投稿日 2021/04/06

顧客インタビューで、相手と化学反応を起こすための5つのポイント


今回は顧客インタビューのポイントをご紹介します。

この記事でわかるのは、顧客インタビューのポイントです。5つあります。

✓ 顧客インタビューでの5つのポイント
  1. 目的を常に意識する
  2. 事前準備
  3.  「3つの目」 での切り替え
  4. 質問はシンプルに
  5. 手元でのメモ

いずれば、相手のことを深く理解することにつながります。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

顧客インタビュー案件からの学び



以前にコンサルティングを依頼されたある仕事で、短期間で集中的に顧客インタビューをしたことがあります。

1ヶ月弱で20人のインタビューをしました。実質の営業日は20日くらいで、単純計算でほぼ毎日インタビューをしました。日によってはダブルヘッダーのような2回の実施もありました。

この経験からインタビューのスキルが上がり、自分なりのインタビューの型を持てるようになりました。


顧客インタビューでの5つのポイント


その時のことをあらためて振り返ると、顧客インタビューのポイントが整理できました。相手との化学反応が起こるようなインタビューにできる5つです。

✓ 顧客インタビューでの5つのポイント
  1. 目的を常に意識する
  2. 事前準備
  3. 3つの目での切り替え
  4. 質問はシンプルに
  5. 手元でのメモ

では順番にご説明しますね。

[ポイント 1] 目的を常に意識する


1つ目の顧客インタビューのポイントは、目的設定です。

インタビューをするにあたって位置づけを明確にします。目的は事前準備やインタビュー中も頭から離れないように念頭に置いておきます。

どんなにインタビュー中に相手と話が盛り上がっていても、目的とずれていればビジネスでは成功と言えません。これはインタビューに限らずですが、目的があっての手段です。

[ポイント 2] 事前準備


2つ目は事前準備です。事前準備は大きく2つです。

1つは対象者情報のインプットです。具体的には相手のプロフィール、事前アンケート回答の読み込み、公開情報からです。

事前アンケート回答では、インタビュー当日により深掘りしたい箇所にマークをつけ、質問したい意図もコメントでメモをつけます。

公開情報からのインプットは例えば、インタビュー相手の方の名前がわかれば、所属の会社のホームページでの紹介、外部サイトのインタビュー記事です。他には SNS も一般公開されている範囲で見ておくと、相手の人となりが見えてきます。

もう1つの事前準備はインタビューフローです。インタビューの流れは、手元の資料やメモを見なくても全て言えるくらいに暗記してインタビューに臨みます。

[ポイント 3] 3つの目での切り替え


インタビュー中は 「3つの目」 を意識するといいです。3つの目とはメタファーで、鳥の目、虫の目、魚の目です。

鳥の目とは広く俯瞰する見方です。上空からフィールドを見渡すイメージです。インタビューで意識してやっていたのは具体的な話の抽象化です。例えば相手の話を一言でまとめます。

虫の目は鳥の目とは逆で解像度を高く見ます。具体の掘り下げです。

抽象的な表現や独特な表現、例えば業界用語やその会社での独自の使われ方や意味を確認します。なんとなくわかったように思えても、実は細かいニュアンスが違っていることがあります。具体の掘り下げでは、例えばの事例も詳しく訊くといいです。

魚の目とは、他のものと比較する視点です。例えば現在状況と過去を比べます。

プロセスに沿って流れや順番を整理したり、過去や現在だけではなく未来から現在に逆算して捉えると何が言えるかという質問も有効です。

[ポイント 4] 質問はシンプルに


顧客インタビューでの4つ目のポイントは、質問はなるべくシンプルに言います

長々と質問をせずに、相手に多く話してもらいます。前置きがある場合は 「ここまでが前提で」 などと相手にわかるように工夫します。まずは質問をぶつけ、その後に質問の意図を補足で伝えます。

[ポイント 5] 手元でのメモ


私のやり方は顧客インタビュー中は紙のノートにメモを取ります。

メモを取る対象は大きくは3つです。

✓ 手元でのメモ
  • 相手の発言でキーワードだと思うこと
  • 関係性やプロセスの簡単な図
  • 後から質問したいこと

メモを取っておくことの良さは、点と点がつながることです。これは紙のメモだと起こりやすいです。

例えばインタビューの前半でメモをしたことを、後半で違う話でメモを見てつながることがあります。質問をする時に 「前半の ◯◯ の時の話は、今のこの話とつながりますか?」 のような引用をします。

自分の気づきになるだけではなく、時には相手にとっても新しい発見になります。インタビュー中に相手と化学反応が起こる瞬間で、この時は脳の中で何かがスパークする楽しさがあります。


まとめ


今回は顧客インタビューのポイントをご紹介しました。ぜひ参考にしていただけるとうれしいです。

最後に記事のまとめです。

顧客インタビューでの5つのポイント
  • 目的を常に意識する。目的は事前準備やインタビュー中も頭から離れないように
  • 事前準備。対象者情報のインプット、インタビューフローの暗記
  • 3つの目での切り替え。鳥の目で俯瞰と抽象化、虫の目で具体化、魚の目で横比較
  • 質問はシンプルに。長々と質問しない
  • 手元でのメモ (キーワード, 関係図, 質問点) 。点と点をつなげ化学反応を起こす

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。