投稿日 2019/08/11

間抜けアリと Google から学ぶ、自分のキャリアのつくり方




今回は、ビジネスでの組織とキャリアについてです。

  • 「間抜けアリ」 の思わぬ活躍とは?
  • アリの話からビジネスへのヒントは?
  • Google の 20% ルールから学べること

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、ビジネスで成果を出す組織のあり方、個人のキャリアの伸ばし方です。

アリや Google の文化から学べることを解説します。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事やキャリアへの参考にしてみてください。


間抜けアリの活躍


働かないアリに意義がある という本には、興味深いアリの世界のことが書かれています。





働きアリは、巣の外でエサを見つけるとフェロモンを出しながら巣に戻るそうです。他のアリは、フェロモンを辿ってエサに行くことができます。

皆がフェロモンの道を正確に辿れば、エサを巣に持ち帰るという活動を効率よく行うことができます。

この本に書かれていたことで興味深いと思ったのは、全てのアリがフェロモンを正確に追尾する集団よりも、一定数でフェロモンを正しく辿れない 「うっかりものアリ」 がいるほうが、エサを持ち帰る効率が高くなることでした。

最初のアリがフェロモンを出しながら通った道は、エサから巣までの最適ルートとは限りません。後から続くアリは、単にフェロモンを頼りにその道を使います。

一方で 「間抜けアリ」 は、時としてもっと良い道を発見することがあるわけです。間抜けアリの思わぬ活躍です。

エサまでの道を間違えたり、時には寄り道をするアリがいるほうが、全員が同じ道を使うよりも、中長期では組織の効率がよくなるのです。


ビジネスへの示唆


アリの話は、企業の組織などビジネスに示唆があります。

一言で言えば、組織内の 「効率」 と 「遊び」 のバランスです。

全員が業務プロセスの効率をひたすら追求するような組織よりも、何人かは時には間違えたり、部署異動や入社して間もなく業務能力が高くない人が一定数いるほうが、中長期的には組織のパフォーマンスが良くなるのではないか、という示唆です。

真面目なアリだけではなく、一定数の間抜けアリがいる組織とは、既存事業だけに注力するのではなく、何か新しいことを常に試す人や、そういう仕組みがある組織です。

間抜けアリがエサを運搬する道のもっと良いルートを見つけたように、既存事業や業務プロセスを別のやり方でもっと良くできる方法を常に模索している組織のほうが、短期的には非効率でも、中長期では効率が良くなるのではないでしょうか。


Google の文化からの示唆


グーグルの 「20% ルール」 をご存知でしょうか?

20% ルールとはグーグルが大切にする文化です。業務時間のうち 20% までは、所属するチームでの本業以外に自由に使ってよいというものです。

20% なので、1週間の5営業日のうち、1日分は全く異なるプロジェクトに参加するイメージです。

グーグルの 20% ルールでやっていたことが有望なビジネスにつながるものになれば、チームができ本業になっていくケースもあります。

20% ルールは、既存と新規のバランスの最適化と捉えることができます。

自分の全ての時間を本業だけに使うのではなく、一定のリソースを新しい取り組みに振り分けるのです。

なお余談ですが、自分がグーグルにいた経験から言えるのは、20% をやっている人の多くは 100 のうち、20 と本業が残り 80 ではありませんでした。本業は 100 のままで 20 が上乗せになり、120 になっているというのが、半分冗談で皆は言っていました。

自分自身のことも振り返ると、確かに 120 でした。ただし、本当におもしろいことに 20% でできていると、やらされ感はなく、ただ夢中に仕事ができていました。

20% では普段と違うプロジェクトに取り組めたことは、とても良い経験になりました。本業では接点のなかった優秀な人と一緒に仕事ができたことは自分の財産になっています。


個人のキャリアへの示唆


アリの話、グーグルの 20% ルールから、個人の仕事の仕方やキャリアにも学びがあります。

これまでやってきた既存のことだけに自分のリソースを使うのではなく、常に新しい何かを試し続けることの大切さです。

もちろん、新しい挑戦の全てがうまくいくとは限りません。単純な数の成功率であれば、成功しないケースのほうが多いでしょう。

間抜けなアリが偶然により良いエサを運ぶルートを発見することがあるように、常に新しいことに種まきをしていれば、中には芽を出し、思ってもいなかった花を咲かせるかもしれません。

人生は自分の思い通りにいくとは限りません。仕事もキャリアも同じです。

どんな花が咲くかがわからないからこそ、おもしろいとも言えます。そのためにも、普段から種まきを少しでもしておくことが大切なのです。


まとめ


今回は、アリやグーグルの文化から、仕事やキャリアについての内容でした。

最後に今回の記事のまとめです。



働きアリは、巣の外でエサを見つけるとフェロモンを出しながら巣に戻る。他のアリは、フェロモンを辿ってエサを巣に持ち帰る。
「間抜けアリ」 は時として、もっと良い道を発見することがある。間抜けアリの思わぬ活躍。


アリの話からビジネスへの示唆は、組織でのの 「効率」 と 「遊び」 のバランス。
既存事業や業務プロセスの効率化だけではなく、別のやり方でもっと良くできる方法を常に模索している組織のほうが、短期的には非効率でも中長期では効率が良くなる。


Google には 20% ルールとは、業務時間の 20% までは、所属するチームでの本業以外に自由に使ってよいという文化。
20% ルールは、既存と新規のバランスの最適化。本業だけをやるのではなく、一定のリソースを新しい取り組みに振り分ける。


アリの話、グーグルの 20% ルールから、個人の仕事の仕方やキャリアにも学びがある。
既存のことだけに自分のリソースを使うのではなく、常に新しい何かを試し続けることの大切さ。常に新しいことに種まきをしていれば、中には芽を出し、思ってもいなかった花が咲く。




働かないアリに意義がある (長谷川英祐)

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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。マーケティングおよびマーケティングリサーチのプロフェッショナル。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

前職の Google ではシニアマネージャーとしてユーザーインサイトや広告効果測定、リサーチ開発に注力し、複数のグローバルのプロジェクトに参画。Google 以前はマーケティングリサーチ会社にて、クライアントのマーケティング支援に取り組むとともに、新規事業の立ち上げや消費者パネルの刷新をリードした。独立後も培った経験と洞察力で、クライアントにソリューションを提供している。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。