
今回は、要件定義についてです。
この記事でわかること
- 要件定義とは? (本質とは)
- 本質がわかると応用できる
- 要件定義からの応用 (戦略, マーケティング, アイデアのつくり方)
この記事でわかるのは、プロダクト開発の 「要件定義」 です。要件定義とは何かを掘り下げます。
そこから戦略、マーケティング、アイデア出しの方法への応用を見ていきます。
要件定義の考え方は、ビジネスで汎用的に使えます。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
要件定義とは
皆さんは、要件定義という言葉をご存知でしょうか?
要件定義は、プロダクト開発や運用で使われる考え方です。
要件定義とは、システムやソフトウェアの開発で、実装すべき機能や満たす性能です。明確にするという作業を指すこともあります。
では、要件定義の本質とは何でしょうか?
要件定義の本質
要件定義を一般化すると、次のように捉えることができます。
要件定義の一般化
- 解決条件
- 成功条件
- 勝利条件
このように、あることの本質は何かを掘り下げ抽象化できると、他のことに応用ができます。
ここからは、要件定義を抽象化した 「成功条件」 や 「勝利条件」 を、横展開をしていくつか当てはめてみます。
[応用 1] 戦略の 「KSF (成功条件) 」
要件定義からの1つ目の応用は、戦略です。
先ほど見たように、要件定義を勝利条件と捉えると、戦略における要件定義は 「Key Success Factor (KSF) 」 です。KSF とは主要な成功要因です。
そもそもですが、戦略とは何でしょうか?
戦略は、目的を達成するためのリソース配分の指針です。目的達成のために 「やらないこと」 「やるとこ」 を決め、やることにリソースをどう配分するかの方針が戦略です。
では、戦略から実行までの流れで、どこに KSF が入るでしょうか?
戦略から実行
- 目的設定
- 戦略の立案
- KSF の明確化
- 実行プランへの落とし込み (戦略から戦術へ)
KSF は戦略から戦術をつくるときの橋渡しになります。KSF という勝利条件を満たす実行策として、戦術をつくっていきます。
[応用 2] カスタマーサクセスの 「顧客の成功定義」
要件定義からの2つ目の応用は、カスタマーサクセスです。
カスタマーサクセスで重要なのは、「顧客の成功にどう貢献するか」 を考え、実現することです。
ベースにある考え方は、カスタマーサクセスでは商品やサービスを売って終わりではなく、買ってもらってからが始まりです。LTV (顧客生涯価値) の最大化を目指します。
顧客への深い理解が求められ、どれだけ 「顧客の成功とは何か」 を理解するかです。
要件定義は、「顧客の成功定義」 になります。
顧客の成功条件を明確にし、商品やサービス、専門性や知見から顧客の成功を一緒に実現するパートナーになることを目指します。
[応用 3] アイデア出しの 「切り口」
要件定義の3つ目の応用です。アイデア出しに当てはめます。
アイデア出しで言えば、要件定義はアイデアの 「切り口」 です。
切り口とは、アイデアを考えるための着眼点、フレーム (枠組み) です。アイデアが具体に対して、切り口は抽象になります。
アイデアをつくる順番は、次のようになります。
アイデア出しの順番
- 目的の明確化
- 切り口の設定 (具体の前に切り口を磨く)
- アイデア出し
アイデアを考える時にやりがちなのは、いきなり具体レベルであるアイデア出しから始めることです。
その前にやるといいのは、アイデアの切り口の磨き込みです。
切り口とは 「アイデアへの着眼点」 だと先ほど説明しました。要件定義ともつなげると、切り口は解決条件です。
どうすれば目的を達成できた状態だと言えるのか、解決した条件をまずは明確にします。その枠組みの中でアイデアを考えていくのです。
まとめ
今回は、要件定義の本質を考え、いくつかのことに横展開をしました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
要件定義と本質
要件定義とは、システムやソフトウェアの開発で実装すべき機能や満たす性能。明確にする作業。要件定義を一般化すると、
- 解決条件
- 成功条件
- 勝利条件
要件定義の応用
- 戦略の 「KSF (成功条件) 」
- カスタマーサクセスの 「顧客の成功定義」
- アイデア出しの 「切り口」