投稿日 2021/11/16

後で売る前提の買い物あれこれ。世の中やライフスタイルの変化をビジネスにつなげる方法


今回は生活者のライフスタイルの変化から、マーケティングにつなげるアプローチを見ていきます。

✓ この記事でわかること
  • 将来の売値を想定しての家の購入
  • メルカリでの服や本の買い方
  • 共通点は 「売ることを前提にした買い物」 
  • マーケティングに学べること
  • OODA ループの活用

興味深いと思った買い物の方法から、マーケティングに学べることを掘り下げていきます。

ぜひ最後まで読んでみてください。

将来の売値を想定しての家の購入


以下は日経新聞の記事からの引用です。

新築戸建て住宅を選ぶ際に 「将来高く売れるか」 が評価軸の1つとなっている。新型コロナウイルス下で快適に過ごせる持ち家を検討する人たちは、生活スタイルの変化などによる今後の売却も視野に入れているためだ。人工知能 (AI) などで将来の売却価値が 「見える化」 できるようになるなど、購入を後押しする環境も整ってきた。

 「価格が下がる気配がないので買うなら今しかないと思った」 。東京都大田区で5000万円台の新築戸建て住宅を契約した男性 (42) はこう話す。5年ほど前から住宅購入を考えていたが踏み切れない間に住宅相場が上昇。コロナ拡大後にほぼ在宅勤務となったこともあり、手狭な賃貸マンションから 3LDK の戸建てに移ることを決めた。

 (中略) 

実際に家の購入を検討する際、将来的な売却価値に関する情報も集めやすくなってきた。住宅価格推定サービスのコラビット (東京・港) は人工知能 (AI) で住宅価格を査定するウェブサイト 「ハウマ」 を提供する。戸建て住宅に住む利用者でも住所や間取り、築年数などの情報を入力すれば、自宅がいくらで売れるのかその場で予測できる。

メルカリでの服や本の買い方


続けて、別の日経記事からの引用です。

持ち物を売却する際の下取り価格である 「リセールバリュー」 を意識した購買行動が、若年層を中心に広がっている。マンションや自動車では一般的だが、最近はフリマアプリなどで売却時の価格も分かるようになり、本や服など幅広い商品に拡大している。ある程度の金額で売れるという安心感が購入を決断する後押しになっている。モノの所有よりも、モノから得られる時間を重視する消費行動が鮮明になっている。

 「とにかくお得に暮らしたい」 。大学生の吉田英菜さん (20) は8月、フリマアプリ 「メルカリ」 で読み終えたばかりの小説を約1000円で売却した。この小説は1週間前にメルカリで約1000円で購入したばかりの中古品。読み終えるとすぐにメルカリに出品した。本を所有していたのは約1週間。購入額とほぼ同じ値段で売却できたため、実質的に支払ったのは手数料の約100円のみ。「本の出品状況を見て、1週間後ならほぼ同額で売れると思って買った」 

本だけでなく服を購入する際も売ったらいくらになりそうかを事前に調べる。服の場合は買ってみたものの、思ったほど気に入らず着用頻度が少ないケースもある。購入時の 8 ~ 9 割の値段で売れることもあり、「ある程度の金額で売れるという安心感があるからこそ、思い切って購入できる」 。


共通点は?


ここまで見てきた買い物に共通するのは、はじめから売ることを前提に購入する消費者行動です。

不動産や自動車など中古品の売買規模があり、売り手と買い手のマーケットが成立していた市場では以前からあったことです。

テクノロジーが進化し新しいサービスが登場したことで、売ることを前提に購入するのがより一般的になりました。メルカリに代表されるサービスが日常的に普及し、耐久財だけではなく日用品でも売る前提での買い物スタイルが普通になっています。


学べること


では今回の話から、マーケティングの観点から学べることを整理してみましょう。

1つ目の学びは 「消費者行動の変化の兆しを捉えよう」 です。

前提として持っておきたいのは、生活者のライフスタイルは常に変化していることです。少しずつなので変化に気づきにくいですが、水面下では確実に変化しています。自分自身も1人の生活者で、生活者の視点で、日常の中に潜む変化に目を向け兆しを捉えられるかです。

2つ目の学びは、「変化の解釈と対応」 です。

事実として起こった・起こっている変化は、自分たちのビジネスの文脈で何を意味するのかを考えるといいです。どう解釈すればいいかを見極め、世の中や生活者、市場の変化に合わせて自分たちも変わることが大事です。

過去や今の成功体験にとらわれず、新しいことを試したり挑戦をして自ら変化します。

ここまで見てきた学びを整理してみましょう。

✓ 学びの整理
  • 生活者や世の中の変化を捉える [観察]
  • 自分たちのビジネスの文脈で変化の意味合いを見極める [解釈]
  • 変化にどう対応するかを決め、新しく挑戦する [決断と行動]

以上のことは、OODA ループと共通します。


OODA ループの活用


OODA ループとは一言で言えば、意思決定と実行のプロセスです。OODA は英語の4つの単語の頭文字からです。

✓ OODA ループ
  • Observe (観察) : 情報を収集し観察する
  • Orient (状況判断) : 収集した情報を解釈し、何を意味するのかを考える
  • Decide (意思決定) : 状況判断から決断をする
  • Act (行動) : 行動に移す

変化が常に起こり早い世界では、自分たちも変わり適用し続けることが大切です。

その時に OODA ループのアプローチが役に立ちます。


まとめ


今回は、生活者のライフスタイル (買い物行動) の変化から、マーケティングに学べることを OODA ループも入れながら見てきました。

最後にまとめです。

変化に適応する方法
  • 生活者や世の中の変化を捉える [観察]
  • 自分たちのビジネスの文脈で変化の意味合いを見極める [解釈]
  • 変化にどう対応するかを決め、新しく挑戦する [決断と行動]

OODA ループの活用
  • OODA ループとは、意思決定と実行のプロセス
  • 観察 → 状況判断 → 意思決定 → 行動
  • 変化が常に起こり早い世界では、自分たちも変わり適用し続けることが大切。その時に OODA ループのアプローチが役に立つ


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。