
今回は、戦略とキャリアです。
この記事でわかること
- 製品・市場戦略
- キャリアへの応用
- 転職と複業の例 (製品・市場戦略の当てはめ)
この記事でわかるのは、「製品・市場戦略」 と、個人のレベルでの応用です。ビジネスキャリアへの横展開を、転職と複業に当てはめて掘り下げています。
製品・市場戦略は、汎用的に使える戦略フレームです。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
製品・市場戦略
皆さんは、戦略のフレームである 「製品・市場戦略」 をご存知でしょうか?
製品・市場戦略は、顧客と製品を 「既存」 か 「新規」 に分けて、以下のようなマトリクスで戦略方針をつくります。
製品・市場戦略

このフレームから、事業を拡大し成長させる方向は大きくは4つあることがわかります。
製品・市場戦略は、汎用的に使える戦略フレームです。
ここからは、個人のレベルに当てはめてみます。ビジネスキャリアです。
キャリアへの応用
ビジネスキャリアには、どのように横展開できるでしょうか?
顧客と製品をそれぞれ次のように言い換えます。
キャリアへの当てはめ
- 顧客 → 仕事で自分が価値を提供する相手 → 働く環境 (例: 業界, 会社)
- 製品 → 価値提供の源泉 → 専門スキルや経験・知見
このように見立てると、製品・市場戦略はキャリアでは以下の図のようになります。
キャリアのマトリクス

では、具体例として、転職と複業のそれぞれでキャリアのマトリクスを当てはめてみましょう (副業ではなくあえて 「複業」 と表現しています) 。
[例 1] 転職のマトリクス
転職では、マトリクスの左上 「これまでの仕事に注力」 から、残りの3つへのいずれかの方向にシフトします。

右上の 「業界を変えずに新しい挑戦」 とは、同じ業界のまま職種を変えます。例えば、メディア業界で働くのは変えずに、今までのマーケターから転職によって広告商品のプロダクトマネージャーに新しくなります。
左下の 「新しい環境で既存スキルを活かす」 は、広告会社からメディア会社、メディア会社から事業会社に転職し、職種はマーケターで同じという転職の仕方です。
ここまでの2つのパターンは、「片足ずらし」 の転職です。
では、右下の 「新しい環境でやったことのない挑戦」 はどうなるでしょうか?

業界が新しくなり、職種も変わる転職です。この転職パターンは 「両足ずらし」 です。リスクが最も大きく難易度も高いですが、その分だけ成長の機会はあります。
それでは、次に複業にキャリアのマトリクスを当てはめてみましょう。
[例 2] 複業のマトリクス
複業では、マトリクスの4つのうち2つ以上を同時並行でやっていきます。

複業の方法 (例)
- これまでの仕事に注力する (リソース配分: 70%) [本業]
- 社内の全然別のプロジェクトや企画に参加 (20%) [社内複業]
- 社外の活動で本業のスキルを活かす (10%) [社外複業]
これまでは1つ目の本業のみで 100% だったものを、活動領域を増やし社内複業にリソースを 20% 、社外複業に 10% を振り分けます。
70, 20, 10 のリソース配分は例ですが、本業は引き続き最も注力しながら柔軟にリソース配分を変えるといいでしょう。
本業以外の活動時間が増え、社内複業が最も多くなれば部署異動、社外複業が一番大きくなれば転職や独立につながります。
ちなみに、私が Google を辞めた経緯がまさに後者でした。
こちらについては別の記事で詳しく書いています。よければ、ぜひ読んでみてください。
まとめ
今回は、戦略とキャリアについてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
製品・市場戦略

キャリアへの当てはめ
- 顧客 → 仕事で自分が価値を提供する相手 → 働く環境 (例: 業界, 会社)
- 製品 → 価値提供の源泉 → 専門スキルや経験・知見

転職のマトリクス
右上と左下のシフトは 「片足ずらし」 の転職、右下へは 「両足ずらし」 の転職で最も難易度が高い (その分だけ成長機会がある) 。
複業のマトリクス
複業ではマトリクスの4つのうち2つ以上を同時並行でやっていく。
- これまでの仕事に注力する (リソース配分: 70%) [本業]
- 社内の全然別のプロジェクトや企画に参加 (20%) [社内複業]
- 社外の活動で本業のスキルを活かす (10%) [社外複業]