投稿日 2021/12/06

コカ・コーラの 「Friendly Twist」 キャンペーンがおもしろい。マーケティング視点で解説

出典: StudyCorgi

今回はマーケティングで、あるキャンペーンから学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • コカ・コーラの 「Friendly Twist」 キャンペーンがおもしろい
  • Friendly Twist の狙い
  • 大学新入生のペインポイントと解決方法
  • マーケティングに学べること

この記事を読んでいただきたいのは、マーケティングの仕事をされている方です。

新しい企画をつくったり、アイデアを考えている方のヒントになればと思います。

おもしろいと思ったコカ・コーラのキャンペーンのご紹介し、マーケティングに学べることを解説しています。

ぜひ最後まで読んでみてください。

Friendly Twist キャンペーン


今回ご紹介したいのはコカ・コーラのキャンペーンです。キャンペーン名は 「Friendly Twist (フレンドリー ツイスト) 」 です。


アメリカのある大学の新入生向けに実施されたマーケティングです (2014年) 。

大学構内に無料で飲めるコカ・コーラの自販機が設置されました。新入生はコーラを飲もうとしますが、ボトルにはある仕掛けがされていました。

特殊なフタで、普通に手でひねっても開かないようになっています。ではどうするかと言うと、別のもう1本のボトルのフタの上部分をくっつけ、2つ重ね合わせてひねるとフタが開くようになっています。自分が飲むためには、他の誰かと協力しなければいけないわけです。

新入生同士で協力してフタを開ける (出典: Adweek)

出典: StudyCorgi

新入生の生徒たちはお互いにコーラのフタをくっつけ合いました。新しい大学での友達になるきっかけになったのです。これがキャンペーン名の 「Friendly Twist」 の意味です。

単にコーラを提供するのではなく、新生活での期待と不安がある中で、一生の思い出に残るような一日をコカコーラは演出しました。



Friendly Twist の狙い


ではコカ・コーラの Friendly Twist を、マーケティングの視点で紐解いていきましょう。

Friendly Twist の狙いを一般化して言語化すると、Friendly Twist は 「ターゲット顧客のペインポイントの解消」 です。

ペインポイントとは日本語に直訳すると 「痛みの点」 ですが、マーケティングでのペインポイントの意味合いは 「お客さんが抱えている問題や不都合なこと」 です。

Friendly Twist の場合は、ターゲットである大学新入生のペインポイントは入学した初日での不安な気持ちです。まだ生徒同士で馴染めていなく、新しい生活への期待と同時に不安や緊張しています。特に人見知りの生徒にとっては自分から積極的に話しかけづらいです。

こうした生徒のペインポイントの解消が Friendly Twist の狙いと見ました。


ペインポイントの解消


どんなビジネスにも共通することで、ビジネスとは突き詰めると、お客さんの問題を自分たちならではの方法で解決し、価値を提供することです。

提供価値に対してお金をいただき、得られた利益をステークホルダーに還元したり未来への投資にまわします。

コカ・コーラの Friendly Twist では、新入生のペインポイント (大学初日の緊張や不安) に対して、コカ・コーラというリフレッシュできる飲料、特殊加工をしたフタ、無料自販機の設置から、生徒たちがお互いに話しかけ、友だちになるきっかけを提供しました。これがコカコーラからの提供価値でペインポイントの解決策です。

キャンペーンの映像を見ているだけでも、ほほえましい気持ちになれます。


学べること


では最後に、コカ・コーラの Friendly Twist から学べることを整理してみましょう。

一言で言うと、学びは 「ターゲット顧客のペインポイントを理解し、自分たちならではの解決方法 (ソリューション) をつくろう」 です。

ここで言う解決方法は自社商品やサービス、あるいは Friendly Twist のような商品を使った企画です。

Friendly Twist が良いと思うのは、普通にコカコーラを無料で大学生に配らなかったことです。新入生の大学初日での期待と不安という気持ちの理解から、キャンペーンが生まれています。

ターゲット顧客を深く理解し解決したい問題を設定して、Friendly Twist キャンペーンという解決方法をコカコーラは提示しました。

この順番が大事で、

✓ 解決方法をつくる順番
  • ターゲット顧客設定
  • ターゲットの理解
  • 問題設定 (ペインポイントの明確化)
  • 解決方法と価値の提供

順番でのポイントは、先にペインポイントの明確化という問題設定を磨き込んでいることです。この後に解決方法をつくります。


まとめ


今回はコカ・コーラの Friendly Twist をご紹介し、マーケティングに学べることを解説しました。

最後にまとめです。

Friendly Twist キャンペーン
  • アメリカのある大学の新入生向けに実施されたコカ・コーラのマーケティング
  • 大学構内に無料コカコーラ自販機を設置。しかし特殊なフタにより1人では開けられない
  • フタは2つをくっつけて開くようになっていて、新入生たちはお互いにペアになり開け、みんなで一緒にコーラを飲んだ

Friendly Twist の狙い
  • ターゲット顧客のペインポイントの解消。ペインポイントとはお客さんが抱えている問題や不都合なこと
  • Friendly Twist に当てはめると、ターゲットである大学新入生が抱える入学初日での緊張や不安な気持ち
  • ユニークな仕掛けで新入生同士が話しかけるきっかけをつくり、新しい友だちをつくる機会を提供した

マーケティングに学べること
  • ターゲット顧客のペインポイントを理解し、自分たちならではの解決策 (ソリューション) をつくろう
  • 次の3つのステップで解決策を考えるといい
  • ① ターゲット顧客設定と理解, ② 問題設定 (ペインポイントの明確化) , ③ 解決方法と価値の提供


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。