出典: ピーコック
今回のテーマは顧客理解です。
おもしろいと思った魔法瓶メーカーの取り組みをご紹介し、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- ユニークな商品を出しているピーコック魔法瓶
- マーケティング部の設立で変わったこと
- エンドユーザーとの顧客接点
- 自分たちの顧客は誰かを明確にする重要性
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ピーコック魔法瓶
ピーコック魔法瓶の社長へのインタビュー記事を読みました。
以下は記事のリード文です。
1950年創業のピーコック魔法瓶工業 (大阪市) がユニークなボトル開発に注力している。
マグカップのように使える飲み口の広いボトルや、ゲームをしながら使う 「ゲーミングボトル」 を発売。9月の 「東京ガールズコレクション (TGC) 」 では公式ボトルに肩掛けできるカラフルな水筒が選ばれた。
企画を先導する4代目の山中千佳社長に背景を聞いた。
参考にしていたのはバイヤーの声だった
ピーコック魔法瓶ではそれまではマーケティング部がなかったとのことです。マーケティングの部署がなかったことによる弊害が語られていました。
―― それまでマーケティング部門がなかったのですか。
「驚くことになかった。各営業担当者がバラバラに、感覚的に販促物をつくってバイヤーに提案していた。商品企画も参考にするのは消費者の声ではなく、バイヤーの声。結果的に代わり映えしない品ぞろえになっていた」
エンドユーザーを向いた商品開発
タンブラーボトル (出典: ピーコック)
マーケティング部を新しく置いたことで、消費者やエンドユーザー (最終的な商品の利用者) に向けての商品開発ができています。
―― どんな新規製品が生まれていますか。
「21年発売の『タンブラーボトル』はコップのような見た目だが、完全に蓋を閉めて持ち運べるありそうでなかった製品。コップ形状にすれば、オフィスなどでも使いやすいと考えた。魔法瓶構造で酒器やワインクーラーをそろえた『おうち居酒屋』シリーズも人気だ。雑貨店など販路も広がっている」
「北欧風デザインの幼児向け水筒も売れている。これまで1 ~ 2歳児の水筒は男の子なら恐竜や新幹線、女の子ならキャラクター柄などにデザインが絞られていた。しかし幼児向け水筒を選ぶのは親。これまでは目線が合っていなかったと気づかされた」
学べること
ではピーコック魔法瓶の事例から学べることを掘り下げていきましょう。
顧客は誰か
学びを一般化して表現すれば 「自分たちの顧客は誰か」 を明確にする重要性です。
ピーコック魔法瓶は小売のバイヤーだけしか声を聞いていなかった状況から、自社商品の利用者である生活者にしっかりと目を向けるようにしました。
もちろんバイヤーの方や BtoB の会社であれば販売代理店は、ビジネスモデルにおいて欠かせない存在です。ただし、あくまでエンドユーザーに商品を届けるパートナー的な役割で、商品・サービスを使うお客さんではありません。
ピーコック魔法瓶にとっての 「顧客は誰か」 は、自社商品を買って使う生活者なのです。
顧客接点からの理解と活用
ピーコック魔法瓶はエンドユーザーである生活者のニーズを汲み取り、マグカップのように使える飲み口の広いタンプラーボトル、ゲームをしながら使えるゲーミングボトルを開発しました。
学びとして残しておきたい視点は、
- お客さんとの直接のタッチポイント (接点) を持てているか
- 直接の顧客接点でどれだけお客さんを理解しているか
- 顧客理解にもとづいて商品開発やマーケティングができているか
これらはマーケティングでの問いとして持っておきたいことです。
まとめ
今回はピーコック魔法瓶の取り組みをご紹介し、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 顧客接点からの顧客理解と活用
- 自分たちの顧客は誰かを明確にすることが大事
- バイヤーや販売代理店だけではなく、エンドユーザーとの顧客接点を持つ
- 直接の顧客接点でお客さんを理解し、顧客理解にもとづいて商品開発やマーケティングをしよう
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