今回は、仕事やビジネスキャリアについてです。
- 本業の仕事以外に副業を何かやってみたい
- とはいえ、本業をおろそかにはしたくない
- Google のプロジェクト管理手法をヒントにした新しいチャレンジ方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかるのは、副業などの新しい取り組みを、どうやっていけばよいかです。Google のプロジェクト管理手法から、新しく何かをチャレンジする方法をご紹介します。
副業をやってみたいと思っている方、会社での仕事で何か新しい挑戦を考えている方には、ヒントになると思います。ぜひ、最後まで読んでみてください。
企業活動の商売サイクル
企業活動をシンプルに捉えると、商売とは次のサイクルをまわすことです。
✓ 企業活動の商売サイクル
- 創る (開発)
- 作る (製造)
- 売る (営業)
研究開発により新しい商品やサービスを創るのが最初です。ビジネスになると判断した商品・サービスを事業化し、本格的な製造工程を作ります。
顧客に届ける活動によって企業は世の中に価値を提供し、価値の対価で売上と利益を得ます。
これが、「創る、作る、売る」 という商売の基本サイクルです。
個人のキャリアへのヒント
企業活動の商売サイクルは、個人にも応用することができます。個人の働き方、ビジネスキャリアへのヒントになります。
ここからは、3つのフェーズで、それぞれ具体的にどのような示唆があるかを見ていきましょう。
「創る」 からのヒント
企業で言えば新しいことを開発するフェーズが 「創る」 です。新規事業をいかに立ち上げるかです。
個人に当てはめれば、新しいチャレンジとして何を始めるかです。
この段階では、新しい取り組みが、本当に実のあるものなのかどうかはわかりません。自分の仕事になるのか。専門性やスキルを伸ばす取り組みになるのかは、始める時点では見えていません。
大事なのは、常に少しでもよいので新しい種をまき続けておくとです。小さくてもよいので何かしらのチャレンジをやり続けるのです。
「作る」 からのヒント
最初の 「創る」 で種をまいた中から芽が出たものを、本格的に取り組んでいくのが 「作る」 フェーズです。
もう少し時間やエネルギーという自分のリソースを投入すれば、さらに伸びそうなことです。
ここで大事になるのは、取組内容において何がセンターピンになるかです。
ボーリングのセンターピンのように、新しい挑戦の中身で 「これをやれば成功する」 というポイントです。センターピンを倒せば残りのピンも倒れるような成功の本質は何かを見極めます。
センターピンを見定めれば、アクセルを全力で踏みます。
なお、「作る」 の段階では、自分のやっている活動から稼げなくてもよいです。副業としての取り組みだとしても、お金を稼ぐのは次の 「売る」 フェーズに入ってからです。
売上よりも、まずはビジネスモデルを確立させることを優先します。
「売る」 からのヒント
文字通り、売上を現実的に期待できる段階です。
自分のメイン事業としての位置づけになっていきます。
最初は芽が出るかわからなかった活動も、「創る」 から 「作る」 になり、「売る」 に到達すれば、たとえ副業で始めたとしても本業に近い、または本業に変わっていきます。あるいは自分の専門スキルの1つになっています。
Google のプロジェクト管理手法
ここまで、商売の基本サイクル 「創る・作る・売る」 から、個人の働き方やビジネスキャリアへのヒントを見てきました。
複数の取組内容をやっていると、サイクルの3つで違う段階のことを同時に持っている状態になります。
では、3つのポートフォリオはどれくらいであればよいのでしょうか?
ヒントになるのは、グーグルのプロジェクト管理配分 「70 : 20 : 10」 です。
このマネジメントについては、How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント という本に、詳しく書かれています。
以下はこの本から該当箇所の引用です。
2002年の時点で、グーグルはまだプロジェクトを重要な順に並べた 「トップ100リスト」 をもとに、リソースの配分やプロジェクトのポートフォリオを決めていた。
だが成長にともなって、このシンプルな仕組みではスケールすることが難しいという懸念が強まった。忌まわしき 「ノー」 の文化がじわじわと広がるのではないかという不安もあった。
そこである日の午後、セルゲイはトップ100リストを見直し、プロジェクトを三つのグループに振り分けた。
プロジェクトのほぼ 70% はコアビジネスである検索と検索連動型広告に関するもので、約 20% が成功の兆しが見えはじめた成長プロジェクト、残りの約 10% が失敗のリスクは高いが、成功すれば大きなリターンが見込めるまったく新しい取り組みだった。
それを叩き台に長い議論を重ねた結果、「70対20対10」 をリソース配分のルールにするという結論に達した。リソースの 70% をコアビジネスに、20% を成長プロダクトに、10% を新規プロジェクトに充てるのである。
事業やプロジェクトを3つのフェーズに分け、それぞれのリソース配分を 70, 20, 10% にするという方法です。
✓ Google のプロジェクト管理手法 (リソース配分)
- コアビジネス 70%
- 成長プロダクト 20%
- 新規プロジェクト 10%
Google から学べること
グーグルのプロジェクト管理手法から、どのようなヒントが得られるでしょうか?
コアビジネス、企業活動の商売サイクルで言えば 「売る」 は、多くても 70% にとどめます。残りの 30% は、必ずしもお金を稼げる段階にはなっていない新しい取り組みです。
コアビジネスが 100% 近くになると、今はそれで良いかもしれませんが、将来の稼ぎの種をまけていません。常に新しいことをやっておくために、コアビジネスは最大でも 70% です。
残りの 30% のうち、10% は種まきです。種をまく時点では、本当に芽が出るのか、育ち花を咲かせるのかはわからないようなことです。10% はよくわからない 「創る」 に時間を取っておきます。
そのためには、普段からどれだけ余白を持っておけるかです。新しい取り組みがいつでもできるように、入る余裕をスケジュールを空けておけるか、そして精神的な余白を持っておくことがグーグルからの教えです。
まとめ
今回は、働き方やビジネスキャリアについて書きました。
企業活動の商売サイクル 「創る・作る・売る」 を個人に当てはめ、ポートフォリオのヒントをグーグルのプロジェクト管理手法から考えました。
ぜひ、ご自身の働き方やビジネスキャリアを考えたり、つくっていく時の参考にしてみてください。
最後にまとめです。
企業活動の商売サイクル
- 企業活動をシンプルに捉えると、企業活動の商売サイクルは、「創る (開発) → 作る (製造) → 売る (営業)
- 創る: 新しいチャレンジとして何を始めるか。種をまき続けることが大事
- 作る: 芽が出たものを本格的に取り組んでいく。センターピン (成功ポイント) を見極める。この時点では稼ぎよりも、ビジネスモデル確立を優先
- 売る: メイン活動としての位置づけになる。収入につながる
Google のプロジェクト管理手法
- 事業やプロジェクトを3つのフェーズに分け、リソース配分を 70, 20, 10% にする
- コアビジネス 70%
- 成長プロダクト 20%
- 新規プロジェクト 10%
Google のプロジェクト管理手法からのヒント
メインの活動 (コアビジネス) は多くても 70% まで。残りの 30% で新しい取り組みをする
そのためには、普段から余白を持つ。新しい取り組みがいつでもできるように、入る余裕をつくっておく