出典: FRACTA
今回のテーマは、ビジネスモデルです。
✓ この記事でわかること
- 百貨店の売らないお店 「明日見世」 とは?
- 明日見世の特徴とメリット
- 百貨店のビジネスモデルの進化
- 学べること (ビジネスモデルの要素分解)
おもしろいと思った百貨店の 「売らないお店」 を取り上げ、ビジネスモデルで学べることを見ていきます。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
百貨店の売らないお店
今回ご紹介したいのは、百貨店の売らないお店 「明日見世」 です (公式サイトはこちら) 。
明日見世は、こちらの記事で紹介されていて興味深く読みました。
大手百貨店初!大丸東京店に登場した売らない売場 「明日見世」 が担う新たな百貨店モデルとは|DIAMOND Chain Store
以下は記事のリード文からの引用です。
コロナ禍によるデジタルシフトの加速で、リアル店舗の存在意義が改めて問われている。
そんな中、大丸松坂屋百貨店は、大手百貨店としては初めて、商品を紹介するだけという 「売らない売場」 = 「ショールーミングスペース」 という新しいビジネスを始めた。百貨店の集客力、信用、接客のスキルやノウハウを生かし、出展者へのスペースリーシングによって、安定的な収入源を増やす狙いがある。
明日見世の特徴とメリット
同じ記事から、明日見世の特徴を見てみましょう。
明日見世にいるのは、販売員ではなく 「アンバサダー」 と呼ばれる専属スタッフです。商品について売る姿勢を出さずに、お客さんに商品を理解してもらうことに専念する常駐スタッフです。
来店客にとっては無理に買わされることがなく、安心して気軽に商品を見たり説明を聞くことができます。
明日見世の店内にはコミュニケーションスペースが用意され、体験会やイベントを開催しています。参加したお客さん同士でつながりコミュニティが生まれているとのことです。
他にも特徴は、スタッフ (アンバサダー) が来店客とコミュニケーションを取る中で顧客ニーズを聞き、お客からの生の声として出展メーカーにもフィードバックしています。
また、店内には顔認証システムが導入されていて、顧客の店内行動分析からレイアウトや売場運営の改善をし、顧客満足度の向上につなげています。
明日見世には以上のような特徴があり、来店客やメーカーにメリットを提供しています。
ビジネスモデルの進化
では、売らないことをコンセプトにした明日見世の意味合いを掘り下げてみましょう。
明日見世は、百貨店にとっては 「新しいビジネスモデルの構築」 と捉えることができます。
そもそものビジネスモデルとは何かですが、一言で言えば、ビジネスモデルとは 「収益を得る仕組み」 です。
明日見世は売らないお店なので、一般的なお店のビジネスモデルである 「来店客から売上を得るやり方」 とは異なります。明日見世は店舗で来店客からの直接の収益は得ていなく、収益は出展者に百貨店内の売場を提供するというスペースリーシングによってです。
もう少し見る領域の視野を広げれば、明日見世に来店してくれ、気に入った商品を EC サイトで買ってくれればメーカーの売上に貢献しています。
直接はモノを売らないお店でも、来店客や出展メーカーへのメリットを明確にし、そこにしかない価値を提供すれば、明日見世は収益を得る仕組み (ビジネスモデル) になります。
学べること
それでは最後に、明日見世から学べることを整理してみましょう。
ビジネスモデルとは何かで学びがあります。
ビジネスモデルとは 「収益を得る仕組み」 としましたが、もう少し解像度を上げると次の要素から成り立っています。
✓ ビジネスモデルの要素
- 誰の [顧客]
- どんな問題や課題に対して [顧客課題]
- 課題を解決する商品を提供し [ソリューション]
- 競合よりもより良い価値をもたらす [独自の価値]
- 価値提供の対価として収益を得る [収益モデル]
以上の5つの要素を最適化していくと、良いビジネスモデルになります。
この5つは、筋の良いビジネスモデルかどうかを見極めるポイントとしても使え、覚えておいて損はないフレームです。
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