#インタビュー #質問力 #本
会話がうまく続かない、相手から本音を引き出せない - そんな悩みを抱えていませんか?
実はコミュニケーションの鍵は流暢に話すことではなく、「聞くこと」 にあります。
そこで今回は 「質問力 - 話し上手はここがちがう (齋藤孝) 」 という本をご紹介します。
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本書はマーケティングでは顧客インタビューを通した顧客理解や、社内の関係者のことを理解するのにも役立ちます。質問を技として磨き、相手の本音と物語を引き出す方法をぜひ一緒に学んでいきましょう。
本書の概要
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本書の中心的なメッセージは、質問を 「技」 として鍛え、「具体かつ本質的な問い」 で相手の本音と物語を引き出すというものです。
多くの人は 「自分が面白い話をしなければ」 とプレッシャーを感じますが、実は質問がうまければ、自分に実力がなくても相手から情報を引き出せるのです。
本書の特徴は、理論で終わらせず、谷川俊太郎、河合隼雄、村上龍、黒柳徹子、宇多田ヒカルなど、対話の名人たちの実際のインタビューや対談を題材に、具体的な質問技術を分析している点にあります。
実際の対話の実例を通じて 「なぜこの質問が優れているのか」 を学べ、実践的なスキルとして質問力を習得できる構成になっています。
質問力を鍛える方法
ではどうすれば質問力を鍛えることができるのでしょうか?
この本が提示する具体的な方法を見ていきましょう。
「いい質問」を 4 象限で考える
質の高い質問をするための基準として、次のような視点が提示されます。
- 具体的 × 本質的: 最も目指すべき質問。抽象的すぎてイメージが浮かばない質問や、枝葉末節にこだわる質問を避け、「抽象的すぎず、細かすぎない」 というポイントを突く
- 自分の関心 × 相手の関心: 自分と相手の双方が興味を持てる領域を探り、対話の熱量を高める。一方的な尋問にならないための重要な視点
- 現在の文脈 × 過去の経験: 今の状況や文脈に、相手の過去の経験や哲学といった深い部分を絡ませ、事実確認ではない意味のある問いを生み出す
質問力を高める事前準備や勉強
質問の技の土台となる知識がなければ 「いい質問」 は生まれません。質問力を決定づけるのは 「事前準備や勉強」 であると本書は強調します。
相手に関する情報がなければ、深い質問はできません。優れたインタビュアーは、著書を読み、過去の発言を調べ、相手が大切にしている価値観や苦労したポイントを把握して対話に臨みます。
こうした準備があるからこそ、「以前に ○○ とおっしゃっていましたが、今はどうですか?」 といった、相手に 「勉強してきてくれた」 と思わせる質問ができます。これが相手の教育欲を刺激し、「丁寧に答えよう」 という気持ちを引き出します。
「沿う技」 と 「ずらす技」
対話を円滑にする技術として、「沿う技」 と 「ずらす技」 が提示されます。
沿う技は、うなずきやオウム返し、言い換えで相手に寄り添い、「わかってもらえた」 という安心感を与えます。
例えば、相手が 「企画の立ち上げで苦労しました」 と言ったら、「立ち上げの部分で特に苦労されたんですね」 とオウム返しをして共感します。
ずらす技ですが、相手に沿ったうえで、視点を意図的に少しずらすことによって、新たな気づきをもたらす方法です。
ずらす際に意識するといいのは、具体と抽象の往復運動です。
抽象化はずらす技のひとつで、具体的な話を聞けた後に 「それは一言でいうとどう表現できますか?」 と問います。逆に具体化では、抽象的な話の後に 「具体的にはどうなりますか?」 と具体レベルをずらして問いかけます。
クリエイティブな質問
本書の終盤では、対話の名人たちとのやり取りを題材に、よりハイレベルな質問の実例が分析されます。
ここで描かれるのは、話を聞く相手の 「経験世界」 に沿いながら、相手にとっては思わぬ角度から問いを投げ、相手の内側にあるストーリーや価値観を引き出す創造的な質問です。
本書の具体例で印象的なのは、当時 16 歳の歌手の宇多田ヒカルと 72 歳の作家ダニエル・キイスの対談です。相手のアイデンティティを見抜き、そこに向けて質問するというキャッチボールでした。
クリエイターとしてというお互いの共通点をもとに質問し、初対面と年齢差を超えた深い対話を生みました。
クリエイティブな質問とは、相手自身が 「そういえば、自分はそう考えていたのか」 とハッとする瞬間を生み出す問いかけです。相手が今までに考えたことがないような新しい視点から、相手の中で気づきやインスピレーションを生むのです。
メタディスカッションの視点
本書が提唱する重要な概念が、メタディスカッションの視点です。
メタディスカッションとは、自分の会話を少し上から見下ろす視点を持つことです。
対話の渦中にいながら、「今、この対話はどこに向かっているのか?」 「何が明らかになっていないのか?」 と俯瞰することで、次の 「いい質問」 が生まれます。本書は 「文脈をつかむ力」 を頭の良さのひとつとし、良い質問への意識を高く持つことで、メタの視点が自然と養われるようになると説きます。
実践へのポイント
質問力の理論を実践に移すために、本書から学べる具体的な実践方法をいくつかご紹介します。
良い質問の座標軸を意識する
質問をする前に、その問いが 「具体的かつ本質的か」 や、そして 「相手の今だけではなく、過去ともつながるか」 を考えます。
例えば、「このプロジェクトは重要な取り組みですが、目標達成には何が具体的に必要だと思いますか?」 、「それは 〇〇 さんのキャリアを振り返ったときに、どんな影響を与えましたか?」 という本質を突くような問いを立てます。
事前準備を徹底する
対話に臨む際は、可能なら相手について情報収集し、勉強してから臨みます。
- インタビュー前に相手の SNS 、記事、著書を徹底的に調べる
- 相手が大切にしている価値観、過去の転機、現在の課題を把握する
- メモに 「相手の経歴」 「私が知りたいこと」 「相手が話したそうなこと」 をリストアップする
こうした準備があると、事前知識を踏まえた問いで相手の深い思考を引き出せます。
「沿う技」 の実践
まずは深くうなずき、次に相手の重要な言葉を言い換えて、共感を示しながら深掘りします。
- うなずき、「なるほど」 「そうなんですね」 とあいづちを打つ
- オウム返しから 「○○ なんですね」 と相手と同じ言葉を繰り返す
- 言い換えをして、「それは △△ という意味ですか」 と自分が理解したことを示す
- 「それは大変でしたね。その時どう乗り越えたんですか?」 と共感と深掘りをする
プロセスや変化を聞く
結果だけではなく、「なぜ?」 や 「どうやって?」 といった、経緯や変化を問う質問をすることで、相手から得られる情報の質が格段に上がります。
- 「成功した」 という結果ではなく、「どうやって成功に至ったのか」 を聞く
- 「今はこうだ」 という現状にとどまらず、「何が変化のきっかけだったのか」 を訊く
- 相手の意思決定に 「その決断をするまでに、どんな心境の変化がありましたか?」 と尋ねる
相手の苦労ポイントを見つける
表に出にくい苦労した部分や、乗り越えた壁を認め、共感することで、相手は心を開いてくれます。
- 成功の裏にある失敗や苦労に焦点を当てる
- 「華やかな成果」 ばかりではなく、他人からは 「見えない努力」 に光を当てる質問をする
- 「結果は素晴らしいですが、その裏側で最も孤独を感じたのはどの瞬間でしたか?」 といった質問が、相手の本音を引き出す
具体と抽象の往復運動
具体的なエピソードから抽象的な学びへ、またその逆へと質問を展開し、話を立体的にします。
- 相手が抽象的な話をしたら 「具体的には?」 と具体化を促す
- 相手が具体的な事例を話したら 「それらに共通する本質は?」 と抽象化を促す
- 具体 → 抽象 → 具体の往復を 3 回以上繰り返すことで対話が深まる
対等な関係性を保つ
一方的に質問するのではなく、相手が出したらこちらも出すというギブアンドテイクを意識し、対等な関係性を保ちます。
- 相手が自己開示したら、自分も同程度の自己開示をする
- 「実は私も似た経験がありまして…」 と自分の経験を共有する
- ただし、主役は相手であることを忘れず、自分の話は簡潔にとどめるといい
質の高い対話例を分析する
優れたインタビューや対談を観察し、なぜ優れているか見抜く目を養うことで、自分の質問力も向上します。
- YouTube のインタビュー番組、ポッドキャスト、雑誌の対談記事を意識的に観察する
- 「この質問はなぜ相手から本音を引き出せたのか?」 を分析する
- 自分がやった会話や会議の後に 「今日の質問で良かったものは?」 と振り返る
本書が教えてくれるのは、質問は才能ではなく技術であり、誰でも鍛えられるスキルだということです。
質問力は、ビジネスの成功だけでなく、人間関係を豊かにする一生の財産となります。
まとめ
書籍 「質問力 - 話し上手はここがちがう (齋藤孝) 」 を取り上げ、学べることを見てきました。
学びのポイントをまとめておきます。
- コミュニケーションの本質は 「話すこと」 ではなく 「聞く (質問する) こと」 にある
- 質問力は生まれ持った才能ではなく、誰でもトレーニングで身につけられる 「技」 である
- いい質問は 「具体的 × 本質的」 「自分の関心 × 相手の関心」 「過去 × 現在」 の座標軸で考える
- 質問力を決定づけるのは事前準備や勉強であり、相手への情報収集が質の高い問いを生む
- うなずきやオウム返しなどの 「沿う技」 で相手に安心感を与え、具体と抽象を往復させる 「ずらす技」 で対話が深まる
- 結果ではなくプロセスを、表面ではなく苦労を聞くことで、相手の本音と物語が引き出せる
- クリエイティブな質問は、相手が今までに考えたことがないような新しい視点から、相手の中で気づきやインスピレーションを生む
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