出典: SONY
今回は、ターゲット設定の話です。「2つのターゲット設定が重要です」 という内容です。
✓ この記事でわかること
- ソニーが開発したブイロガー向けのデジタルカメラ
- 開発の経緯と着眼点
- マーケティングの観点からの本質
- 「そうそう、これが欲しかった!」 な商品を開発する方法
- 「ターゲット顧客」 と 「ターゲット利用シーン」 の2つを絞ろう
おもしろいと思ったソニーのデジタルカメラを取り上げ、マーケティングの視点で本質は何かを掘り下げます。そこから、商品開発やマーケティングに学べることとして、ターゲットユーザーに深く刺さる商品の開発方法を解説しています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ソニーのブイロガー向けのデジタルカメラ
今回ご紹介したいのは、ソニーが開発したデジタルカメラ 「VLOGCAM ZV-1」 です。
出典: 日経クロストレンド
自撮り動画に最適化されたカメラ
このカメラの特徴は、動画撮影に特化し、さらに自撮りに利用用途を絞っての機能やデザインとなっていることです。
本体下部に取り付ける 「シューティンググリップ」 を持ち、バリアングル式モニターを横に開けば、映りを確認しながら動画を手軽に自撮りできます。
出典: SONY
商品名に 「VLOG」 と入っているように、ブイロガーと呼ばれる自分で撮影した動画を YouTube に投稿するようなユーザー向けのデジタルカメラです。
VLOGCAM ZV-1 のプロモーション動画はこちらです。
開発の経緯
これは日経クロストレンドの記事に書かれていたことで、開発経緯が興味深かったです。
記事から抜粋して引用すると、
VLOGCAM ZV-1 は、数年前、ソニーのデザイン部門であるクリエイティブセンターのメンバーが、米国のトレンドとして、SNS 上で静止画を扱う感覚で動画を扱う 「ブイログ」 「ブイロガー」 の存在に着目したことが開発のきっかけとなった。
その後、商品企画や設計のメンバーたちとともにヒアリングなどを実施。ブイロガーが、「録音できていなかった」 「ピントが合っていなかった」 などといった理由で動画の閲覧者に離脱されるという課題を抱えていることが分かった。
もう少し引用を続けますね。
自撮りにも、持ち運びにも便利なシューティンググリップは、ケーブルがレンズやモニターにかかったり、マイクに当たって音を拾ったりしないよう、ブルートゥース対応でワイヤレス接続を可能にした。こうした、動画撮影を失敗させない工夫を多く施している。
動画撮影に特化した工夫は、カメラ本体にもある。片手で持って手を伸ばして撮影するなど、ブイロガーはどんな持ち方をするか分からない。
そこで、撮影シーンや手の大きさにかかわらず自由に持てるよう、本体のグリップを小さめに設計。動画は静止画に比べて撮影時間が長いため、本体に触れる手や指が痛くならないよう、全体的に丸みを帯びた形状にした。
出典: 日経クロストレンド
このように、ブイロガーのユーザーの具体的な利用シーンを想定した機能とデザインになっているのが、VLOGCAM ZV-1 の特徴です。
2つの 「ターゲット」 の明確化
ここからは、マーケティングの観点で VLOGCAM ZV-1 について掘り下げてみましょう。
一言で言えば、本質は 「ターゲット顧客」 と 「ターゲット利用シーン」 の2つを絞って明確にしたことです。
誰が何をする・したい時に喜んでほしいかを最初に設定し、逆算しての商品開発でした。VLOGCAM ZV-1 は、ブイロガーがカメラで長時間の自撮りをする時に最適なデジタルカメラという位置づけです。
学べること
では、最後にソニーの VLOGCAM ZV-1 から学べることを整理をしてみましょう。
結論から先に言えば、学びは 「顧客定義と利用用途・シーンを明確にする重要性」 です。
VLOGCAM ZV-1 のマーケティング視点での本質は、ターゲット顧客とターゲットシーンの両方で絞ったことにありました。2つのターゲットを絞り具体的に描くことによって、自分たちが商品開発やマーケティングでやること、そしてやらないことが明確になります。
例えば、商品開発では実装する機能の見極め、利用シーン (例: 自撮りをして話しながら歩く状況) でも使いやすいデザインです。
マーケティングでは、「自分たちのお客さんは誰か」 というターゲット顧客を設定することはよく言われます。
さらにもう一歩を踏み込んで、ターゲット利用シーンも絞って具体的な利用用途を描くといいです。そうすることで、刺さる人には 「そうそう、これが欲しかった!」 という商品・サービスになります。
まとめ
今回はソニーのデジタルカメラを取り上げて、見出した本質から商品開発やマーケティングに学べることを見ていきました。
最後にまとめです。
2つの 「ターゲット」 の明確化
- マーケティングでは、自分たちのお客さんは誰かという 「ターゲット顧客」 を設定することはよく言われる
- さらに 「ターゲット利用シーン」 も絞り、具体的な利用用途を描くといい
- 2つのターゲットを明確にできれば、刺さる人には 「そうそう、これが欲しかった!」 という商品・サービスになる
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