投稿日 2021/09/11

冷却する服から妄想する、未来の体の冷やし方。中央集権型から分散型へ?


今回は、2つの商品を取り上げ、少し先の未来を考えます。

✓ この記事でわかること
  • ウェアラブル冷却デバイス
  • 女性向けの冷却ファン付きベスト (スマートファンベスト) 
  • 2つの商品の共通点 (冷やすアプローチ) 
  • 冷却方法は中央集権型から分散型へ?

今回はいつもの記事に比べるとゆるめの内容です。

興味深いと思った2つの商品から共通点を掘り下げ、未来への妄想を書いています。肩の力を抜いて気軽な気持ちで読んでいただけるとうれしいです。

ウェアラブル冷却デバイス


ご紹介したい商品が2つあり、1つ目はウェアラブル冷却デバイスです。ソニーの 「レオンポケット」 です (公式サイトはこちら) 。

出典: ソニー

充電式の冷却用小型デバイスをシャツに取り付けたり、首からかけられます。アパレルメーカーとのコラボもやっているのも特徴です。

イメージは、持ち歩ける小型のハンディ扇風機をもっと高性能にした感じです。


冷却ファン付きベスト


みなさんは、工事現場の作業員の人たちが最近では夏の時期はほぼ必ず着ている 「送風するファンが付いたベストジャケット」 は見たことがあるでしょうか?

工事現場ではかなり普及している感がありますが、2つ目にご紹介したいのは普通の女性向けの冷却ファン付きベストです。チクマという会社が作っている女性用ファン付きウェア 「チクマノスマファ」 です (公式サイトはこちら) 。

出典: チクマ

商品名の最後にある 「スマファ」 とはスマートファンベストのことです。商品名は 「チクマのスマファ」 からきています。

ファン付きベストは工事現場の作業員の方が着ているイメージが強いので、それとは正反対のような女性向けで普段着用というのは興味深いです。

女性は男性よりも熱中症リスクが高いと言われているようで、女性向けの冷却ファン付きベストへの需要があるかは気になるところです。


2つの商品の共通点


ここまで2つの商品をご紹介してきました。「ウェアラブル冷却デバイス」 と 「冷却ファン付きベスト (女性の普段着用) 」 です。

この2つで思った共通点は暑さ対策のアプローチです。

家の中やオフィスなどの屋内での体への暑さの負担を和らげるためには、人がいる空間全体を冷却するよりも、個人の体の周辺を冷却ファンによって冷やす方が冷却効率が良いのではないか、ということです。

もちろんこれは肌感覚でしかなく、データに基づく論理的・科学的なものではありません。ただこれは時々体験することへの問題意識なのですが、夏の建物のフロアや屋内は過度に冷えて、半袖では寒すぎる時があります。一方の外は35度以上の暑さで、屋内外の温度差が大きすぎます。これって環境負荷が高い持続性のあるエネルギーの使い方とは思えません。


中央集権型から分散型へ?


もしかすると未来の世界では、服にはファンなどの冷却装置が標準で付いていて、空間全体ではなくその人の肌が接する空気のみを適度に冷やすことが普通になっているかもしれません。

もちろん一番良いのは地球全体の温暖化が和らぐことです。しかし今は対処療法的に、暑い日に屋内で過ごしやすくするために、空間全体を一括で空調を制御して冷やすという 「中央集権的なアプローチ」 を取っています。そうではなくこれからは、個々人が周囲のみを冷やすという 「冷却の分散化」 にシフトするのかもしれません。

今回ご紹介したウェアラブル冷却デバイスと冷却ファン付きベストは、この兆しと見ることもできます。みなさんはどう思いますか?

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。