2019/06/25

戦略思考から考える、カスタマーマイオピアに陥らない本当の顧客志向




今回は、戦略とマーケティングについてです。

  • 戦略思考ができるようになりたい
  • 顧客の要望に全て答えることの落とし穴とは?
  • 顧客の本当の問題を見極める方法

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、戦略とは何か、マーケティングでの本当の顧客志向とは何かです。

記事の前半では戦略的なものの見方を高めるために、そもそも戦略とは何か、戦略のフレームをご紹介します。後半では、マーケティングについて解説します。

記事を通して、戦略思考やマーケティングの考え方が身につく内容になっています。

最後まで記事を読んでいただき、仕事でなどぜひ活かしてみてください。


戦略とは何か


いきなりですが、戦略とは何だと思いますか?

普段の仕事でなど、戦略という言葉は日常で聞く言葉です。しかし、人によって戦略の言葉の使い方、捉え方は必ずしも同じではないと感じる時があります。

私の一言の定義は、戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 です。

戦略は自分たちが持っているリソースを配分する指針です。ここで言うリソースとは、企業であれば要素が6つあり、人・モノ・金・情報・時間・知的財産です。

戦略の肝は、むしろ 「やらないこと」 にあります。やらないことを決め、やることをいかに絞れるかです。絞った後に、やることに集中します。

戦略の上位には目的があります。そして戦略の下には戦術がきます。目的・戦略・戦術の関係は、次のようになります。


3つの関係 (目的・戦略・戦術)
  • 目的 (自分たちが成し遂げること)
  • 戦略は目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」
  • 戦術は具体的なアクションプラン


戦略フレーム 3C


戦略のフレームは世の中には数多くあります。

その中で、最も汎用的なフレームだと思うのは 3C です。戦略フレームの基本中の基本ですが、使いやすいものです。


戦略フレーム 3C
  • 自社 (Company)
  • 競合 (Competitor)
  • 顧客 (Customer)


私の 3C の使い方で典型的なのは、戦略を考える時の入口です。3つの C から、全体像を把握します。

3C から、自分たちが何をやるかを考えます。具体的には、次の3つを満たすものは何かです。


3C からの絞り
  • 自社がやりたい、できることは何か [Company]
  • 競合ができないことは何か [Competitor]
  • 消費者や顧客が求めていることは何か [Customer]


一言で言えば 「自分たちはできるが競合ができないことで、顧客が本当に求めていること」 を実現するために、戦略として何をやるか・やらないかです。

ここで考えたいのは、「顧客の求めること」 についてです。本当の顧客志向とは何かです。


顧客のあらゆる要望に応える落とし穴


マーケティングには 「カスタマーマイオピア」 という考え方があります。

意味は、近視眼的に顧客に向き合い、対応をしてしまう弊害です。具体的には、良かれと思い顧客の言っている要望に全て応えることは、長い目で見れば顧客のためにつながらなくなります。

顧客の要望やニーズとして言われるがままに全てを対応しても、顧客の本当の問題解決にならず、真の価値にはつながらないのです。

これは、顧客の声をないがしろにしろという話ではありません。顧客ニーズなどの顧客理解は大切です。しかし、だからと言ってあらゆる要望に応えるかどうかは別だということです。


顧客理解の本質


では、消費者や顧客のことをどのように理解すればよいのでしょうか?

私が思うマーケティングでの顧客理解は、以下の3つのレイヤーに分けて見ていきます。


3つのレイヤーからの顧客理解
  • 目に見える現象 (例: 行動・発言・利用シーン)
  • 事象の背後にある構造・メカニズム (例: 興味やニーズ、不満や悩み)
  • 構造への根本的な要因 (消費者インサイトや人の価値観)


顧客のわかりやすい、見えやすい順に上から、「現象」 「構造」 「本質」 です。

先ほどのカスタマーマイオピアでのあらゆる要望に応えるとは、1つめの現象レベルにおいてです。

顧客理解で大事なのは、発言や行動のもっと奥にあるものです。語られない興味や不満、さらに奥にある価値観や消費者インサイトです。

目に見える現象の背後には構造的な要因、本質的な要因があるというスタンスで顧客理解に臨みます。


問題設定の磨き込みが先


カスタマーマイオピアに陥らず、本当の顧客志向になるためには、まずは顧客の問題設定を徹底することが大事です。

自分たちは本質的にどんな問題を解決するかです。

顧客が直接伝えてくる要望をそのまま問題と捉えて解決方法を考えるのではなく、本当の問題は何か、問題の磨き込みに注力します。顧客の問題の中で、自分たちが扱うこと・扱わないことを決めるという戦略的な問題設定です。


まとめ


今回は、戦略とマーケティングについてでした。

戦略とは何か、戦略フレームの 3C について解説し、後半ではマーケティングでの顧客志向について書きました。

最後に今回の記事のまとめです。

  • 戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 。戦略の肝は、むしろ 「やらないこと」 にある。やらないことを決め、いかにやることを絞れるか。絞った後に、やることに集中する

  • 最も汎用的な戦略フレームだと思うのは 3C (Company, Competitor, Customer) 。3C の使い方で典型的なのは、戦略を考える時の入口。3つの C から全体像を把握し、自分たちが何をやるかを考える (やることを絞る) 。
    • 自社がやりたい、できることは何か [Company]
    • 競合ができないことは何か [Competitor]
    • 消費者や顧客が求めていることは何か [Customer]

  • 顧客理解は、以下の3つのレイヤーに分けて見ていく。
    • 目に見える現象 (例: 行動・発言・利用シーン)
    • 事象の背後にある構造・メカニズム (例: 興味やニーズ、不満や悩み)
    • 構造への根本的な要因 (消費者インサイトや人の価値観)

  • 顧客理解で大事なのは、発言や行動のもっと奥にあるもの。語られない興味や不満、さらに奥にある価値観や消費者インサイト。
    現象の背後には構造的な要因、本質的な要因があるというスタンスで顧客理解に臨む。本当の顧客志向になるためには、まずは顧客の本質的な問題が何かを追求することが大事。

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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。note も更新しています。

内容は個人の見解です。