今回は、あるドラッグストアの顧客サービスからマーケティングに学べることです。
✓ この記事でわかること
- ドラッグストアでの無料健康サービス
- お客さんからの信頼のつくり方
- 無料サービスの役割
- 「無料」 を戦略的につくる方法
おもしろいと思った、あるドラッグストアの健康相談サービスを取り上げ、戦略やマーケティングの観点から学べることを掘り下げています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
管理栄養士による健康・栄養相談サービス
ご紹介したいのは日経新聞の記事からで、ドラッグストアでの管理栄養士による健康相談サービスです。
以下は記事からの引用です。
ドラッグストアのキリン堂 (大阪市) は、2021年3月から管理栄養士による健康・栄養相談サービスを一部店舗内で始めた。
最初のサービス導入店舗である宝塚宮の町店 (兵庫県宝塚市) で顧客と向き合うのが大杉望美さん (38) だ。栄養バランスを整える健康食品などを紹介しつつ、併設する調剤薬局と顧客情報を共有して適切な服薬指導につなげている。
出典: 日経
相談サービスの中身はと言うと、
買い物ついでにカウンターに訪れた顧客の体脂肪やストレス度といった健康状態を測定。データをもとに平均30分、長くて1時間程度かけて生活習慣や持病などを丁寧に聞き取る。「肌の乾燥など小さな悩みも話しやすい雰囲気づくりを心がけている」 (大杉さん) という。一人ひとりの情報を継続的に記録し食事や生活改善のアドバイスにつなげる。
相談サービスは無料だが店内の商品の販売拡大につながる。例えば食生活についてアドバイスする際には、店舗で扱っている栄養バランスを整える健康食品などを紹介する。骨量が足りない顧客には乳製品を取り入れた食事と一緒にカルシウム剤を薦めるといった具合だ。
ドラッグストアでの勤務歴は約15年。店長なども経験し、顧客に親身に向き合う接客術を磨いた。「高齢の方などが『おしゃべりしに来た』と来店することも多い」 (大杉さん) という。信頼関係を築くことで顧客の来店頻度が高まる。
この話は、お客さんからの信頼獲得に学びがあります。
お客さんからの信頼のつくり方
無料サービスであっても、むしろ無料の提供に全力を尽くすからこそ、お客さんにポジティブな驚きを与えられ、信頼を得ることにつながります。
ご紹介したドラッグストアの健康相談サービスの例で言えば、お客さんには平均して30分、長い時は1時間も相談を受けアドバイスをしています。
こうした親身な対応から、お客さんからは 「おしゃべりしに来た」 との声もあり、信頼関係を築き、お客の来店頻度を高められているのです。
無料サービスの位置付け
もう少し掘り下げたいのは、無料サービスの扱いについてです。
取り上げたドラッグストアの事例では、無料での健康相談によってお客さんの来店だけではなく、店内の商品販売にも貢献しています。売上だけではなく、お客さんからの信用が蓄積し、信頼を得ているのも大きいです。
アドバイスがたとえその時は直接の売上にならなかったとしても、お客との信頼関係を築けているわけで、これができているのは無料サービスに妥協せず、全力で取り組んでいるからこそです。
学べること
では最後に、今回の事例から学べることを整理してみましょう。
一言で言えば、学びは 「戦略的な無料商品をつくろう」 です。
やみくもに無料とするのではなく、何のための目的かを明確にし、目的達成のための布石として無料の商品やサービスを位置付けると良いです。
無料商品だけを切り取れば赤字だとしても、後からの有料商品の売上になったり、ドラッグストアの例で見たようなお客さんからの信頼獲得になれば、無料商品にもリソースをかけるべきです。
このように戦略的になるために、時間軸を長く取り、視野を広く取ることを意識してみると良いです。
まとめ
今回はドラッグストアでの無料の健康相談サービスを取り上げ、接客やマーケティングで学べることを見てきました。
最後にまとめです。
お客さんからの信頼のつくり方
- 無料の提供に全力を尽くすからこそ、お客さんにポジティブな驚きを与えられ、信頼獲得につながる
- 何のための目的かを明確にし、目的達成のための布石として無料の商品やサービスを位置付けると良い
- 時間軸を長くし視野を広く取り、戦略的な無料商品をつくってみよう
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