出典: 価格.com マガジン
今回のテーマは、新規客の獲得です。
✓ この記事でわかること
- フライパンなしで簡単に作れる 「レンジで焼ギョーザ」
- 課題と開発の狙い
- 新規顧客の獲得で大事なこと
- 買われない理由の見極めと解消する打ち手
おもしろいと思った冷凍食品を取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
レンジで焼ギョーザ
ご紹介したいのは、フライパンを使わずに電子レンジで作れる 「レンジで焼ギョーザ」 です。
出典: 味の素冷凍食品
以下は、日経新聞の記事からの引用です。
味の素冷凍食品が2021年8月に全国発売した 「レンジで焼ギョーザ」 が好調だ。フライパンを使った調理が必要なく、電子レンジのみで焼き色のついた香ばしいギョーザを味わえるという手軽さから、20代の単身男性などに人気だ。
引用の最後にあったように、電子レンジで簡単にできる手軽さから単身の20代男性に人気のようです。
課題と開発の狙い
開発にあたっての課題は、日常的に料理をしないような単身の若年男性には、フライパンで調理をする必要がある冷凍餃子はなかなか手に取ってもらえなかったことでした。
フライパンを使いたくない人や持っていない人にも家で餃子を食べてほしいと考え、実現すれば新規客の獲得につながるというのが開発の狙いです。
できあがったのがフライパンではなくレンジで簡単に作れる 「レンジで焼ギョーザ」 です。袋から取り出し、凍ったままでラップをかけずレンジで温めれば、約3分で焼きたてのような餃子を楽しむことができます。
新規顧客の獲得
レンジで焼ギョーザの事例は、新規の顧客獲得のアプローチとして学びがあります。
新規客とは、これまでは何かしらの理由があって買っていなかった人です。
理由とは、そもそも知らなかったり、または知っていても興味がなく自分ごと化されていないからです。あるいは欲しいと思っても最終的には買うには至らない、例えば商品の魅力を打ち消してしまうマイナス要因があるからです。
レンジで焼ギョーザの開発の狙いは、マイナス要因の解消でした。
ここで言うマイナス要因とは具体的には、たとえ調理された餃子の味は良くても、フライパンで焼き上げたり、油がついたフライパンを洗う面倒さ、あるいはそもそも家にフライパンがないことです。
こうしたハードルを乗り越えるために、電子レンジに入れて温めるだけで餃子が簡単に作れる 「レンジで焼ギョーザ」 を開発したのです。
先ほどの日経新聞によれば20代の単身男性に人気とのことだったので、開発の狙い通りにこれまで買っていなかった新しいお客を獲得したことがわかります。
買わない理由の解消
では、最後に今回の学びを整理してみましょう。
レンジで焼ギョーザの事例からは、新規客の獲得に何が必要かを学べました。まだお客さんになってもらえていない要因の見極めと、購入への障害となっていることの解消です。
レンジで焼ギョーザの場合は、調理や後片付けの手間で、ここを解決するために電子レンジで簡単に作れる餃子を開発しました。
学びを抽象化して一言で表現をすると、学びは 「見込み客の買わない理由を見出し、解消する打ち手につなげよう」 です。
まとめ
今回はフライパンなしで簡単に作れる餃子を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
新規顧客の獲得
- 新規客とは、これまでは何かしらの理由があって買っていなかった人
- 理由とは、そもそも知らなかったり、知っていても興味がなく自分ごと化されていないこと。あるいは欲しいと思っても買える機会がないから
- 見込み客の買わない理由を見出し、解消する打ち手につなげよう
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