投稿日 2020/05/02

グロースハックの 「ARRRA (アーラ) モデル」 の本質を掘り下げてみる




今回は、グロースハックについてです。


この記事でわかること


  • 海賊指標 AARRR (アー)
  • A を最後に持っていく 「ARRRA (アーラ) 」
  • ARRRA モデルの本質


この記事でわかるのは、グロースハックで使うフレームです。

海賊指標と呼ばれる AARRR を取り上げます。後半では、ARRRA という似た指標をご紹介しています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


海賊指標 AARRR


みなさんは、海賊指標と呼ばれる AARRR (アー) をご存知でしょうか?

AARRR は集客から収益化までの流れのフレームです。


海賊指標 AARRR
  • Acquisition: 顧客獲得 (顧客になってくれる)
  • Activation: 活性化 (利用してくれる)
  • Retention: 継続 (使い続けてくれる)
  • Referral: 推奨 (他者にすすめてくれる)
  • Revenue: 収益 (お金を払って使ってくれる)


なお、海賊指標と呼ばれるのは、AARRR が 「アー」 と読め、海賊の叫び声だからです。


グロースハックの ARRRA


ここからは、海賊指標 AARRR の A を最後に移す 「ARRRA (アーラ) 」 を取り上げます。

ARRRA を知ったのは、いちばんやさしいグロースハックの教本 という本からです。






ARRRA は、プロダクトやサービスを成長させる打ち手の順番に並んでいます

最後に来る A は Acquisition です (海賊指標では1つ目) 。打ち手では、顧客獲得の施策は最後なのです。これは、何を意味するのでしょうか?


価値提供を先に磨く


ARRRA で重要なのは、始めの A と R です。Activation (活性化) と Retention (継続利用) です。

顧客がプロダクトやサービスを使い、本当に価値が得らている状態を実現します。

まずは仮説検証からです。仮説は3つに分解します。


仮説の分解
  • 顧客仮説
  • 問題仮説 (顧客が抱えている問題)
  • 解決仮説 (その問題を解決する方法)


仮説検証を通して、顧客にとって本当に価値があるプロダクト・サービスかを見極めていきます。


推奨と収益は後から付いてくる


ARRRA では、活性化と継続利用の打ち手がうまくいけば、他者への推奨と収益化は後から付いてくると考えます。

もちろん、収益化では収益モデルを設計する必要はあります。「誰から」 「何に対して」 「どのタイミングで」 「どうやって」 課金するかです。


もう少し、ARRRA を掘り下げてみましょう。最後の A (顧客獲得) についてです。


集客施策が最後の意味


ARRRA の特徴は、Acquisition という集客の打ち手を最後に変えています。

ARRR を実現させてから、規模の成長を実現させるための集客施策に舵を切るのです。

逆に言えば、価値提供と収益モデルが弱いと、いくら集客への打ち手を行ったとしても、穴の空いたバケツのようになってしまいます。バケツに新しい水をがんばって入れても、穴から水が溢れてしまいます。

ではあらためて、ARRRA の本質と何でしょうか?


ARRRA の本質


グロースハックへの打ち手をモデル化した ARRRA の本質は、1つ1つを独立した指標とするのではなく、全体像で動的に見ることです。


ARRRA の全体像
  • つながり
  • 時間的な流れ (因果関係)
  • 相互作用と変化


打ち手に対して、どんな影響 (効果) が期待でき、その結果を次の現象と打ち手にどうつなげるかです。

時間的な順番を把握し、1つ1つを具体で 「なぜそうなのか」 「どうなるか」 の解像度を高めます。モデル全体でのメカニズム、成長ストーリーを描くのです。


まとめ


今回は、海賊指標をグロースハックの打ち手にアレンジした 「ARRRA モデル」 を掘り下げました。

最後に今回の記事のまとめです。


海賊指標 AARRR
  • Acquisition: 顧客獲得 (顧客になってくれる)
  • Activation: 活性化 (利用してくれる)
  • Retention: 継続 (使い続けてくれる)
  • Referral: 推奨 (他者にすすめてくれる)
  • Revenue: 収益 (お金を払って使ってくれる)


グロースハックの ARRRA
ARRRA (アーラ) は、プロダクトやサービスを成長させる打ち手の順番。打ち手では、顧客獲得 (Acquisition) の施策を積極的にやるのは最後。


価値提供が先
ARRRA で重要なのは、価値提供を先に磨くこと。Activation (活性化) と Retention (継続利用) 。ARRR を実現させてから、規模の成長を実現させるための集客施策に注力する。価値提供と収益モデルが弱いと、いくら集客をやっても成長につながらない。


ARRRA の本質
ARRRA の本質は、1つ1つを独立した指標とするのではなく、全体像で動的に見ること。モデル全体でのメカニズム、成長ストーリーを描く。
  • つながり
  • 時間的な流れ (因果関係)
  • 相互作用と変化





いちばんやさしいグロースハックの教本 (金山裕樹, 梶谷健人)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。