投稿日 2021/07/06

ドラゴンボールの 「スカウター依存の弊害」 から、ビジネスパーソンへの教訓


今回はドラゴンボールからビジネスに学べることです。

データ活用への教訓を書いています。

✓ この記事でわかること
  • ドラゴンボールのスカウター
  • フリーザたちのスカウター依存と弊害
  • データ活用への教訓
  • データの前提と限界
  • ビジネスでは客観と直観の両方が大事

ドラゴンボールのスカウターの功罪から、ビジネスパーソンが学べることを掘り下げています。

ドラゴンボールのスカウター


漫画のドラゴンボールではサイヤ人編とフリーザ編で、「スカウター」 という道具が登場します。

スカウターの機能


スカウターとは片目だけのメガネのようなもので、耳から目の部分に取り付けます。機能は大きく3つです。

✓ スカウターの機能
  • 相手の戦闘力が数字で測定できる
  • 測定した相手の地点がわかる (緯度と経度のイメージ)
  • トランシーバーとなりコミュニケーションができる

スカウター依存の弊害


スカウターには功罪があります。

先ほど見た3つの機能が便利な一方で、スカウターの戦闘力の値に依存しすぎる弊害です。

フリーザやその一味はスカウターに依存しすぎたために、相手 (悟空たち) の本当の戦闘の実力を見誤ります。正しく相手の強さを捉えることができなかったわけです。

具体的には、悟空たちは自在に戦闘力をコントロールでき、これは自分の 「気」 を高めたり抑えたりすることによってですが、スカウターは全てを測定できませんでした。

わかりやすいスカウターだけの数字で判断し、フリーザの部下たちは悟空たちの強さを過小評価しました。油断やおごりにつながり、戦い方を誤ったわけです。

* * *

ビジネスへの教訓


この話をビジネスに着想を広げてみます。スカウター依存の弊害を置き換えると、一部分にしか過ぎない特定データだけを見て意思決定する危うさです。

確かにデータというファクトから物事を理解し、意思決定の判断基準にしアクションにつなげることはビジネスでは大事です。

しかし一方で、収集されたデータの 「前提」 や 「限界」 を把握した上で活用しないと見誤まる弊害があります

データの前提と限界


データの前提とは、そのデータは誰が、何の目的で、誰から・何から、どうやって収集されたのかです。

そしてデータの限界は2つあります。

データとはあくまで過去のものです。収集された時点は過去にすぎず、これからの未来ではありません。

もう1つのデータの限界とは、収集データの範囲です。あくまで一部分の氷山の一角であり、現実的にはまだまだデータで捉えきれない領域があります。

まとめると、

✓ データの前提と限界
  • そのデータは誰が、何の目的で、誰から・何から、どうやって収集されたのか [前提]
  • 収集データとはあくまで過去のもの [限界]
  • 収集データの範囲 [限界]

売上データ (POS データ) の限界


例えばマーケティングでの売上データを例に見てみましょう。

店舗での POS データを見れば、何が、いつ、何個、どこで売れたのかがわかります。もし POS データに会員 ID が紐付き、会員の年齢や性別情報があれば、誰に売ったかもわかります。ただし、POS データとはあくまで過去の結果にすぎません。未来も同じかはわかりません。

また、同じ1つの売上でも、お客さんの心理や購入状況は POS データでは捉えられません。

顧客が何を期待して買ったのか (期待価値) 、買う前やお店で何と迷ったのか、もし迷ったのであれば他の選択肢は何だったのかは、POS データには現れないのです。

悟空たちのアプローチ


もう一度話をドラゴンボールに戻しますね。

悟空たちはスカウターは持っていません。

どうやっていたかと言うと、相手の 「気」 を感じるという能力を持っています。単に相手の気が大きいか小さいか (強いか弱いか) だけではなく、良い気なのか邪悪な気なのか、さらには誰の気なのかまで感性で捉える能力を持っていました。

ビジネスでの客観と直観


スカウターはドラゴンボールの世界の話ですが、ビジネスにも示唆があります。

つまり言いたいことは、データという 「客観」 だけではなく、人の心理や本音を大局的に見る 「直観」 の両方が大事です。

両方というのがポイントで、もし客観だけに依存しすぎるとデータから見誤ります。そのデータの前提や限界を把握していなければデータの裏側まで理解できないからです。

一方で直観だけでも危ういです。

自分が無自覚に持っているバイアス、先入観や固定観念、過去の常識や成功体験から判断を誤ります。

フリーザの部下たちのスカウター依存の弊害から私たちが学べることは、ビジネスでは客観と直感のそれぞれを磨き、両方から意思決定とアクションにつなげていく重要性です。


まとめ


今回はドラゴンボールの 「スカウター依存の弊害」 に学ぶビジネスへの教訓でした。

最後にまとめです。

スカウター依存の弊害
  • ドラゴンボールでフリーザ一の部下たちはスカウターに依存しすぎ、相手 (悟空たち) の本当の実力を捉えられなかった
  • 強さを過小評価し油断やおごりにつながり、戦い方を誤った

ビジネスへの教訓
  • 一部分にしか過ぎない特定データだけを見て意思決定する危うさ。データの前提や限界を把握せずに活用しないと解釈を誤まる
  • データの前提とは、そのデータは誰が、何の目的で、誰から・何から、どうやって収集されたか
  • データの限界は2つで、① あくまで過去のもの (未来ではない) 、② 収集データの範囲は一部で氷山の一角

ビジネスでの客観と直観
  • データという 「客観」 だけではなく、人の心理や本音を大局的に見る 「直観」 の両方が大事
  • ビジネスでは客観と直感のそれぞれを磨き、両方から意思決定とアクションにつなげていこう

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。