の数値目標化)
  • ターゲット見込み客の少なくとも W% がブランドを知っている [認知率]
  • 想定チャネルの少なくとも X% で、ブランドが店頭に置かれている [店頭配荷率]
  • 認知者のうち少なくとも Y% が 「価値がある」 と答える [価値イメージ想起率]
  • カテゴリーの中で、少なくとも Z% が 「次に買いたい / 使いたい」 と思う [ブランド選考度]

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。