出典: DNP
今回のテーマは、マーケティングの提供価値です。
✓ この記事でわかること
- 子どもと親の好奇心を育む 「魔法の虫めがね」 とは?
- 親へのフィードバック機能がおもしろい
- スマホとの比較優位
- お客さんへの提供価値の本質とは?
おもしろいと思った商品 「魔法の虫めがね」 をご紹介し、マーケティングの観点で学べることを掘り下げています。今回のキーワードは 「提供価値」 です。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
魔法の虫めがね
ご紹介したいのは 「魔法の虫めがね」 です (公式サイトはこちら) 。
出典: Makuake
魔法の虫めがねは、かざしたモノを AI が認識し、音声や音でそれが何かを教えてくれます。
例えば、絵本を見れば文字を認識して BGM が流れたり、朗読が始まります。効果音や説明文を再生してくれたりします。
出典: Makuake
絵本や図鑑など身の回りのものが教材となり、子どもの好奇心を育むデバイスです。
出典: Makuake
YouTube の紹介動画も付けておきますね。
親へのフィードバック機能が秀逸
うまいと思ったのは、子どもが魔法の虫めがねで見た記録が親に共有されることです。
専用アプリでは子どもの興味が可視化される機能が付いています。
子どものタイプや興味対象がわかる (出典: DNP)
幼稚園や保育園に通う小さな子どもは、自分が何に興味を持っているかを親に説明できるような年齢ではないですよね。通常は親が見ている範囲で、子どもの興味関心を理解するしかありません。
「魔法の虫めがね」 から子どもの利用ログを見れば、自分の子どもが今何に関心があるのかがわかります。親にとっては、子どもが教えてくれたり、聞くことでしか把握できないこと以外にも利用ログから子どものことを理解できるのです。
魔法の虫めがねが良いと思うのは、子どもの好奇心だけではなく、子どもを見守る親の子どもへの関心を生む価値をもたらしていることです。
スマホとの比較優位
もう1つ 「提供価値」 で思ったことは、スマホと比べての魔法の虫めがねの比較優位についてです。
魔法の虫めがねでやっていることは、技術的にはスマホのアプリでも開発でき、同じようなことはスマホでも可能です。
魔法の虫めがねのスマホに対する優位性は、スマホではなく物理的な虫めがね型のデバイスであることです。というのは、親の立場からすると保育園くらいの小さい子どもには、スマホを渡したり、子ども専用のスマホを買え与えるにはまだ早いと考えるでしょう。
一方の魔法の虫めがねであれば、スマホに比べて安心して使わせることができます、この意味で年齢が幼稚園や保育園ぐらいの小さい子ども向けであれば、たとえできることはスマホと同じでも、魔法の虫めがねはスマホに比べての比較優位があるわけです。
学べること
では最後に、魔法の虫めがねから学べることを整理しておきましょう。
一言で表現をすれば、学びは 「価値は提供する相手ごとに明確にし、相対優位で捉えよう」 です。
魔法の虫めがねのように利用者が複数いれば (子どもと親) 、それぞれの相手ごとに 「商品を使うことで何がうれしいことなのか」 を言語化することが大事です。そして、提供価値は相対的であることも忘れてはいけません。
相対的とは、「誰が」 「どういう状況で」 「何と比べて」 判断するかによって、同じ特徴でも価値になるか・ならないかが変わります。お客さんへの価値は、お客の置かれた文脈で捉えると良いです。
まとめ
今回は、子どもだけではなく親の好奇心も育む 「魔法の虫めがね」 を取り上げ、提供価値という観点から学べることを見てきました。
最後にまとめです。
お客さんへの提供価値
- 商品の利用者が複数いれば、それぞれの相手ごとに 「商品を使うことで何がうれしいことなのか」 を言語化することが大事
- 価値とは相対的で、「誰が」 「どういう状況で」 「何と比べて」 判断するかで、同じ特徴でも価値になるかが変わる
- 価値は提供する相手ごとに明確にし、相対優位で捉えよう
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