今回のテーマは、スポーツから学ぶ 「新しい挑戦で大切なこと」 です。
✓ この記事でわかること
- メジャーリーガー筒香選手の挫折と復活
- バッティングフォーム改善の失敗をどう捉えるか?
- 「変えること」 と 「変えないこと」 の見極め
- 新しいチャレンジへの大切な姿勢
- 苦しい時こそ 「だからどうするか」 と思えるか
メジャーリーガーの筒香選手の2021年シーズンをご紹介し、スポーツからビジネスパーソンが学べることについて掘り下げています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
筒香選手の挫折と復活
こちらの記事を読みました。
「打てる訳ないよな、と自分でも… 」 筒香嘉智に聞く "150km 以上の速球を打てない" をどう乗り越えたのか?《パイレーツで劇的復活》| Number Web
ピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智 (つつごう よしとも) 選手を取り上げた記事です。
筒香選手の2021年シーズンは、パイレーツでの復活劇がシーズン後半でありましたが、前半は不調になるなど、紆余曲折の1年でした。
不調の要因
記事では不調の要因が次のように書かれていました。
実はレイズでの筒香は、いつの間にか自分を見失い、混沌とした世界に迷い込んでしまっていた。
(中略)
基本的に筒香の打撃は投手の投げたボールのラインに自分のスイング軌道を合わせて、そのラインに乗せていく打ち方だ。当然、バットはどちらかといえばアッパー気味の軌道を描くことになる。ところがレイズではコーチから 「もっと最短で強く振れ!」 「ゴロを打て!」 と言われて、ダウンスイングでボールを捕らえることを求められた。
球場に入ればいつもコーチが待ち構えていて、そこで、それまでの自分のスイングとは180度違う打ち方を指導される。そうして毎日、毎日、コーチたちの指導に耳を傾け、そのスイングを続けることで、結果的には自分の打ち方を見失ってしまったのである。
「自分が変わるためには、それもプラスになるかもしれないと思ったというのはあります。全ては自分の責任ではあるんですけど、振り返ってみれば、それが悪かったのかもしれない……。もちろん自分に戻す作業というのも当然、するんですけど、いつからかまるで打席に立っているのは自分ではないみたいな感じになってしまっていました」
良かれと思ってやったバッティングフォームの変更が、自分自身を見失うほどの不調につながってしまったのです。
復調のきっかけ
ターニングポイントになったのは他のチーム移籍でした。
同じ記事からの引用です。
迷い込んだラビリンスから脱出する糸口は、やはりドジャースへの移籍だった。
(中略)
移籍初日。デーゲーム終了後に筒香が球場に着くと、デーブ・ロバーツ監督とコーチが待ち構えていて、ケージの横にはビデオが2つ用意されていた。
「これがレイズでのバッティング、こっちがベイスターズのときのもの、と2つの映像がパンって出ていて、その映像を比較してここが違う、あそこが違う、と。それで『キミは日本で良くてこっちにきたんだから。そこを直していこう』というのが始まりました」
試合前はもちろん試合後も、そして時には試合中にも 「試合はいいから」 とコーチが付きっきりで筒香の "自分探し" は続いた。結果的にはドジャースでその成果を示すことはできずにマイナー落ちとなったが、その頃には筒香自身の中では確かな手応えを得ていたのだという。
大リーグでの活躍
ドジャースから 3A オクラホマシティに移籍すると、筒香選手は7月末から8月に大活躍を見せてくれました。
8月は10試合に出場して31打数12安打の2本塁打、11打点で、打率3割8分7厘をマーク。その後にパイレーツに移籍すると、メジャーへの昇格を果たしました。
パイレーツでの移籍初戦となった古巣のドジャース戦で9回に代打で起用されると、クローザーのケンリー・ジャンセン投手から二塁打を放ちました。さらに翌日の試合では 「4番・ファースト」 で先発。9回に再びジャンセン投手から二塁打を打ちました。その後は、セントルイス・カージナルス戦ではシーズン1号のホームランと、結果を出しています。
フォーム変更は失敗だったのか?
ここまで見てきた筒香選手の2021年シーズンから考えさせられたのは、「変えること」 と 「変えないこと」 の見極めの難しさです。
レイズでのコーチからの指導、バッティングフォーム変更の取り組みをどう捉えるといいでしょうか?
2つの解釈ができます。
1つは、バッティングフォームは変えるべきではなかったという見方です。
結果論かもしれませんが、フォーム変更により 「バッターボックスに入っているのが自分ではない」 と思えるほどの肉体と精神のバランスを欠いてしまったわけです。試合では結果が出せず、チームを去ることになりました。
もう1つの解釈は逆で、長い目で見ればバッティングフォーム変更からの不調と挫折があったからこそ、その後の筒香選手のメジャーリーグでの活躍につながったと捉えます。
つまり、失敗や苦しみはより一層の成長のためには必要だったという見立てです。
新しいチャレンジへの姿勢
2つ目の解釈について、もう少し続けます。
チャレンジと失敗
何か新しいことに挑戦する時の心構えとして持っておきたいのは、チャレンジの度合いが大きいほど失敗する可能性も高くなるということです。
一時的にはパフォーマンスの調子を落とし、以前よりも悪くなったり、筒香選手のように自分を見失うことすらあります。ここで大事なのは、失敗を過度に恐れるのではなく、またチャレンジ自体をしなくなるのではなく、失敗が起こった時にどうするかです。
「だからどうするか」
失敗をしたり、挫折した時にそこで踏ん張れるかが、失敗を糧にできるかの分岐点になります。暗闇の中で希望の光が見えない中で、「だからどうするか」 と思考を一歩でも前に進めることが大事です。
ところで、好きな漫画で、サッカーの アオアシ があります。
アオアシで印象に残っているシーンなのが、主人公たちがサッカーの技術やチームで壁にぶつかった際に、「だからどうするか」 と考える場面です。
出典: アル
出典: アル
この意識はスポーツ選手だけではなく、ビジネスパーソンも持っておきたい姿勢です。
まとめ
今回は、筒香選手の挫折と復活から学べる、新しい挑戦で大切にしたいことを見てきました。
最後にまとめです。
新しいチャレンジへの姿勢
- チャレンジの度合いが大きいほど失敗する可能性も高くなる
- 大事なのは、失敗を過度に恐れるのではなく、またチャレンジそのものをしなくなるのではなく、失敗が起こった時にどうするか
「だからどうするか」
- 失敗や挫折をした時にそこで踏ん張れるかが、失敗を糧にできるかの分岐点になる
- 希望が見えない暗闇の中で、「だからどうするか」 と思考を一歩でも前に進めることが大事
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