投稿日 2022/03/13

部署や会社横断のプロジェクトマネジメントで大事なこと3つ


今回は、プロジェクトマネジメントです。

✓ この記事でわかること
  • プロジェクトマネジメントの本質
  • 部署や会社横断のプロジェクトで大事なこと3つ
  • ① コミュニケーション、② 役割分担、③ ゴール設定

今回は、社内で部署を横断するプロジェクトや、複数の会社から参加者がいるプロジェクトをどうやって進めるかです。プロジェクトマネジメントで大事なことを掘り下げます。

この記事を読んでいただきたいと思うのは、プロジェクトマネージャーの方です。特に部署横断やさまざまな会社からの参加者がいるプロジェクトリーダーをされている方です。

他には、こうしたプロジェクトに参加している方にも参考になればと思います。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

プロジェクトマネジメントの本質


最初にそもそもプロジェクトマネジメントとは何かです。

これは私の一言の定義で、プロジェクトマネジメントとは 「プロジェクトの目的を達成するための最適化手法」 です。手法と表現しているように、プロジェクトマネジメントはあくまで目的達成のための手段です。

マネジメントは日本語では 「管理」 と言ったり、マネージャー職を 「管理職」 と表現しますが、マネジメントを管理と捉えると本質を見誤ります。

管理はマネジメントの1つの側面にすぎず、マネジメントとはもっと泥臭いことなんです。プロジェクトを進めていくと様々な制約が発生します。時には矛盾もあり、「あちらを立てれば、こちらが立たない」 という状況です。それでも何とかやりくりするのがマネジメントです。

* * *

ではここからは、マネジメントを進めていく時に大事なことは何かを掘り下げてみましょう。


プロジェクトマネジメントで大事なこと


深掘りをする前提として、ここで想定しているプロジェクトマネジメントは、社内で部署を横断するプロジェクトや、複数の会社から参加者がいるプロジェクトでのマネジメントです。

さらに状況を設定すると、関係者とは直接顔を合わせる機会がほとんどなく、リモートでのやりとりをメインに進めていくプロジェクトです。

このようなプロジェクトで大事なことは、次の3つです。

✓ プロジェクトマネジメントで大事なこと
  • コミュニケーション
  • 役割分担
  • ゴール設定

ではそれぞれを順番に見ていきましょう。

[ポイント 1] コミュニケーション


複数の異なる部署の人や会社が参加しているプロジェクトでは、人や会社ごとの見ている景色が同じではありません。立場が違い、持っている情報が違うので、視座・視野・視点が異なるわけです。

こうした違いで起こる影響は認識のずれです。認識がずれること自体は決して悪いことではなく、起こって当然です。ただし問題の引き金になるのは、認識のずれに気づかないままにプロジェクトが進んでしまうことです。ずれに気づいても認識を合わせるのは簡単ではありません。

例えば、プロジェクト立案者やリーダーとそれ以外の他のプロジェクトメンバーでは、そもそもの持っている情報が異なります。

プロジェクトリーダーにとっては当たり前のこと、具体的にはプロジェクトの背景や自分たちの会社全体におけるプロジェクトの意義は明確かもしれませんが、他の人には伝えなければ知る術はありません。また一度聞いたとしても十分に理解できるとは限らないです。

ではどうやってコミュニケーションをしていくかですが、コミュニケーションではストックとフローから情報共有を設計するといいです

ストック情報とは例えばドキュメントやスライドにして残す情報で、適宜に見にいき参照します。フロー情報はチャットやメールです。特にチャット形式でのカジュアルな情報共有の場をつくると、リアルタイムでコミュニケーションがスムーズにいきます。

これは私の過去のプロジェクトマネジメントの経験からですが、定例と非定期での会議、メールだけだとちょっとした情報交換や進捗確認にはコミュニケーションがしづらいと感じたことがあります。今思えば、Slack などのチャットでの情報共有の場があるとやりやすかったです。

[ポイント 2] 役割分担


2つ目のポイントは参加者における役割分担です。

異なる部署やさまざまな会社から参加者がいるプロジェクトでは、一見するとそれぞれの立場から役割は明確に見えるかもしれません。

最初に決められた役割分担への各自の認識はそろっていますが、プロジェクトが進み新しく生まれる役割を誰が担当するのかは曖昧になりがちです。

1つ目のコミュニケーションにもつながりますが、各自の守備範囲のちょうど中間に落ちるボールを誰が拾うのかです。ここが曖昧なままプロジェクトが進むと、後からスケジュールの遅れに直接影響するボトルネックになりかねません。

役割分担で大事なのは、「何を, 誰が, いつまでに」 を明確にすることです。やや細かすぎるくらいに役割を決めていくといいです。

理想は各メンバーが指示や命令のみで動くのではなく、新しく生まれた役割に主体的に手を挙げるプロジェクトチームです。本来は自分の役割ではないものを 「誰か他の人がやるだろう」 ではなく、当事者意識を持って引き取ります。

目指したいのは、プロジェクト参加者の全員がリーダーシップを持っていることです。

[ポイント 3] ゴール設定


プロジェクトには目的があり、目的を達成した具体的な状況がゴール設定です。

前半で見たように、プロジェクトマネジメントとは目的達成のための最適化手法です。目的があって、はじめてマネジメントの必要性が生まれます。これは逆に言えば、プロジェクトの最終ゴールとゴールに到達するための中間ゴール (目標地点) が曖昧だと、プロジェクトが迷走する要因になります。

プロジェクトでは、最終ゴールを描きプロジェクトの成功条件の認識をそろえることが大事です。

主要のタスクもゴール設定をします。例えばプロジェクトで作る成果物の1つに社内の経営層への報告書があったとします。報告書をどう使い、誰向けなのか、いつまでに必要か、求める中身のクオリティを報告書を作る前に明確にします。

報告書の作成者と使用者 (経営層に説明する人) が違うときは、両者でクオリティとスケジュールを合わせることが重要です。


まとめ


今回はプロジェクトマネジメントについてでした。

最後にまとめです。

プロジェクトマネジメントの本質
  • プロジェクトマネジメントとは 「プロジェクトの目的を達成するための最適化手法」 
  • 管理はマネジメントの1つの側面にすぎず、マネジメントとはもっと泥臭いこと
  • 様々な制約や矛盾もある 「あちらを立てれば、こちらが立たない」 という状況、それでも何とかやりくりするのがマネジメント

プロジェクトマネジメントで大事なこと
  • コミュニケーション: 背景や会社全体におけるプロジェクトの意義など認識をストックとフロー情報でそろえる
  • 役割分担: 「何を, 誰が, いつまでに」 を明確にする
  • ゴール設定: 最終ゴールを描きプロジェクトの成功条件の認識をそろえる。主要タスクでもゴール設定をする


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。