
今回は、「衰退の法則」 という本から、経営や組織についてです。
- 衰退する企業の法則とは?
- 会社がつぶれないために、できることは?
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、衰退し破綻にまで追い込まれる企業に見られる共通の法則とは何か、そして、どうすれば組織や企業の衰退を防ぐことができるかです。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
企業が衰退する原因
衰退の法則 - 日本企業を蝕むサイレントキラーの正体 という本には、企業が衰退し破綻してしまう会社の特徴が、詳しく書かれています。
この本を読んで興味深いと思った衰退の法則は、私の解釈は以下のようにまとめることができます。
衰退する企業の特徴
- 意思決定の機能不全
- 顧客不在の内向き姿勢
- 恣意的な人事プロセス
以下、それぞれについての補足です。
[特徴 1] 意思決定の機能不全
- 社内対立をなるべく避ける
- 部門ごとなど、お互いのテリトリーには口を出さない、立ち入らない
- 経営陣や上司への過度な同調。異論を唱えない
- ガチンコの議論がない。全会一致が基本で、既定路線の意思決定
- 会議では議論しなくて済むように、事前の徹底した根回し
[特徴 2] 顧客不在の内向き姿勢
- 顧客よりも社内事項が優先
- 競合のことが語られない
- 市場よりも社内人事ばかりに関心
[特徴 3] 恣意的な人事プロセス
- 社内秩序が過度に優先される。役職、年次、出身・派閥を重視
- 評価されるのは、幹部の意向への忖度、社内調整・政治力、派閥の所属など。実務能力や実行力ではない
- 重要なポジションに上がる人が、政治力は高いが実務能力が低い。戦略や事業・経営リテラシーも低い
その結果で起こること
以上の3つ、「意思決定の機能不全」 「顧客不在の内向き姿勢」 「恣意的な人事プロセス」 を要因で、どういうことが起こるのでしょうか?
その結果として起こるのは、次の3つです。
起こる事象
- 環境変化に気づけない
- 戦略が立てられない
- 実行できない、または実行策が不適切
まず、経営や事業の前提になる顧客や競合、市場トレンドの環境を正しく捉えることができなくなります。
現状把握ができないので、経営戦略・事業戦略が立てられません。戦略のようなものはできるかもしれませんが、中身が伴わないでしょう。
戦略がないので、あるいは曖昧な戦略なので、戦術も持てません。つまり、実行ができない組織、あるいは不適切な実行策しかない組織になります。
衰退させるサイレントキラー
本書のサブタイトルは 「日本企業を蝕むサイレントキラーの正体」 です。
サイレントキラーの意味は、平時では気づかれずに少しずつ衰退に向かっていき、有事で牙をむくというものです。自覚症状がないままに進行し、ある日突然に命に関わるような状態になりようやく気づくのです。
一部の問題意識の高い社員は気づくかもしれませんが、組織や会社全体で衰退や破綻を認識するのは、時すでに遅しということです。
どうすればよいか (思ったこと)
では、企業が衰退しないために、どうすればよいのでしょうか?
この本を読んで考えさせられたのは、まさにここでした。
私が思った、平時の普段からできることは、次の3つです。
どうすればよいか
- 外向きのマインドセット (顧客と競合)
- ファクトに基づく議論と意思決定
- スピード感のある実行。やりっ放しではなく、振り返りと学びで組織知にする
1つめは、顧客不在の内向きの姿勢から外向きに変えることです。見るべき、優先すべきは社内事項や社内人事ではなく、顧客と競合、市場トレンドです。経営や事業の前提になる外部環境の現状把握と見通しです。
2つめは、ファクトに基づく議論を徹底し、意思決定をすることです。誰が言ったかではなく、発言の中身を重視し、正論なのかどうかで意見を評価します。
3つめは、決めたことをやり抜く実行力と、実行して終わりではなく、組織として知見にしていくことです。やりっ放しではなく、振り返りと学びを共有し、組織知を積み重ねます。
まとめ
今回は、衰退の法則 - 日本企業を蝕むサイレントキラーの正体 という本から、衰退する企業に見られる共通の特徴、どうすれば衰退を防げるかを書きました。
最後に今回の記事のまとめです。
- 読んで考えさせられた、衰退する企業の特徴は、
- 意思決定の機能不全
- 顧客不在の内向き姿勢
- 恣意的な人事プロセス
- その結果として起こるのは、次の3つ。
- 環境変化に気づけない (顧客・競合・市場トレンド)
- 戦略が立てられない
- 実行できない、または実行策が不適切
- 企業が衰退しないために、どうすればよいかは、
- 外向きのマインドセット (顧客と競合)
- ファクトに基づく議論と意思決定 (誰が言ったかではなく、発言や意見の中身)
- スピード感のある実行。やりっ放しではなく、振り返りと学びで組織知にする
衰退の法則 - 日本企業を蝕むサイレントキラーの正体 (小城武彦)