投稿日 2021/09/19

Asics のスポーツテック TUNEGRID に学ぶ、DX を実現する3つのポイント


今回は、DX (デジタルトランスフォーメーション) です。

この記事でわかること


  • Asics のスポーツテック 「TUNEGRID (チューングリッド) 」
  • DX の本質と、実現する3つのポイント
  • DX 視点で掘り下げるチューングリッドの魅力

この記事を読んでいただきたいと思うのは、DX に興味がある方です。

DX という言葉は見たり聞いたりしてイメージは持っているものの、「DX とは何のことなのか」 だったり 「DX をやることにどんな効果があるのか」 が実はよくわかっていないかもと思っている方です。

スポーツテックの事例から DX の本質とポイントを解説していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。


Asics のスポーツテック


ご紹介したいのはアシックスの 「TUNEGRID (チューングリッド) 」 です (公式サイトはこちら) 。

カメラやセンサーを使いスポーツ時の選手の動きをデータ化し、集計や分析、他のツールと統合ができるサービスです。公式サイトでは 「スポーツデータ統合システム」 と表現されています。

引用: Asics


例えばの使い方は、シューズにセンサーを取り付けたり、専用カメラで選手の映像を撮ることによって、トレーニングや運動量、チームプレー連携をデータで可視化し、適切な練習計画を立てたり試合分析ができます。

引用: Asics

* * *

ではここからは、チューングリッドを DX の視点で掘り下げていきましょう。


DX の本質


そもそも DX (デジタルトランスフォーメーション) とは何でしょうか?

DX という言葉は毎日と言ってもいいくらい見聞きします。ビジネスの場では多くの人が聞く DX ですが、定義や意味合いは人によって異なり、ともすると共通理解が十分ではないのが DX というバズワードではないでしょうか。

DX とは何かですが、これは私の一言の定義で、DX とは 「経営や事業のコア領域をデジタル化し、ビジネスモデルを進化させること」 です。

逆に言えば、単なる IT 技術やツールを導入をしただけでは DX とは言えません。DX 実現のための一歩にすぎず、経営や事業のコアとなる領域を見極め、問題解決や課題推進のためにデジタル化してビジネスモデルをより良くさせることが DX なのです。

DX を実現するポイントも結論を言うと、次の3つです。


DX 実現のポイント
  1. アナログ情報のデジタル化
  2. プロセスの省力・効率化
  3. 価値の創出



TUNEGRID を DX 視点で紐解くと


ではここでアシックスのチューングリッドに話を戻します。

チューングリッドの対象はスポーツなので厳密にはビジネスではありませんが、より広く捉えて先ほど見た DX の3つのポイントをチューングリッドに当てはめてみましょう。


アナログ情報のデジタル化


運動をする人やスポーツ選手の動きは目で見たり感じることができ、これらの多くは一般的には感覚的な理解です。肌感覚でつかんでいる暗黙知や体験知で、今回の文脈で言えばアナログ情報です。

センサーやカメラを使いデータとして収集することによって、体の使い方、運動量や移動経路、試合や練習中のチーム内での個々人の連携等がデータ化されます。これがチューングリッドの 「アナログ情報のデジタル化」 です。


プロセスの省力・効率化


これまでもビデオカメラで撮影し、自分のフォームを確認したり、試合の振り返り、対戦相手の分析、あるいはプロ選手の動きから学ぶことはできていました。

チューングリッドの特徴は、データ収集した先の統合や分析での使いやすさにあります。「スポーツデータ統合システム」 と言っているように、データを CSV 出力ができ、専用アプリを使えば共同作業から記録者や分析者の負担を減らせます。

今までよりもプロセスを省力化し、効率化してくれます。


価値の創出


ここまで見てきた1つ目の 「アナログ情報のデジタル化」 と、2つ目の 「プロセスの省力・効率化」 は、いわば目的のための手段です。結局のところは DX は価値につなげてこそです。

チューングリットの価値は、これまではブラックボックスだったり感覚で把握していたスポーツのことをデータで可視化し共有でき、そこから気づきと学び、アイデアやヒントが得られることです。

それによりもっとスポーツが上手くなったり、強くなれます。あるいはスポーツが楽しいものにできます。他にはケガを未然に防ぐことにもつながります。

データをセンサーやスマートウォッチで詳細に収集できても、そこからの意味合いや示唆を見出せなければデータは宝の持ち腐れです。価値創出までいけてこその DX です。

この視点からチューングリッドを捉えると、DX の3つのポイントを満たしていて魅力のあるスポーツテックです。


まとめ


今回はアシックスのスポーツテック 「チューングリッド」 を取り上げ、DX の観点で掘り下げました。

最後にまとめです。


DX の本質
  • DX とは経営や事業のコア領域をデジタル化し、ビジネスモデルを進化させること
  • 単なる IT 技術やツールを導入をしただけでは DX とは言えない (DX の第一歩にすぎない)
  • 経営や事業のコアとなる領域を見極め、課題に沿ったデジタル化をしてビジネスモデルをより良くさせる


DX を実現するポイント
  • アナログ情報のデジタル化: これまではブラックボックスだったり感覚で把握していた情報をデジタル化する
  • プロセスの省力・効率化: 作業負担が大きいことや時間がかかっていたプロセスを改善する
  • 価値の創出: ユーザーや顧客への体験価値の向上、データからの可視化によりこれまでは得られなかった示唆を得る。最終的には人や組織をデジタルで変え、ビジネスでは売上増や事業成長に貢献する



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。