2020/02/19

「アウトソースの悲劇」 と 「なるバカ」 に学ぶ、キャリアのつくり方




今回は、企業のアウトソースに学ぶ、個人のビジネスキャリアです。

  • 短期的な成功が自滅につながる 「なるバカ」 とは?
  • 「アウトソースの悲劇」 の本質
  • ビジネスキャリアへ学べること

こんな疑問に答える内容を書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、長期の目線でビジネスキャリアをどうつくっていくかです。

企業の 「アウトソースの悲劇」 という事例から、個人のレベルに当てはめキャリアへ学べることを考えています。

ぜひ記事を読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。


デルのアウトソース


今回の記事でご紹介したい本は、イノベーション・オブ・ライフ - ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ です。





この本に書かれてた、パソコンメーカーのデルの事例が興味深かったです。

短期的には成功したアウトソースが、後の悲劇につながったという話です。デルは、エイスースへのアウトソースです。


デルのアウトソース
  • 最初は製造プロセスの一部をアウトソースしていた
  • サプライチェーン管理に広げた
  • コンピューター設計にまで拡大
  • 最終的にはパソコン事業そのものをアウトソース


この結果、本書に書かれていたのは、「デルは凡用な企業になってしまった」 でした。

デルの 「アウトソースの悲劇」 から、私たちは何が学べるでしょうか?


アウトソースの悲劇の教訓


デルの話は、要するに何を意味するのでしょうか?

それは、良かれと思ったアウトソースは短期的には成功したもの、長期では将来の成長機会を失ってしまったのです。

短期的には 「なるほど」 と思えたものの、長期では 「バカな」 となってしまいました。私は、デルのこの事例を 「なるバカ」 だと思いました。


個人への示唆


個人のレベルでも、「なるバカ」 には示唆があります。

例えばアウトソースを、自分の仕事を誰か他のメンバーに振ることに当てはめてみます。

短期的には仕事を振ったほうが効率は良く、成果につながりやすいです。しかし、その時は良かれと思ったアウトソースが、将来の自分の成長機会を奪ってしまっていないでしょうか。

では、仕事を振るかどうかの判断は、どのようにすればよいでしょうか?


仕事を振る判断基準


誰かに仕事を振る判断基準は、短期と長期に分けて考えてみるといいです。


仕事を振る判断基準 [短期]
  • 自分がやる必要がない (自分にしかできないことに注力する)
  • 他の人のほうが自分よりうまくできる (早い/安い, より価値を出せる)
  • 自分が抱えすぎている。仕事を振ってボトルネックを解消する


仕事を “振らない” 判断基準 [長期]
  • 自分の強みをさらに伸ばせること
  • 新しい経験やスキル構築になる (種まき活動)
  • 信頼蓄積につながる


アウトソースの悲劇からの教訓は、長期での広い時間軸の視野で判断ができるかです。

たとえ短期的には成果が出ない、やったことが報われなくても、長い目で見れば将来の成長機会がありそうなものは、アウトソースをせずに自分でやり抜くという意思を持ちます。

では、短期的な成果を求めず、あえて振らずに自分が持ちたいと思える仕事は、どんなものがあるでしょうか?


アウトソースしない仕事の例


私自身の場合で、どんな仕事が当てはまるかをご紹介します。

一言で言えば、「0 → 1 を考えたアウトプット (たたき) 」 です。

最初に全体や構想を考え、それを関係者へのたたき台として見せるアウトプットです。具体的には、
  • 戦略
  • 仮説
  • 設計
  • 企画
  • 計画
をつくる時の、初期ドラフトです。

最初のアウトプットなので、ゼロから生み出す苦しみがあります。

さらに、たたきをつくっても外れることも起こります。方向性が違ったり、具体性が足りない、視野が狭いといった要因からです。つまり、リソースを使うわりに、すぐの目に見える成果にはつながりにくい仕事です。

しかし、ここは誰か他の人に任せるというアウトソースはせずに、自分の価値提供の能力を持ち続けるために大事にしています。

1つ1つのアウトプットが、自分の血肉になるからです。


まとめ


今回は、アウトソースの事例から、個人のキャリアで何が学べるかを考えました。

短期的には合理、長期的には非合理という 「なるバカ」 という見立てから、個人にも当てはまる教訓、具体的な例で、普段の仕事のアウトソースについて掘り下げました。

最後に今回の記事のまとめです。


1.
良かれと思ったアウトソースは短期的には成功したもの、長期では将来の成長機会を失ってしまうことがある。
短期的には “なるほど” と思えたものの、長期では “バカな” という 「なるバカ」 。


2.
個人への示唆は、仕事を他のメンバーに振る場合。短期的には仕事を振ったほうが効率は良く成果につながりやすい。しかし、良かれと思ったアウトソースが、将来の自分の成長機会を奪ってしまっていないか。


3.
たとえ短期的には成果が出ない、やったことが報われなくても、長い目で見れば将来の成長機会がありそうなものは、アウトソースをせずに自分でやり抜く。


4.
アウトソースしない仕事の例は、「0 → 1 を考えたアウトプット (たたき) 」 。
ゼロから生み出す苦しみがあり、目に見える成果にはつながりにくい仕事。しかし、他の人に任せずに、自分の価値提供の能力を持ち続けるために大事。





イノベーション・オブ・ライフ - ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。


1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。