2019/06/10

プロダクト開発のピボット (開発方針転換) を解説。ピボットと何か、ピボットの判断方法




今回は、プロダクト開発についてです。扱うテーマは、ピボット (開発の方針転換) です。

  • このままプロダクトの開発を続けてもよい?
  • どうやってピボットを判断すればいいかわからない
  • ピボットの判断の方法

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、プロダクト開発でのピボット (方針転換) とは何か、そして、ピボットをどう判断すればいいか、決断する時のポイントです。

仕事でプロダクト開発に携わっている方には役に立つ内容だと思います。直接、開発を担当していない方も参考になると思いますので、ぜひ、最後まで読んでみてください。


ピボットとは何か


プロダクト開発では、「ピボット」 と呼ばれる開発の大きな方針転換を判断しなければいけない局面になることがあります。

ピボットとは、どのような開発の方針転換なのでしょうか?

一言で言えば、ピボットとは 「仮説の見直し」 です。

プロダクト開発では、自分たちのアイデアを形にし、想定する顧客やユーザーに使ってもらい彼ら・彼女らの問題解決を目指します。

開発にあたって事前に設定した仮説が正しくなかったことがわかれば、仮説の再定義がピボットです。


プロダクト開発の4つの仮説


では、プロダクト開発における仮説とは、具体的にはどのような仮説でしょうか?

プロダクト開発で持っておく仮説には、大きくは4つあります。


プロダクト開発の仮説
  • 顧客仮説
  • 問題仮説
  • ソリューション仮説
  • 価値仮説


以下、それぞれについてご説明します。


顧客仮説
  • 相思相愛になれる相手は誰か
  • 自分たちから見て顧客・ユーザーになってほしい人
  • かつ、顧客から見て、自分たちのプロダクトを使いたいと思ってくれる人


問題仮説
  • 顧客が抱えている問題や課題は何か (本人が認識できていないものも含む)


ソリューション仮説
  • その問題を自分たちはどう解決するか


価値仮説
  • ソリューションによって、顧客が得られる本質的な価値は何か
  • 設定した問題が解決されると、具体的にどんな価値がもたらされるのか


4つの仮説を一言でまとめると、誰のどんな問題をどうやって解決し、それによって提供できる本質的な価値は何かです。


ピボットの判断方法


先ほど、ピボットとは仮説の見直し (仮説の再設定) だと説明しました。

ピボットは、4つの仮説のうちソリューションの結果である価値仮説を除く3つの仮説のどこまでを見直すかを判断します。見直していく順番は、ソリューション仮説、問題仮説、顧客仮説です。

具体的には、次のようになります。


ソリューション仮説の見直し
  • 問題設定は合っていたが、解決方法が正しくなかった
  • つまり、ソリューションが顧客の価値につながらなかった
  • 問題をどう解決するかの仮説を見直す


問題仮説の見直し
  • 顧客が抱える問題設定そのものが正しくなかった
  • 自分たちは解決すべき問題だと思ったが、実際はそうでもなかった
  • 真の問題、問題の本質は何かを見極めるところからやり直す


顧客仮説の見直し
  • そもそもの設定した顧客が、相思相愛になれる相手ではなかった
  • 顧客設定が違えば、その先の問題やソリューションは意味をなさない
  • 自分たちのプロダクトを使ってもらいたい相手は誰か。誰なら 「ぜひ使いたい」 と思ってもらえるのかを見極める


ソリューション仮説であればピボットの度合いは大きくはないですが、最後の顧客仮説の見直しまで立ち戻るのは、方針変更としては大きい判断になります。


ピボットを決断する3つのポイント


ピボットは、これまで自分たちが正しいと思ってきた仮説の見直し、開発方針転換です。判断は決して簡単ではありません。

ピボットを判断するために、どう考えればよいでしょうか?

私が思うピボットを決断するポイントは、3つあります。


ピボットの決断ポイント
  • サンクコストだと捉える
  • 自分たちの都合ではなく、プロダクトユーザーのためを優先する
  • 「強い決断」 をする


以下、それぞれについて解説します。


[決断ポイント 1] サンクコストだと捉える


ピボットをするかどうかの判断で、「これまでせっかくやってきたのだから」 という思いは捨てます。

今までやってきたことの延長で考えるのではなく、自分たちがもし始めからもう一度やるなら、どんな方針でいくかを考えます。


[決断ポイント 2] 自分たちの都合ではなく、プロダクトユーザーのためを優先する


そもそものプロダクト開発の目的に立ち返ると、プロダクト開発とはユーザーの問題を解決することが第一です。

問題解決の方法 (ソリューション) を提案し、使ってもらって価値を提供することです。

ピボットでも、想定する顧客・ユーザーの価値になるかどうかを判断ポイントにします。ビジネスなので自分たちの都合もありますが、優先はプロダクトユーザーのためになるかどうかです。


[決断ポイント 3] 「強い決断」 をする


何かを決める時に、正しいか正しくないかでは決断に迷いが生じます。決める時点で正しいかどうかはわからず、やってみないとわからないからです。

それよりも決断に自信を持てるか、覚悟と責任を取れるかどうかで決断します。これが 「強い決断」 です。


まとめ


今回は、プロダクト開発のピボットについてご説明しました。

解説したのは、ピボットとは何か、プロダクト開発の4つの仮説、ピボットの判断方法とポイントです。

最後に今回の記事のまとめです。

  • ピボットとは 「仮説の見直し」 。開発にあたって事前に設定した仮説が正しくなかったことがわかり、仮説の再定義がピボット

  • プロダクト開発の仮説とは4つある。
    • 顧客仮説 (相思相愛になれる相手)
    • 問題仮説 (顧客が抱える問題)
    • ソリューション仮説 (その問題をどう解決するか)
    • 価値仮説 (顧客が得られる本質的な価値)

  • ピボットは、4つの仮説のうちソリューションの結果である価値仮説を除く3つの仮説のどこまでを見直すかを判断する。
    順番は、ソリューション仮説、問題仮説、顧客仮説。

  • ピボットの決断ポイントは、
    • サンクコストだと捉える
    • 自分たちの都合ではなく、プロダクトユーザーのためを優先する
    • 「強い決断」 をする。強い決断とは、意思決定に自信が持て、覚悟と責任を取れること (決断が正しいか正しくないかでは迷いが残る)


最後に


今回はピボットについて解説しました。

前提になるのは、ピボットは可能ならやらないほうがよいということです。闇雲にピボットは繰り返すものではありません。

しかし、自分たちが進む道が正しくないと判断すれば、ピボットはすべきです。

その時の判断、方法として、今回の記事を参考にしていただければうれしいです。

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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。note も更新しています。

内容は個人の見解です。