投稿日 2020/02/20

書評: 経営者になるためのノート (柳井正) 。経営者でなくても 「経営者」 になれる本




今回は、書評です。

ご紹介する本は 経営者になるためのノート (柳井正) です。





  • どんなことが書かれている本?
  • 経営者に必要な4つの力とは?
  • 「誰でも経営者になれる」 とは?

こんな疑問に答える内容を書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、
です。

この本は、柳井さんの経営の考え方や哲学が惜しみなく公開されています。

会社の経営者ではなくても学べることが多くあります。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。


この本に書かれていること


この本を一言で表現すれば、ユニクロの柳井さんの経営哲学が書かれた本です。

本来は社内だけにとどめておく内容ですが、柳井さんの意思であえて書籍にして公開されたものです。

以下は、本書の内容紹介からの引用です。

柳井正が語る仕事に必要な4つの力とは?

ユニクロ幹部社員が使う門外不出のノート。欄外に気づきを書き込めば、自分だけの一冊に。

 「自分で完成させていくノート」

このノートのコンセプトです。このノートは、これから経営者になる人のために、ぜひ知っておいてほしいことを書き記したものです。しかし、完成させていくのは、読者である、あなたです。


経営者の4つの力


柳井さんは、経営者に求められる力は4つあると言います。

この本の構成も、4つの力を解説し読者に問いかけるつくりになっています。


経営者の4つの力
  • 変革する力
  • 儲ける力
  • チームをつくる力
  • 理想を追求する力


以下、それぞれについて、私が印象に残ったことのメモです。


変革する力
  • 高い目標を掲げる
  • 常識を疑う
  • リスクを取り挑戦する。失敗してもまた立ち向かう
  • 危機感を持つ
  • 向上心、学び続ける (慢心や驕りを捨てる)


儲ける力
  • お客を大切にする
  • 重要なことに集中する
  • 矛盾に向き合う
  • 準備をするが、実行でこだわるのは成果 (計画に固執しない)


チームをつくる力
  • 信頼関係を築く
  • 言行一致、首尾一貫 (リーダーの姿勢)
  • リーダーは任せる。責任を明確にする


理想を追求する力
  • 使命感を持つ
  • お客のため
  • 社会に貢献する


経営者になる


この本を読んで考えさせられたのは、経営者とは何かです。

文字通りの意味は、会社の経営です。しかし、私はもっと広い意味で捉えました。自分自身を1つの会社と見立て、自分を経営するという経営者目線です。

自分を会社と捉えれば、この本に書かれている4つの力には、自分をどう経営していくかへの示唆に富みます。

ここからは、「自分を経営するためにどうすればいいか」 という視点で、4つの力を読み解きます。


変革する力


自分のことを意志を持って変えていけるかです。

変わる必要があるのは、外部環境が常に変化しているからです。自らを変え続け、外部環境に適応していきます。

この本からは、自己変革の心構えや姿勢を学べます。


自己変革の心構え
  • 常識を疑う
  • 向上心を持つ (自分はまだまだ足りない)
  • 学び続ける
  • 新しいことに挑戦する (リスクを取る)
  • 失敗しても、また立ち向かう


儲ける力


お客を大切にすることを考えさせられました。

ここで言う 「お客」 とは、自分という人間を生かしてくれている人です。

人は一人では生きていけません。まわりの人間のサポートがあってこそです。家族、友人・知人、仕事の上司や同僚と言った周囲の人がいるからこそ、自分は生かせてもらっています。

大切な人を文字通りに 「大切にしているか」 、大切な人に喜んでもらうことをしているかを問われました。


チームをつくる力


自分を会社と見立てた時に、チームとは何でしょうか?

私の解釈は、自分の中にいる複数の自分をチームと捉えました。例えば、楽観的な自分と悲観的な自分、そして、現在の自分だけではなく過去や未来の自分です。

こうした異なる自分との対話を通して、自己を認識し、振る舞いや行動につなげます。

例えば、意思決定や実行することに対して、過去の自分から見てどう映るか、未来の自分が今の自分を振り返ると何を思うかです。自分の中にいる複数の自分と対話をすることによって、チーム力を高めるのです。


理想を追求する力


個人のレベルでも使命感を持つことの大切さです。

では、使命感を持つために何を意識するとよいでしょうか?

使命感には、2つの要素が入ります。自分が理想とするありたい姿 (Being) と、社会にどんな貢献をするか (Doing) です。

もう1つ思ったのは、使命感は一度つくって終わりではありません。

未来を見据え、常にアップデートし続けるものです。


まとめ


今回は、経営者になるためのノート (柳井正) という本を取り上げました。





自分を会社と見立てた時に、自分自身をどう経営していくかの経営者目線を磨くための学びが多くある本でした。


最後に今回の記事のまとめです。


1.
ユニクロの柳井さんの経営哲学が書かれた本。
経営者に求められる力は4つ
  • 変革する力
  • 儲ける力
  • チームをつくる力
  • 理想を追求する力


2.
経営者を広い意味で捉えると、自分自身を1つの会社と見立て自分を経営すること。
自分を会社と捉える経営者目線を持てば、4つの力には自分をどう経営していくかへの示唆に富む。


3.
自分のことを、意志を持って変えていく [変革する力]
大切な人を文字通り大切にし、喜んでもらう [儲ける力]
自分の中にいる複数の自分と対話をする [チームをつくる力]
理想とする自分のありたい姿と社会への貢献から使命感を持つ [理想を追求する力]





経営者になるためのノート (柳井正)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。