投稿日 2021/11/09

ミズノの企業向けユニフォームに学ぶ、横展開の事業開発と価値のつくり方


今回のテーマは、商品開発とマーケティングです。

✓ この記事でわかること
  • ミズノのワークウェア事業
  • 資源を有効活用した横展開の事業開発
  • お客への提供価値の2つ (機能的価値と意味的価値) 
  • ワークウェアが提供している価値
  • 学べること

おもしろいと思った事例から、商品開発とマーケティングで学べることを解説していきます。

ぜひ最後まで読んでみてください。

ミズノのワークウェア事業


今回取り上げたいのは、スポーツ用品を展開しているミズノのワークウェア (企業向けのユニフォーム) です。こちらが公式サイトです。

佐川急便 (出典: ミズノ

サカイ引越センター (出典: ミズノ

ミズノは、ワークビジネス事業を戦略ドメインの1つとして位置づけています。


資産を有効活用する事業開発


ミズノのワークウェアは、事業開発の観点から興味深いです。

一言で言えば、「既存事業で培った資産 (ノウハウや設備など) を活用した事業の横展開」 です。

ミズノの既存事業とはスポーツウェアやシューズです。スポーツ用品の開発・生産・販売やマーケティングでの経験や知識、技術を、スポーツとは少し領域の違う企業向けのワークウェア (従業員ユニフォーム) に応用しています。

ワークウェア事業を全くのゼロからではなく、自分たちが持っているスポーツ用品事業での資産を有効活用した事業開発です。


2つの価値


では次にミズノのワークウェアについて、マーケティングの観点から掘り下げていきます。

マーケティングで押さえるポイントは、「誰に」 「何を (どんな価値を) 」 「どうやって」 提供するかです。2つ目の 「何を」 が、商品やサービスをお客が使うことにより得られる価値です。

お客が得る価値は大きく2つに分けられます。「機能的価値」 と 「意味的価値」 です。

機能的価値とは、文字通りの商品・サービスの機能、性能、スペックからの 「役に立つ」 という価値です。

意味的価値は感情的な価値です。使っていて楽しい、うれしい、満足感、かっこいい・かわいいと思えるなどの 「意味のある価値」 です。


ワークウェアが提供している価値


ここでミズノのワークウェアに話を戻しますね。

ミズノが九州の酒造メーカーである霧島酒造に、企業向けユニフォームを提供するとのことです (ニュースリリースはこちら) 。

出典: PR TIMES

以下はニュースリリースからの引用で、品質保証部の方のコメントです。

食品安全に配慮した仕様はもちろんのこと、着用する全ての社員から収集したデザインや機能性、快適性への要望を実現しました。

色は霧島酒造コーポレートカラーをベースにオーダーカラーを採用し社員としての士気を高めるものとなっています。工場見学施設へご来場の方の目に触れる機会も多いため、霧島ブランドの効果的なアピールに繋がると考えております。

先ほど提供価値を、機能的価値と意味的価値の2つに分けました。

引用したコメントにあった 「士気が高まる」 とは後者の意味的価値のことです。 ユニフォームを作るプロセスから従業員が参加し、自分たちがデザインしたユニフォームを職場で皆で着ることから一体感が生まれます。

ミズノのワークウェアは、機能的価値である 「動きやすい」 「発汗作用」 「丈夫で使い続けられる」 などの価値に加えて、「一体感からの士気の向上」 という意味的価値も提供しているのです。


学べること


では最後に、ミズノのワークウェアから学べることを整理しておきましょう。

商品や事業開発の観点では、自分たちが持っている 「既存資産の有効活用」 に学びがありました。資産とは具体的には、経験や知識、技術、設備、ブランド、知財、顧客との関係性や外部パートナー企業です。

マーケティングへの学びは、お客への価値提供についてです。価値を大きく2つに分け、機能的価値と意味的価値で捉えると良いです。

つくり手や売り手が目が向きがちなのは機能的価値のほうです。もちろん機能的価値は大事ですが、機能からの 「役に立つ」 という価値から、お客にとってのうれしさなどの感情的な価値提供につなげる重要性です。

意味的価値で他の商品やサービスから独自化ができないか、選ばれ買われる理由をつくれないかを考えてみると、マーケティングのヒントになります。


まとめ


今回はミズノのワークウェアに学ぶ、商品開発とマーケティングについてでした。

最後にまとめです。

ミズノのワークウェア事業から学べること
  • 資産を有効活用する事業開発
  • 機能的価値と意味的価値

[学び 1] 資産を有効活用する事業開発
  • ミズノのワークウェアは、スポーツ用品の既存事業で培った資産を活用した事業の横展開をしている
  • 資産とは具体的には、経験や知識、技術、設備、ブランド、知財、顧客との関係性や外部パートナー企業

[学び 2] 意味的価値からの独自化
  • 意味的価値は使っていて楽しい、うれしい、満足感、かっこいい・かわいいと思えるなどの 「意味のある価値」 
  • ミズノのワークウェアは、機能的価値である 「動きやすい」 「発汗作用」 「丈夫で使い続けられる」 などの価値に加え、「一体感からの士気の向上」 という意味的価値も提供している
  • 意味的価値で他の商品やサービスから独自化ができないか、選ばれ買われる理由をつくれないかを考えてみよう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。