今回のキーワードは、「顧客定義」 と 「提供価値」 です。
✓ この記事でわかること
- スーパーでの買い物を活用した介護サービス
- マーケティングの観点での意味合い
- 買い物介護サービスの提供価値
- 学べること
おもしろいと思ったスーパーの取り組みをご紹介し、マーケティングの視点で学べることを解説しています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
スーパーでの買い物を介護サービスに
以下は、日経新聞の記事からの引用です。
介護事業者の福の種合同会社 (高知市) とアイ・エム・シーライフステージ (同, IMC) は地場スーパーのサンシャインチェーン本部 (同) と組み、2月から新しいデイサービス事業を始める。
店舗のイートインコーナー (飲食スペース) に事業の場を設け、スーパー内での買い物などを通じて高齢者の心身を元気にする。
介護サービスは、お店の営業日にスーパー内のイートインコーナーの半分のスペースを使うとのことです (残りの半分は通常の買い物客が使用) 。午前と午後、それぞれ1時間ほどで15人ずつ要支援の人に買い物介護サービスを提供します。
高齢者には歩数計を付けてもらい、スーパーで買い物をしてもらいます。
店内でショッピングカートを操作しながら歩くので足腰が鍛えられます。品物を選ぶことで自宅の冷蔵庫に何が残っていたか記憶を呼び起こしたり、財布の所持金からいくら使うかの計算から認知機能の維持につながります。
マーケティング視点での意味合い
ではここからは、マーケティングの観点で掘り下げていきます。
スーパーの買い物を介護サービスに転用したことの意味合いは、顧客を変えると、提供価値も変わるということです。
向き合うお客さんが変われば、求められるニーズ、自分たちが解決する課題、解消する問題も変わります。それによってお客さんへの提供価値も別のものになるわけです。
買い物介護サービスの提供価値
ここまで見てきた、スーパーでの買い物介護サービスの価値を整理してみましょう。
一般のスーパーがやっていることは、商品を仕入れ、来店客に商品を売ることです。お客さんには欲しい商品を手に入れられる価値があります。
一方、ご紹介した買い物介護サービスは、別の価値を提供しています。
✓ スーパーでの買い物介護サービスの提供価値
- 運動の機会
- 認知機能の維持
- 社会活動の参加機会
このように、お客さんが従来と変われば、提供する価値も変わるのです。
学べること
では最後に、今回の事例から学べることを整理してみましょう。
一言で言えば、学びは 「自分たちは誰にどのような価値を提供しているのかを、解像度高く言語化しよう」 です。
この 「誰に」 と 「何を (どんな価値を) 」 はビジネスの根幹部分です。
出典: FEATUReS
日々の業務をやっていると、目の前の仕事に注力するあまりに (これ自体は悪いわけではないですが) 、ビジネスの本質である 「自分たちは誰にどんな価値を提供するのか」 が頭から抜けてしまいがちです。
お客さんは誰かを見失ったままだと、的確な商品開発やマーケティングができず、提供価値の認識で自分たちとお客さんでズレてしまうことにもつながります。
そうならないためには、顧客定義と提供価値をなるべく解像度を高く言語化しておくと良いです。
まとめ
今回はスーパーでの買い物介護サービスを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
顧客定義と提供価値
- 「誰に」 と 「何を (どんな価値を) 」 はビジネスの根幹部分
- お客さんは誰かを見失ったままだと、的確な商品開発やマーケティングができず、提供価値の認識で自分たちとお客さんでズレてしまう
- そうならないために、自分たちは誰にどのような価値を提供しているのかを解像度高く言語化しよう
ニュースレターのご紹介
マーケティングのニュースレターを配信しています。
気になる商品や新サービスのヒット理由がわかり、マーケティングや戦略を学べるレターです。
マーケティングのことがおもしろいと思えて、今日から活かせる学びを毎週お届けします。
レターの文字数はこのブログの 2 ~ 3 倍くらいで、その分だけ深く掘り下げています。ブログの内容をいいなと思っていただいた方には、レターもきっとおもしろく読めると思います (過去のレターもこちらから見られます) 。
こちらから無料の購読登録をしていただくと、マーケティングレターが週1回で届きます。もし違うなと感じたらすぐ解約いただいて OK です。ぜひレターも登録して読んでみてください!