出典: I-ne
今回のテーマは価値提案です。
おもしろいと思ったシャンプー・トリートメントのブランドを取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- 寝ている間にキレイをつくるシャンプー・トリートメント YOLU
- 勝負の土俵を変える
- 新しい価値を提案し、選ばれる理由をつくろう
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
YOLU
ご紹介したいのは YOLU というシャンプーやトリートメントです。
YOLU の特徴は夜の寝ている間に髪や地肌をケアすることです。
「夜の間にキレイをつくる」
以下は日経新聞の記事からの引用です。
寝ている間に髪や地肌のダメージを防ぐことなどをうたったシャンプーや化粧品などの売れ行きが好調だ。多忙な人らにとって 「少しでも時間をかけずにケアをしたい」 といったコンセプトなどが支持を集めており、当初の想定を上回る売れ行きをみせている。
「販売計画を大幅に上回る売れ行きだ」 。シャンプー・トリートメントなどの 「YOLU」 シリーズを販売する I-ne (アイエヌイー) の藤岡礼記執行役員は笑顔で話す。2021年9月発売の同シリーズは2022年9月21日時点で900万本以上販売。9月末にも1千万本を超える見込み。
(中略)
YOLU の売り上げペースは同社のヒット商品 「ボタニスト」 の最初の1年間に匹敵するという。
勝負の土俵を変える
YOLU がユニークなのは、寝ている間というシャンプーやトリートメントを直接やっていない時にヘアケアをしてくれることです。
普通のシャンプーは使っている最中や使った直後なのに対し、YOLU は寝ている間の時間を有効に活用しています。一般化して捉えると従来のシャンプー・トリートメントとは勝負の土俵を変え、勝ち筋をずらしたということです。
学べること
では YOLU から学べることを掘り下げていきましょう。
価値イメージを変える
YOLU のヒット理由は消費者からの 「シャンプーの価値イメージを新しく書き換えたこと」 にあります。
先ほどの勝負の土俵を変えたという話で見たように、他の一般的なシャンプーやトリートメントに比べて YOLU は価値を出すポイントをシフトしました。
- 今まで: 洗っている時
- YOLU: 寝ている間 (使っていない時)
ここに YOLU のヒット理由があります。消費者からのシャンプーの価値イメージを新しく書き換えたわけです。
消費者からの 「良いシャンプーとはこういうものである」 というシャンプーへの価値イメージとして、YOLU は 「自分にとって良いシャンプーは、寝ている間に髪や頭皮をケアしてくれるもの」 という新しい価値認識をつくり出したのです。
選ばれる理由をつくる
価値イメージを提案し実際に価値を提供するとは、お客さんからの 「選ばれる理由」 を新しくつくり出すということです。
マーケティングの役割はお客さんから選ばれる回数を増やすことです。ビジネスで成長を目指すならお客さんの人数を増やし、お客さん1人ひとりから何回も選ばれる状態をつくります。
自分たちの商品・サービスは誰にどんな価値を提供しているのか。時には勝負の土俵を変え、新しい価値提案ができないかを考えるとマーケティングのヒントにつながります。
マーケティングの本質はお客さんから選ばれる理由をつくることです。
まとめ
今回はシャンプー・トリートメントの YOLU を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 価値イメージを新しく書き換える
- マーケティングの役割は、お客さんから選ばれる回数を増やすこと
- 競合商品とは勝負の土俵を変え、新しい価値提案ができないかを考えてみるといい
- 今までない価値イメージを提案し、お客さんからの 「選ばれる理由」 を新しくつくり出そう
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