出典: マルマン
今回のテーマは 「顧客理解と提供価値」 です。
おもしろいと思った文房具 「ルーブリーフミニ」 を取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- 横型で小さなルーブリーフミニ
- 環境変化に対応したありそうでなかったデザイン
- 本当の競争相手は何か?
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ルーズリーフミニ
ミニサイズのルーズリーフが人気とのことです。
ミニサイズのルーズリーフ
以下は日経新聞の記事からの引用です。
ミニサイズのルーズリーフが人気だ。
ルーズリーフといえば 「手軽に取り外しのできる授業ノート」 として学生時代にバインダーと一緒に使っていた人も多いはず。近年人気が高まっているのは、一般的な B5 サイズのルーズリーフの3分の1以下とかなり小ぶりのもの。そしてそのユーザーの多くを20 ~ 40代の女性が占めているという。
(中略)
新型コロナウイルス禍で厳しい状況が続いた文房具業界だったが、バインダーやリフィルなどのルーズリーフミニ関連商品の2022年度の売り上げ数量は、コロナ前の19年度比およそ 215% と約2倍に成長しているという。
具体例で取り上げられていた商品が 「ルーズリーフミニ」 でした。
ルーズリーフミニの特徴
出典: マルマン
ルーズリーフミニは文具を製造・販売するマルマンの商品です。
サイズは横 12.8 cm 、縦 8.6 cm と片手に収まる大きさです。ルーズリーフミニの特徴は 「横向きで使うことを想定したルーズリーフ」 だということです。
ルーズリーフミニは横長なのだ。文章は横書きすることが多いため、改行が少なくすむ横向きは集中力をそがず筆が進む。
使い方はライフログと呼ばれる趣味や生活の記録が多く、見た映画やコレクションしているグッズの記録などをシールやカラーペンを使って華やかに彩る。コンパクトで持ち運びやすくどこでも見返すことができる上、1ページにたくさん書かなくていいという心理的な気楽さも人気の理由だ。
一時的なメモではなく記録を残す物としてルーズリーフミニを見ると、あまりにも小さいと思うかもしれない。しかし、手元にあるスマートフォンを見てほしい。ルーズリーフミニが登場した12年に発売された iPhone 5 は縦 124 ミリメートル × 横 59 ミリメートルだった。当時であれば iPhone を超えるサイズは持ち運ぶアナログツールとしては大きすぎると感じたかもしれない。しかし、今年発売された iPhone 14 は縦 146.7 ミリメートル × 横 71.5 ミリメートルとルーズリーフミニに近づいた。
さらにユーチューブなどの影響で動画の横向き視聴が浸透している。スマートフォンと近いサイズでなじみのある横向き。
想定する使い方
ルーズリーフミニを製造・販売するマルマンは、以下のようなルーブリーフミニの使い方を紹介しています。
出典: PR TIMES
学べること
ではルーブリーフミニから学べることを掘り下げていきましょう。
ありそうでなかったデザイン
ルーズリーフミニの特徴は一般的なルーズリーフに比べて 「ミニサイズで横向きになっていること」 でした。
常識とは違うルーズリーフですが、利用者である消費者目線になれば理にかなったデザインです。
大型化しているスマホと同じくらいのサイズで、文字の手書きを横書きでするのなら横向きのデザインは自然です。そう考えるとむしろ今までの普通の縦型のルーズリーフの使いづらい面も見えてくるほどです。
環境変化への対応
ルーズリーフミニからのマーケティングへの学びを一般化すれば、生活者や環境の変化を捉え対応する重要性です。変わり続ける外部環境への適応に示唆があります。
世の中は常に変化しています。生活者の行動や心理、奥にある価値観も変わります。
一方で、売り手である自分たちは変わらないままだといつしか生活者とのギャップが大きくなり、自分たちは世の中から置いてきぼりになります。
その結果、お客さんのニーズや期待を満たす価値を提供できなくなるわけです。
本当の競争相手
マーケティングをやるうえで意識したいのは 「自分たちの競争相手は誰か」 です。
普通に考えれば他社の競合商品が競争相手です。
しかし今回の文脈に当てはめれば、本当の競争相手は 「変わり続けるお客さんのニーズ」 なのです。
変わり続ける状況において、特に想定するお客さんのニーズにどれだけ付いていけているかです。キャッチアッブだけにとどまらず、時には先を越して未来のニーズに応える価値を提案し提供できるかが問われるのです。
まとめ
今回は文房具のルーブリーフミニを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 変わり続けるお客さんへの向き合い
- 世の中は常に変化し、生活者の行動や心理、奥にある価値観も変わる。自分たちも変わらないと、お客さんのニーズを満たせなくなる
- 本当の競争相手は、変わり続けるお客さんのニーズ
- お客さんの変化に付いていき、時には先を越して未来のニーズに応える価値を提供しよう
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