投稿日 2021/09/04

新規客の不安を解消する方法は 「ユーザー体験の事前提供」 。2つのビジネス事例から解説


今回は、マーケティングや販売についてです。

この記事でわかること


  • 新規客にとっての購入の心理的ハードル
  • 解決方法は実際の生活やビジネスのシーンでの 「ユーザー体験」 の提供
  • ユーザー体験提供の2つの事例
  • マーケティングや販売に学べること

この記事を読んでいただきたいと思うのは、マーケティングや販売の仕事をされている方です。特に新規のお客さんをどうやって獲得するかに日々、知恵を絞っている方を想定しています。

ご紹介したいのは 「ユーザー体験の能動的な提供」 という方法で、具体的なビジネスの事例から解説をしています。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。


購入の心理的ハードルと解消方法


人は何かを初めて買う時に心理的なハードルがあります。それは 「本当にこれは役に立つのか」 「買う意味があるのか」 「買っても損をする (失敗する) のでは」 と不安になることです。

売り手がこれを解消する方法は、「商品やサービスは具体的にどう使えるのか」 「使うと自分にとってどんな価値があるか」 を、その人の生活やビジネスでの実際のシチュエーションの中で使ってもらうことです。つまり買ってもらう前に、ユーザー体験を提供するのです。

では、自ら積極的にユーザー体験の提供をしている事例を2つご紹介します。


ユーザー体験の提供事例


ご紹介したいビジネスの事例は次の2つです。


ユーザー体験の提供事例
  • モデルルーム宿泊でリフォームした生活を体験
  • 東急ハンズの商品をホテル宿泊先で体験


では順番に見ていきましょう。


モデルルーム宿泊でリフォームした生活を体験


1つ目の事例は、モデルルームに宿泊してリフォームした家での生活を体験できるサービスです (ニュースリリース) 。

モデルルームに宿泊してもらうことによって、普段に近い利用シーンを再現でき、リフォーム後のイメージを持ってもらえます。





以下は、このサービスを取り上げた日経新聞の記事からの引用です。

より住み心地を良くするため設備は妥協したくないと考える消費者向けに、クリエすずき建設 (千葉県柏市) は宿泊できるモデルルーム 「クリエルーム」 を開業した。

JR 柏駅から徒歩圏の築50年のマンションの一室を改修し、モデルルームにした。リフォームを検討する客が風呂場やキッチンなど実際に体験できる。希望すれば宿泊も可能だ。

リフォームを検討する客は、キッチンや風呂などのメーカーのショールームを見学するのが一般的だが、モデルルームにすることで実際の暮らしを想像しやすくした。

 (引用: 日経 2021.8.10)

マンションの一室を自らコストをかけて改修し、宿泊もできるモデルルームを作ったわけです。

来客はリフォームされたキッチンやお風呂場などを見るだけではなく、宿泊をして実際に使うまでを体験することが可能です。通常の数十分程度のモデルルームの見学に比べて、宿泊をするので普段の生活シーンに近い状況でリフォーム後の生活を経験できるわけです。


東急ハンズの商品をホテル宿泊先で体験


2つ目の事例は、東急ハンズの商品をホテル宿泊の追加料金なしで試せるサービスです (ニュースリリース) 。

引用: 日経

紹介している日経新聞からの引用です。

東急不動産系の東急リゾーツ & ステイ (東京・渋谷) は東京都新宿区で都市型ホテルを30日に開く。東急ハンズで販売する商品を追加料金なしで試せる部屋や、企業研修に使える貸会議室など特徴のある設備を設けた。観光利用から個人・法人を含むビジネス利用まで幅広な需要を狙う。

名称は 「東急ステイ新宿イーストサイド」 。地下鉄東新宿駅から徒歩3分の場所にある地上12階建ての建物で、延べ床面積は約8300平方メートル。208室の客室があり、部屋の等級や時期にもよるが料金は1泊1万 ~ 15万円ほどで設定する。

3つの部屋では東急ハンズで扱う商品を宿泊料金のみで試せる。食品や照明器具などをそろえており、商品を試した宿泊客を店舗や電子商取引 (EC) サイトに誘導する狙い。

 (引用: 日経 2021.8.18)

東急ハンズで売られている照明器具やベッド、食品などを実際に試せ、東急ハンズの暮らしをホテルに宿泊して体験できます。そして購入もできる仕組みがつくられています。


学べること


では、ご紹介した2つの事例からマーケティングや販売に何が学べるかを最後に見ていきましょう。

一言で表現すれば、学びは 「ユーザー体験をこちらから積極的に提供し、購入への心理的ハードルを下げよう」 です。

化粧品や健康食品では、試供品 (サンプル品) を無料で配るやり方が一般的にされています。しかし扱っている商品やサービスによっては、試供品にしにくいものもあります。例えばリフォームした家はまさにです。だからこそ、ユーザー体験を買う前に提供することは他社と比べて差別化につながります。

今回の2つの事例からマーケティングや販売に学べることは、次の2つです。


新規客の購入への心理的ハードルを下げる方法
  • お金を払ってでも見込み客に体験を提供する (例: マンションを改修しコストをかけてリフォーム生活の体験の場を作った)
  • 自分たちだけでは難しければ、一緒にやるパートナーと実現する (例: 東急ハンズはホテルと組んで体験の機会を提供)



まとめ


今回はマーケティングや販売についてで、ユーザー体験の提供から新規客の購入への心理的ハードルを下げる方法を見てきました。

最後にまとめです。


新規客の購入への心理的ハードルを下げる方法
  • お金を払ってでも見込み客に体験を提供する。例: マンションを改修するコストをかけて宿泊からリフォーム生活の体験の場を作る
  • 自分たちだけでは難しければ、一緒にやるパートナーと実現する。例: 東急ハンズはホテルと組んで体験の機会を提供



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。