出典: 岩谷産業
今回のキーワードは 「価値イメージ」 です。
おもしろいと思った岩谷産業の 「すっぽんスープ」 を取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- 岩谷産業が 「すっぽんスープ」 で BtoC へ
- 価値イメージのアップデートができるか
- マーケティングの役割とは?
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
岩谷産業のすっぽんスープ
出典: 岩谷産業
以下は日経新聞の記事からの引用です。
岩谷産業は2027年度までにスッポン事業の売上高を足元の3倍の10億円に拡大する。
同社は主力の産業ガスでスッポンを冷凍して粉砕する技術を持つ。これまでは粉砕したスッポンをサプリメントや漢方のほか飲食店向けに販売する法人向けの比率が高かったが、今後は自社ブランドの商品を増やして一般消費者の需要を取りこむ。
参入の経緯
もう少し記事から続けます。
同社は水素や窒素などの産業ガスや LP ガスの販売を主力とする。スッポン事業は液化した窒素の用途を拡大するために1980年代に参入した。
養殖場から仕入れたスッポンを液化窒素で甲羅や内臓ごと冷凍粉砕することで、スッポンの栄養を逃さずに食品や健康食品に加工することができるという。スッポンは熊本県の養殖場と契約し、年間900匹程度を仕入れている。
すっぽんのイメージを変えられるか
マーケティングの観点での 「すっぽんスープ」 の課題はすっぽんのイメージを変えられるか、食べる用途を増やせられるかでした。
岩谷産業が行ったアンケート調査によるとスッポン料理を食べたことがある消費者は7割ほど。そのほとんどが鍋や雑炊で食べたと回答した。
同社は自社のユーチューブチャンネルを使って鍋以外のレシピを発信するなどで、「毎日の料理に使えるようにしていきたい」 (瀬尾担当部長) 考えだ。
学べること
では岩谷産業のすっぽんスープから、マーケティングに学べることを掘り下げていきましょう。
価値イメージのアップデート
今回のキーワードは 「価値イメージ」 です。
岩谷産業の事例では、一般消費者向けに売っていく 「すっぽんスープ」 について消費者からどんな価値イメージを持ってもらえるかが課題でした。
具体的には次のようなすっぽんへの認識を変えられるかです。
✓ 価値イメージのアップデート
- 従来: すっぽんは鍋料理や雑炊で食べるもの
- 新しいイメージ: 栄養価の高い健康食品
イメージを変える打ち手
岩谷産業はすっぽんの価値イメージを新しくするために、例えば次のような施策を行っています。
「スッポンは選手時代にも結構食べていて、手軽に栄養や味を楽しめる商品は魅力」 。岩谷産業が新商品の発売に合わせて10月に開いたイベントでは、元マラソン選手の野口みずきさんがスッポンの魅力を語った。
この日登場したのはだしとして使えるスッポンの缶スープとゼリー状の健康食品。缶スープを使ったオニオンスープや鍋も登場し、調理の手軽さをアピールした。
マーケティングの役割
今回の学びを一般化して表現をするとマーケティングの役割は 「お客さんからの価値イメージを変えること」 です。
同じ商品やサービスでもどのように使えるか、どこに価値があるか、お客さんにとっての意味合いは何かによって欲しいと思われたり、逆に自分には関係ないと思われてしまいます。
向き合うお客さんにとって何が価値になるのか、そのためにどういう見せ方・伝え方をすればいいのか。価値を見出しお客さんに伝えていくのがマーケティングの役割です。
まとめ
今回は岩谷産業の 「すっぽんスープ」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ マーケティングの役割
- 同じ商品でも見方や捉えられ方によって、価値かどうかが変わる
- マーケティングの役割は、お客さんからの好ましい価値イメージを持ってもらうこと
- 提案する価値が響けば、お客さんから良い認識を持たれ、自分ごと化されると欲しいと思ってもらえる
マーケティングレターのご紹介
マーケティングのニュースレターを配信しています。
気になる商品や新サービスを取り上げ、開発背景やヒット理由を掘り下げることでマーケティングや戦略を学べるレターです。
マーケティングのことがおもしろいと思えて、今日から活かせる学びを毎週お届けします。
レターの文字数はこのブログの 3 ~ 4 倍くらいで、その分だけ深く掘り下げています。ブログの内容をいいなと思っていただいた方にはレターもきっとおもしろく読めると思います (過去のレターもこちらから見られます) 。
こちらから無料登録をしていただくとマーケティングレターが週1回で届きます。もし違うなと感じたらすぐ解約いただいて OK です。ぜひレターも登録して読んでみてください!