
今回は事業戦略についてです。
✓ この記事でわかること
- 事業戦略の大きな方向性 (既存顧客 or 新規顧客)
- 既存客のポテンシャルを見極める切り口
- 新規顧客はバケツの穴をふさいでから
- とはいえ新規客への種まき活動もやっておこう
今回は事業戦略の中の論点の1つである、既存顧客を重視するのか、それとも新規顧客の開拓をするのかです。既存顧客か新規顧客かの方針をどう決めればいいのでしょうか?
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
既存顧客?新規顧客?
これは私が企業への事業戦略のコンサルティングをする時によく出てくる論点です。
既存顧客を伸ばすのか、新規顧客を新たに開拓をするのかです。
どちらの方向性なのかは唯一の正解はありません。ケースバイケースです。
私がコンサルティングをする企業の担当者に訊くのは、既存顧客のポテンシャルはどのくらいあるかです。既存顧客を伸ばせるかの見通しを確認します。
既存客のポテンシャルを見極める方法
具体的には、次の切り口から既存顧客でのビジネスを拡大できる余地を見極めます。
大きくは定量データと定性情報です。BtoB 事業を想定していますが、BtoC でも考え方は同じです。
✓ 定量データの切り口
- 既存顧客のリピート率
- 案件単価
- 1社あたりの案件数
✓ 定性情報の切り口
- 提供価値への満足度とリピート意向
- 他の商品・サービスの提案余地 (クロスセルの可能性)
- 他部署へ横展開できそうか
- 案件単価を引き上げられる可能性
新規開拓はバケツの穴をふさいでから
既存顧客における顧客満足度や LTV (生涯顧客価値) の向上、売上や利益の増加の可能性がまだあると判断すれば、社内リソースを既存顧客への対応に振ります。
というのは、リピート率の向上など伸ばせる余地があるということは、裏を返せばバケツの水が底から漏れている状態だからです。バケツの穴をふさぐという改善をしてたら新規顧客の開拓に注力すべきです。
穴をふさがないまま新規顧客にリソースを配分すると、新しい顧客を獲得しても LTV が低くなり非効率な事業活動になってしまいます。
種まき活動の重要性
ただし、全てのリソースを既存顧客に振り切ればいいかと言うと、それはそれで違います。
いくらかは常に新規顧客の開拓にリソースは配分したほうがいいです。例えば、リソースが 100 あるとして、最低でも 10 は新規顧客です。
既存顧客の強化に終わりが見えてきた段階で、いざ新規顧客の開拓となってもスタートダッシュができません。事業戦略のフェーズとして既存顧客を重視する段階であったとしても、常日頃から新しい種まき活動はやっておくことが大事です。
まとめ
今回は事業戦略の方向性で、既存顧客と新規顧客のどちらに注力すべきかを考えました。
両方とも重要ですが、置かれた状況と順番がポイントです。
最後に記事のまとめです。
事業戦略の大きな方向性 (既存顧客 or 新規顧客)
- 企業への事業戦略のコンサルティングをする時によく出てくる論点
- どちらの方向性かは唯一の正解はない。ケースバイケース
- 既存顧客での拡大のポテンシャルがあるかの見通しを確認するといい
既存客のポテンシャルを見極める切り口
- 既存顧客のリピート率, 案件単価, 1社あたりの案件数 [定量]
- 顧客満足度とリピート意向, クロスセルの可能性, 他部署へ横展開, 案件単価を引き上げの可能性 [定性]
既存と新規への考え方
- 既存顧客が伸ばせると判断すれば社内リソースを既存顧客への対応に振る
- 伸ばせるということは、裏を返せば既存客の取りこぼしがまだある状態。新規開拓はバケツの穴をふさいでから
- ただし既存顧客を重視する段階だとしても、常日頃から新しい種まき活動はやっておく