投稿日 2021/07/31

サッカー元日本代表・遠藤選手の 「コロコロ PK 」 に学ぶ会議を成功させる方法


今回はサッカー選手に学ぶ仕事術です。

✓ この記事でわかること
  • 遠藤選手の 「コロコロ PK 」 
  • コロコロ PK の本質
  • 仕事への応用 (会議を成功させる方法) 

サッカー元日本代表の遠藤保仁選手、かつての代名詞の1つが 「コロコロ PK 」 でした。

この記事でわかるのは、コロコロ PK とは何かとその本質、本質をビジネスに当てはめてビジネスパーソンが学べることを解説しています

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

遠藤選手のコロコロ PK


サッカー元日本代表の遠藤保仁選手が得意な1つが PK です。J リーグ公式戦で 90% 近い成功率を誇り、J リーグ選手においてトップクラスです。

遠藤選手の PK は 「コロコロ PK 」 と呼ばれました。PK のシュートがとても遅く、ゆっくりとしたパスのような蹴り方をします。

百聞は一見にしかずなので、遠藤選手の PK の動画をぜひご覧ください。代表戦の緊迫した試合で、ここまで冷静に PK をする姿は惚れ惚れします。


以下は J リーグの YouTube 公式チャンネルでの解説動画です。


なぜ遅いシュートで PK が成功するのか


遠藤選手が遅いシュートでも PK が成功するのは、ゴールキーパーの逆をついているからです。

ポイントは遠藤選手は蹴る直前までゴールキーパーの動きを見ています。先にゴールキーパーが左右のどちらに動いたか、正確には重心と足の動きを見極めてからボールを蹴ります。

助走から蹴るまでもゆっくりで、走るというよりも歩くようなスピードです。蹴る瞬間もボールは見ずに、視線の先はゴールキーパーです。

コロコロ PK の本質


遠藤選手の PK は、ボールを蹴る瞬間にはすでにゴールキーパーとの勝負は決まっています

通常の PK はボールを蹴った後にゴールキーパーとの勝負がありますが、コロコロ PK の勝敗の分かれ目は時間軸のもっと前です。助走開始からキーパーの動きを見切るまでという、勝つポイントを蹴るよりも前に置いているわけです。

* * *

ビジネスへの応用



コロコロ PK の本質は 「勝負の時間軸を前に置くこと」 でした。

この考え方は仕事にも応用ができます。例えば会議です。

会議を成功させるために、勝負のポイントを時間軸を前にします。

私は 「会議は準備が8割」 だと思っていて、会議前の準備を大切にしています。会議設計をつくり込むことによって、会議の時間をより充実したものにできます。

会議の準備方法


もちろん会議中の仕切りやファシリテーションも重要ですが、準備が会議の勝敗を分けます。会議準備という会議開始よりも時間軸での前にポイントを持ってくるのです。

私がよくやっていておすすめの会議準備の方法は 3PM です。3つの P と1つの M で準備を進めます。3つの P とは Purpose, People, Process, 1つの M は Material です。

✓ Purpose
  • 目的とゴール設定 (終了条件)
  • ゴール設定とは目的を達成した時の具体的な状態

✓ People
  • 会議の参加者
  • 目的とゴール設定から逆算して参加者を決める
  • 参加必須者と、必須はない参加がベターな人に分ける
  • 参加人数を増やしすぎない

✓ Process
  • 目的とゴールから逆算し分解したアジェンダ
  • アジェンダごとの主要な論点、論点への仮説
  • 合意形成までどう進めるかの会議シナリオ
  • 時間配分
  • 合意形成の方法 (例: 最後は責任者に意思決定を任せる)

✓ Material
  • 会議に必要な資料
  • どんな資料が必要か
  • 会議中にどうやって使うか
  • 事前に共有するか, 参加者に目を通して参加してもらうか

以上の 3 PM で会議設定をつくります。

会議準備を終える目安は 「期待 > 不安」 となった時です。会議がうまくいきそうだと頭でイメージができて、会議について不安よりも期待や楽しみの方が大きくなった状態になれば準備を終えます。

コロコロ PK との共通点


前半で見た遠藤選手のコロコロ PK との共通点 (本質) は、成功のためのポイントを時間軸で前に置いていることです。

コロコロ PK では蹴る前にゴールキーパーの動きを見極めて、蹴った時にはすでに勝敗が決まっていました。会議も同じで、会議準備をすることによって会議が始まる時にはうまくいくシナリオができている状態を目指します。


まとめ


今回は遠藤選手のコロコロ PK に学ぶ会議を成功させる方法についてでした。

最後にまとめです。

遠藤選手のコロコロ PK
  • ゴールキーパーの動きを見極め、キーパーと逆方向にゆっくりとしたパスのような蹴り方をする
  • コロコロ PK の本質は 「勝負の時間軸を前に置くこと」 。ボールを蹴る瞬間にはすでにキーパーとの勝負は決まっている

ビジネスへの応用 (会議の準備) 
  • 会議の成功のポイントを、会議準備という会議開始よりも時間軸で前に持ってくる
  • 会議準備から会議の開始時点にはすでにうまくいくシナリオができている状態を目指す

会議準備の方法は 3PM
  • Purpose: 目的とゴール設定 (終了条件) 
  • People: 目的とゴール設定から逆算して参加者を決める
  • Process: アジェンダ, 論点と仮説, 会議シナリオ, 時間配分, 合意形成の方法
  • Material: 会議に必要な資料


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。