投稿日 2021/11/28

戦略の肝は 「何を捨てるか」 。やらないことを決める方法


今回は、戦略と意思決定の方法です。

✓ この記事でわかること
  • 戦略の本質
  • ポイントは 「やらないこと」
  • 「やらないこと」 を決める3つの判断基準

戦略とはそもそも何かの本質を掘り下げ、戦略的な意思決定をする方法を解説しています。

この記事を読んでいただきたいと思うのは、仕事で戦略を考えたり作っている方です。特に経営者や事業責任者の方を想定しています。

経営戦略や事業戦略の他にも、商品戦略やマーケティング戦略、営業戦略をつくる方にも参考になればと思います。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

戦略とは


最初にそもそも戦略とは何かを考えてみましょう。

戦略については私の一言の定義があるので、ここではそれを紹介をさせてください。戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。

ポイントは 「やらないこと」 にあります。目的を達成するために 「やらないこと」 を決めることによって、残った 「やること」 にリソースを注力できます。やらないことを決めるために戦略をつくると言ってもいいです。

ではどうやって 「やらないこと」 を決めればいいのでしょうか?


やらないことを決める方法


この記事でお伝えしたい 「やらないことを決める判断基準」 は次の3つです。

✓ やらないことを決める方法
  • ゼロベースで考える
  • 長い時間軸で見る
  • 上位概念に立ち返る

ではそれぞれについて順番にご説明しますね。

ゼロベースで考える


ものごとを決める時に、既存の延長線で無意識的にも意思決定をしていないでしょうか?

ともすると 「手段の目的化」 が起こっていないかには注意が必要です。「やろうとしていること」 「やめられないこと」 は当初は手段にすぎなかったことですが、いつの間にか目的にすり替わっていないでしょうか?

ゼロベースにしてみて、例えばもし自分がこのビジネスの責任者に新しく就任し、これまでのしがらみがなかったとしても 「本当にこれからも続けていくべきことか」 を考えてみるといいです。

ゼロベースに立ち戻ることによって、大局的な判断ができます

長い時間軸で見る


人は目の前のことに意識が向きがちです。良く言えば注力し集中できている状態ですが、一方で視野が狭くなっているとも言えます。

戦略として 「やること」 と 「やらないこと」 を判断するために、一歩引いて長い時間軸で考えてみましょう

目安は2倍と4倍です。例えば3ヶ月のプランを考えているなら6ヶ月と1年に延ばしてみる、1年の時間軸なら2年と4年 (きりがよく5年でもいいです) にしてみます。

時間軸を長く見て、その未来から逆算して必ずしも必要でなければ、覚悟を持ってやらないと決断してみます。

上位概念に立ち返る


先ほどの 「手段の目的化」 ともつながりますが、今見ていることの上位概念に立ち戻って意思決定をするといいです

上位概念とは具体的には次のようなものです。

✓ 上位概念に立ち返る
  • 商品レベルのことを考えているなら事業部レイヤー
  • 事業のことなら経営方針や経営戦略
  • 経営戦略での意思決定なら、経営理念であるビジョンやミッション

意思決定をしようとしている対象の上位概念と照らし合わせて、やろうとしていることが必須ではないなら捨てる判断をします。


まとめ


今回は戦略と意思決定についてでした。

最後にまとめです。

戦略の本質
  • 戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごと」 
  • やらないことを決めることによって、残った 「やること」 にリソースを注力できる
  • 戦略はやらないことを決めるためにつくると言ってもいい

やらないことを決める方法
  • ゼロベースで考える。過去の延長ではなくしがらみを取り除いて考えてみる
  • 長い時間軸で見る。目安は2倍と4倍にして未来から逆算して決める
  • 上位概念に立ち返る。事業のことなら上位の経営戦略、経営戦略なら経営理念 (ビジョンやミッション) に立ち戻って意思決定する

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。