投稿日 2020/05/13

イノベーションを生む方法を 「テレビ番組企画 → 3階建て組織 → Google プロジェクト管理手法 → 両利きの経営」 の着想から


今回のテーマは、イノベーションです。


この記事でわかること


  • テレビ番組の企画方法
  • イノベーションを生む組織との共通点
  • 「Google のプロジェクト管理手法」 からの示唆

この記事でわかるのは、大ヒットしたテレビ番組を企画した放送作家に学ぶ、新しいアイデアを生む方法です。

記事の後半では、そこからつなげてイノベーションを生む組織や方法から、私たちが学べることを掘り下げています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


テレビ番組の企画方法


Marketing Native の記事を読みました。

『ポツンと一軒家』『アメトーーク!』の放送作家・中野俊成が語る 「時代とともに進化するテレビの面白さと、視聴率を上げるポイント」 (後編) | Marketing Native


興味深いと思ったのは、テレビ番組の企画方法でした。ビジネスパーソンには、アイデアを生む方法として学びがあります。

以下は、記事からの引用です。

――企画の出し方について教えてください。中野さんはどのように企画案を考えているのでしょうか。

既存の番組については3つの軸で考えます。

1つ目はその番組の現状の流れにある企画。2つ目は今の番組内容から発展させて、「こんなこともできるのではないか」 という提案。3つ目は番組のコンセプトからあえて逸脱した企画です。

それぞれ出すタイミングも重要だと思っています。


 (引用: 『ポツンと一軒家』『アメトーーク!』の放送作家・中野俊成が語る 「時代とともに進化するテレビの面白さと、視聴率を上げるポイント」 (後編) | Marketing Native)


番組企画の3つの軸
  • 既存番組の延長
  • 従来と少しずらした発展形
  • 発想を変えた新しい内容


この3つの軸を見て思い出したのは、ある本に書かれていたイノベーションを起こす組織でした。


イノベーションを生む 「3階建て組織」


本のタイトルは、御社の新規事業はなぜ失敗するのか? - 企業発イノベーションの科学 です。





興味深いと思ったのは、この本に書かれている 「3階建て組織」 が、テレビ番組企画の3つの軸と同じです。


3階建て組織
  • 1階は既存事業
  • 2階は市場が存在する分野での製品開発
  • 3階は新しい価値を創造するイノベーション部門


ここまで、テレビ番組企画の発想と、イノベーションを生む組織について見てきました。


共通点
  • 既存の強化
  • 少しズラす応用
  • 全く新しい取り組み


この3つから、もう少し着想を広げてみます。Google のプロジェクト管理です。


Google のプロジェクト管理手法


私の前職は Google で、5年5ヶ月の在籍でした。

Google での学びや経験はたくさんあり、その中の1つにプロジェクト管理手法があります。

成長フェーズによって、事業やプロジェクトへのリソース配分 (人員や予算など) を3つに分ける方法です。配分は 70 : 20 : 10 です。


Google のプロジェクト管理 (70 : 20 : 10)
  • コアビジネスに 70%
  • 成長プロダクトに 20%
  • 新規プロジェクトに 10%


この3つは、先ほど見た 「テレビ番組の企画方法」 と 「イノベーションを生む3階建て組織」 への示唆になります。


Google からの示唆


3階建て組織に当てはめると、各階層への人や予算の配分の目安になります。


3階建て組織へのリソース配分
  • 1階の既存事業へは70人
  • 2階の製品開発へは20人
  • 3階のイノベーション部門へは10人


イノベーションを起こす観点では、3階の人たちをどう扱うかが大事です。

ここへのヒントは、「両利きの経営」 から得られます。


両利きの経営


皆さんは、両利きの経営をご存知でしょうか?

両利きの経営では、「深化」 と 「探索」 の両方をバランスよく組織で取り組み、イノベーションにつなげるという考え方をします。深化とは既存事業の強化、探索は新規事業開発です。

両利きの経営 - 「二兎を追う」 戦略が未来を切り拓く という本に、両利きの経営を成功させるポイントが5つ書かれています。





両利きの経営を実現するポイント
  • 深化と探索に明確な戦略がある
  • 経営層の積極的な関与 (特に探索事業への理解と支援)
  • 探索には既存事業の資産を活かす
  • 深化と探索は異なる評価指標にする、距離を置き対立を避ける (例: 物理的にオフィスを遠ざける)
  • 共通のアイデンティティを持たせる (ビジョンや価値基準などの企業文化)


両利きの経営からの示唆


5つのポイントからは、イノベーション部門をどう位置づけるかへの示唆があります。

先ほどの例を続ければ、100人のうちイノベーション部門の10人をどうマネジメントするかです。


イノベーション部門のマネジメント
  • イノベーション部門の意義を明確にする
  • トップがイノベーションへの挑戦にコミットする (3階に顔を出す)
  • 既存の人や知恵を活かす
  • 評価は分ける (1, 2階と3階で)
  • 共通の目的を持つ (1, 2, 3階で目的への一体感を生む)


まとめ


今回は、イノベーションについてでした。

異なるフレームや手法をつなげ、色々な着想から考えて見ました。

最後にまとめです。


番組企画の3つの軸
  • 既存番組の延長
  • 従来と少しずらした発展形
  • 発想を変えた新しい内容


3階建て組織
  • 1階は既存事業
  • 2階は市場が存在する分野での製品開発
  • 3階は新しい価値を創造するイノベーション部門


Google のプロジェクト管理 (70 : 20 : 10)
  • コアビジネスに 70%
  • 成長プロダクトに 20%
  • 新規プロジェクトに 10%


3階建て組織へのリソース配分 (Google からの示唆)
  • 1階の既存事業へは70人
  • 2階の製品開発へは20人
  • 3階のイノベーション部門へは10人


イノベーション部門のマネジメント (両利きの経営から)
  • イノベーション部門の意義を明確にする
  • トップがイノベーションへの挑戦にコミットする (3階に顔を出す)
  • 既存の人や知恵を活かす
  • 評価は分ける (1, 2階と3階で)
  • 共通の目的を持つ (1, 2, 3階で目的への一体感を生む)





御社の新規事業はなぜ失敗するのか? - 企業発イノベーションの科学 (田所雅之)





両利きの経営 - 「二兎を追う」 戦略が未来を切り拓く

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。