出典: シャープ
今回のテーマはお客さんにどうやって価値を伝えるかです。価値最大化をお膳立てするマーケティングという話です。
おもしろいと思ったシャープの取り組みから、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- シャープがホットクックのサブスク (実験) を開始
- 利用シーンのお膳立て
- 使いたくなる仕掛けを入れよう
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
シャープの自動調理家電ホットクック
出典: シャープ
ホットクックは食材や調味料を入れておくと、炒めや煮込みなどを自動で調理をしてくれる便利な家電です。
かき交ぜるスピードや温度調整を制御し食材を入れれば後は勝手に作ってくれます。
ホットクックのサブスク
そんなホットクックですが、シャープがホットクックのサブスクを実験的に始めるとのことです。
シャープは調理家電をサブスクリプション (定額課金) で利用できるサービスの実証実験を12月に始めると発表した。
家電などのレンタルサービスを提供するレンティオ (東京・品川) と食材配送アプリを運営する雨風太陽 (岩手県花巻市) と連携する。月額2800円で、シャープの電気調理鍋 「ヘルシオ ホットクック」 が使える。毎月、2 ~ 6人分程度の料理を想定した食材が1種類届く。
サービス実験の狙い
シャープがサブスクの実証実験をする背景について、続けて記事から見ていきましょう。
シャープはインターネットにつながる家電や関連サービスに力を入れているが、「利便性を感じきる前にサービスの利用をやめてしまう人もいる」 (同社) のが悩み。
サブスクで安価に使ってもらい魅力を発信する。調理機器を途中で買い取る場合は、サービスの利用期間に応じて価格を割り引く。
学べること
ではシャープの取り組みから学べることを掘り下げていきます。
利用シーンのお膳立て
ホットクックのサブスクには 「商品からの価値をいかに体験してもらうか」 に学びがあります。
サブスクの中身で注目したいのは、ホットクックで料理を作るための 「食材も一緒に届くこと」 です。
ホットクックという調理家電を渡して 「後はお好きにどうぞ」 ではなく、食材も届くことでホットクックを使うハードルを下げているわけです。
お客さんの立場になればホットクックだけがあっても意味はありません。食材と調味料、水を適切に入れ、自動で調理され料理がおいしく食べられてこそ価値が生まれます。
食材もサブスクに入れることでホットクックを使いたいと思える状況をつくるお膳立てをしているのです。
使いたくなる仕掛けを入れる
学びを一般化すると商品・サービスをお客さんに使ってもらう仕掛けを入れる重要性です。
どんなに良い商品やサービスでも使われない限りは価値は発揮されません。お客さんに使ってもらうのをただ待っているのではなく、売り手が意図を持って能動的に働きかけをすることが大事です。ここにマーケティングの役割があります。
シャープがホットクックのサブスクに食材をセットにしたように、商品の価値が最大化する利用方法を設定し、逆算してどんな状況を用意すればいいかを考えてみるといいです。
まとめ
今回はホットクックのサブスク実験の話を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 価値最大化をお膳立てするマーケティング
- どんなに良い商品やサービスでも使われないと価値は発揮されない。商品は使ってこそ価値が生まれる
- 商品の価値が最大化される使い方を見出し、売り手が能動的に再現し使ってもらうお膳立てをしよう
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