投稿日 2021/12/19

目的と目標の違いとは?目的設定の方法をマーケティングの具体例で解説


今回は、目標設定の方法についてです。

✓ この記事でわかること
  • 「目的」 と 「目標」 の違い
  • 目標設定の具体例
  • 目標設定のポイント (SMART, 目標からアクションへの具現化)

目標設定の方法をビジネスでの具体例に当てはめて解説しています。具体例はマーケティング、営業、プロダクト開発の目標設定です。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

目的と目標の違い


いきなりの質問ですが、もし 「目的と目標の違いは何か」 と聞かれれば、どのようにお答えになるでしょうか?

2つは似ているようで違いますよね。それぞれの私の一言の定義は、

✓ 目的と目標の違い
  • 目的: 成し遂げたいこと
  • 目標: 目的達成のために必要で重要な成果

目的と目標の関係は、目標をクリアすることによって最終的な行き先である目的を達成できます。イメージを図にすると、

出典: Surpass

では、目的と目標をビジネスでの具体例に当てはめてみましょう。


目標設定の具体例


具体例として3つで、マーケティング、営業、プロダクト開発での目標設定です。

[例 1] マーケティング
目的:
  • ブランド A を事業の柱にする
目標:
  • ターゲット顧客における認知率を 70% 以上
  • 店頭配荷率が 50% 以上 (注: 100店あれば50店以上で置かれている)
  • 認知者において次回購入意向率が 60% 以上 (注: 次に買いたいと思っている人が 60% 以上)

[例 2] 営業
目的:
  • 顧客満足度と売上の両方を高める
目標:
  • 新規顧客への商談数が1ヶ月で1人5件以上
  • 既存顧客の6ヶ月以内でのリピート案件獲得率が 80% 以上
  • リピート案件の案件単価が120万円以上

[例 3] プロダクト開発
目的:
  • ユーザーに愛されるプロダクトを提供する (PMF が実現されている)
目標:
  • 事前のユーザー登録者の 80% 以上がプロダクトを使い始める
  • 1日1回以上使うユーザーが全ユーザーの 50% 以上
  • NPS が 60 以上 (注: NPS は他者への推奨スコア。高いほどプロダクトがユーザーに受け入れられている)


目標設定のポイント



ではここからは、どうやって目標設定をするかの方法を見ていきましょう。

目的から目標に落とし込む時に、ご紹介したいポイントは2つあります。

✓ 目標設定のポイント
  • SMART
  • 目標からアクションへの具現化

順番に見ていきましょう。

SMART での目標設定


目標設定をする時に SMART の5つをチェックポイントに使うといいです。

SMART とは次の5つの頭文字からです。

✓ 目標設定の SMART
  • Specific: 具体的に
  • Measurable: 測定可能な
  • Achievable: 達成可能
  • Relevant: 目的や上位目標と関連している
  • Time-bound: 時間的制約がある

では SMART を先ほどのマーケティングに当てはめてみしょう。マーケティングの目標例は以下でした。

✓ マーケティングの目標例
  • ターゲット顧客における認知率を 70% 以上
  • 店頭配荷率が 50% 以上
  • 認知者において次回購入意向率が 60% 以上

ここに SMART の要素を入れると、

✓ マーケティング目標の設定 (SMART)
  • 目標を数字にする, 指標を定義する [具体的]
  • データ (自社データ or 第三者データ) を使って測定する [測定可能]
  • 目標の数字について関連部署と合意できている [達成可能]
  • ブランド A は会社全体でも注力する意向に沿っている [関連性]
  • 目標に期限を決める [時間的制約]

目標設定をする時にぜひ SMART を意識してみてください。

目標からアクションへの具現化


目標設定の2つ目のポイントです。目標とは 「目的達成に必要で重要な成果」 でした。

目標とはあくまで結果としての成果です。そこで目標 (成果) につなげるためのアクション (具体的な行動計画) まで落とすといいです。どうやって結果を出すのかの道筋です。

もう一度マーケティングの例でご説明しますね。

✓ マーケティングの目標例
  • ターゲット顧客における認知率を 70% 以上
  • 店頭配荷率が 50% 以上
  • 認知者において次回購入意向率が 60% 以上

目標からアクションの設定を次のようにします。

✓ 目標をクリアするためのアクション (マーケティングの例)
  • 認知率を上げるためのコミュニケーション施策は動画広告を中心に展開する (テレビから動画広告へのメディア予算シフト)
  • 配荷率を高めるために小売営業部と連携し、小売とも協業した店頭販促施策を実施
  • 購入意向を高めるためにまずは離脱者の離反原因を知ることから。併せてリピート顧客の満足ポイントを調査する

目標設定のポイントは 「目的 - 目標 - アクション」 と連動させ、一貫性を持たせることです。

目標設定をする時に、同時に具体的なアクションプランをセットでつくるといいです。


まとめ


今回は目標設定についてでした。

最後にまとめです。

目的と目標の違い
  • 目的: 成し遂げたいこと
  • 目標: 目的達成のために必要で重要な成果
  • 目的と目標の関係: 目標クリアすることによって最終的な行き先である目的を達成できる

目標設定のポイント 1: SMART
  • Specific: 具体的に
  • Measurable: 測定可能な
  • Achievable: 達成可能
  • Relevant: 目的や上位目標と関連している
  • Time-bound: 時間的制約がある

目標設定のポイント 2: 目標からアクションへの具現化
  • 目標とはあくまで結果としての成果。成果につなげるためのアクション (具体的な行動計画) まで落とす
  • 「目的 - 目標 - アクション」 と連動させ、一貫性を持たせる
  • 目標設定をする時に、同時に具体的なアクションプランをセットでつくろう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。